表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/247

第63話 進むか退くか

 さて、この後の活動方針だ。依頼クエスト分のロックウルフは倒したから、“インシピット”の町に帰還してもいいし、日がまだ高いから森の浅いところで狩りをしてもいい。どうしようか。まずは3人に相談だ。


 3人にその話しをすると、ルプスが加わってきた。


「ガイウスよ。今、この森はおかしい。魔物の数が異常に増えている。この前まではオークロードにゴブリンキングがいた。そして、今日まではロックウルフリーダーがいた。だが、まだいるぞ。我らの群れが確認しているのはオーガに、ガーゴイル、コボルト、飛竜ワイバーンだな。」


「なるほどね。ちなみにオークロードとゴブリンキングを倒したのは僕たちだったんだけど、まさか狙っていた?」


「とんでもない。我の群れにはこの春に生まれたばかりのらがいるのだ。脅威が少なくなって感謝しておるよ。しかし、ガイウスは本当に人間か?あんな動きをする人間を我は見たことが無い。」


「一応人間さ。貴重な情報ありがとね。」


 そう言いながら、ルプスをでる。


退きましょうか。今回は。」


 そう言うと、3人とも頷き、


折檻せっかんが待ってる。」とエミーリアさんがボソッと呟いた。忘れて無かったのね。ガックリと肩を落としていると、ルプスが前脚を僕の肩に乗っけて、


「妻にはかなわんよ。そう落ち込むでない。」


 となぐめてくれた。「ルプス~。」と言いながら、モフモフの毛皮に顔を埋める。あぁ~癒される。しばらく、ルプスをモフモフしていると、【気配察知】に反応するものがあった。おそらくは、人、それに1人だ。でも、この状況はマズイ。グレイウルフに敵対するような人だと戦闘になってしまう。“ルプス”に説明をして、今回は、これでお別れすることにする。“ルプス”達が拠点にしている場所を聞いたので、会いに行きたいときはいつでも会いに行ける。


 “ルプス”達を見送り、散らばったロックウルフの骨をエミーリアさんの【土魔法】で穴を掘り、そこに骨を投げ入れ、また土をかぶせる。鋼鉄の壁も【送還】して消す。何とか間に合った。ついでに【土魔法】も覚えた。


 もうすぐで視認できるはずだ。一応、戦闘態勢をとっておく。が、ガサガサと茂みから出てきた人物を確認し、すぐに戦闘態勢を解く。


「アントンさん、今朝ぶりです。なんでこんなところに?」


「おう、ガイウス達だったか。いや、なんかでっかい鉄の壁?みたいのが見えたからな。いきなり消えたけど、一応確認しておこうと思って来たというわけさ。」


「あー、すみません。その鉄の壁は僕たちが出したもので、撤去しました。迷惑をかけました。」


「いや、別に迷惑とかじゃなくて、好奇心で来たようなもんだから、気にしなさんな。」


 そう言いながらアントンさんは周りを見渡す。「どうしましたか?」と聞くと、


「お前さん、また、大立ち回りをしただろう。そこらへんの木々に血は飛び散っているわ、木がなぎ倒されているわで、一体何を相手にした?」


「ただのロックウルフの群れですよ。」


「ウソこけ。お前さんなら、ただのロックウルフの群れなんて、周辺に影響を与えず、綺麗に片づけるだろう。」


「ええ、嘘です。846体のロックウルフの群れと、率いていたロックウルフリーダーを相手に戦いました。御覧の通り、1体も残さずに。」


 アントンさんはそれを聞き、口笛を吹く。その後、ニヤリと笑い、


「ガイウスよ。やっぱりお前さんはスゲェよ。後ろの嬢ちゃんたちもな。ますます、パーティに加入したくなった。」


「なんで、そんなに加入したいんですか?」


 素直に疑問に思ったことを聞く。するとアントンさんは照れくさそうに、


「家族がいるからな。今まではソロでもいけたんだが、寄る年波には勝てん。冒険者としての限界が見えてきてな。しかし、俺は食い扶持を稼ぐ方法をこれしか知らん。だから、他人と力を合わせて依頼クエストをこなしていきたいと思った。それが理由だ。」


「家族?まさか結婚していたんですか!?」


「まさかとはなんだ。まさかとは。あぁ、結婚しているとも、それに子供も5人いる息子が2人に娘が3人だ。・・・ハッ、娘は嫁にやらんぞ!!」


「いやいや、娘さんを貰うとか誰もそんなこと言ってないじゃないですか!?というかクリスティアーネ達も本気だと受け取らないで睨まないで!!怖いよ!!」


 いや、こう無言の圧力がですねクリスティアーネ達の方からビシビシと来るんですよ。はっきり言って、ゴブリンキング、オークロード、ロックウルフリーダーが小物に感じるほどの威圧感ですよ。


「とりあえず、僕たちは“インシピット”に戻りますけど。アントンさんはどうされます?」


「俺は、飛竜ワイバーン狩りだから、もうちっと時間がかかるな。」


「じゃあ、ここでお別れですね。また、ギルドで会いましょう。その時にはパーティ加入の件も答えを出せていると思いますので。」


「おう、それじゃあな。」


 そう言って、片手を挙げアントンさんは森へ入っていく。さて、後ろを振り向くと表情を消して、目からも光が消えた3人がいた。あっ、折檻の内容が重くなるんですね。わかりました。

見てくださりありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ