第22話 呼び出し・その2(人生、諦めも肝心)
「その呼び出しは絶対ですか?」
「まぁ、普通は任意なんだろうけど、今回はギルドマスターが是非ともと言いているから拒否権は無いに等しいね。」
「もし、拒否したらギルドを追放されるんですか?」
「そんなことはないよ。肩身が狭い思いをするぐらいかな。もちろん君だけでなくパーティメンバーのお嬢さん方もね。どの程度かはわからないけれど。」
アラムさんが笑顔でそんなことを言ってくる。僕1人なら別にいいけど、ローザさんとエミーリアさんまで巻き込むことになるとこれでは脅しではないかと思っていると、1つだけ案が浮かんだ。と言っても今朝したばかりのこともう一度しようということなんだけどね。
「それなら、依頼として出してください。僕たちは冒険者です。無報酬の依頼は受けません。」
アラムさんは一瞬ポカンとした表情をしていたけれど、すぐに笑い出しながら言った。
「今朝のアントンと同じことをしようというのかい。度胸があるし面白いね。ちなみに依頼内容としてはどんなものをお望みかな?」
「サブギルドマスターのアラムさんとギルドマスターのアンスガー・アルムガルトさん2人と僕たち『シュタールヴィレ』との対決です。成功条件は僕たちの勝利。報酬は白金貨3枚と呼び出しの拒否です。」
「んー、少し時間をくれるかな。ギルドマスターに相談してくるよ。」
そう言ってアラムさんはカウンターの奥にある階段へ向かって行った。
「ちょっと、ガイウス君。サブギルドマスターは2級でギルドマスターは準1級なのよ。アントンさんよりも強いのよ。私たちで勝てるわけないじゃない。」
「大丈夫ですよ。ローザさん勝機はあります。」
なにしろさっきアラムさんを【鑑定】したらチートの助力がある僕よりも能力値が低かった。ちなみに僕はゴブリンキングを倒したことでLv.が上がって33ある。
名前:アラム
性別:男
年齢:35
LV:55
称号:サブギルドマスター
経験値:24/100
体力:334
筋力:353
知力:350
敏捷:341
etc
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能力
・識字 ・格闘術Lv.72 ・剣術Lv.84 ・火魔法Lv.70 ・防御術Lv.88
・回避術Lv.89 ・騎乗Lv.65 ・気配察知Lv.70
以上がアラムさんのステータスだ。さすがサブギルドマスター全般的に高水準だ。特に【火魔法】を持っているのが僕的にはありがたい。上手くすればこの試合で【火魔法】を覚えられるかもしれない。使ってくれればだけど。
「私はガイウスを信じる。」
エミーリアさんが僕の目を見てしっかりと答えてくれる。ローザさんはため息をつきながら、
「エミーリアがそういうなら、私もガイウス君を信じるわ。エミーリアの言葉に従って後悔したことなんてないからね。」
3人でそんな風に雑談しているとアラムさんともう一人男性が上階から下りてきて僕たちの目の前までやって来た。
「私が冒険者ギルド「インシピット」支部ギルドマスターのアンスガー・アルムガルトだ。9級冒険者のガイウス君とは君のことでいいのかな。」
ずいぶんと丁寧な対応をしてくれる人だなと思いながら「はい。」と返事をする。
「先ほどアラムが持ってきた件についてだが、2点変更してくれるなら依頼として指名発注しよう。1点は勝負に勝っても私の執務室に来て話をしてもらうこと。もう1点はその補填というわけではないが報酬金額を3倍の白金貨9枚にすること。どうだろうか?」
僕はその呼び出しが嫌で今回の案を出したんだけどなぁ。それでもすぐにアンスガーさんを【鑑定】をして笑顔で返事をする。
「いいでしょう。受けます。さぁ、手続きをしましょう。」
勝てそうな試合なら報酬もいいし戦うしかないね。呼び出しの拒否は諦めよう・・・。
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