第12話 冒険者になりました
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
今年も定期的に更新できればと思います。
ドルスさんはエミーリアさんによる治療が終わるとすぐに目覚めると開口一番、
「あぁ、12歳の子供に負けるなんて情けないねぇ・・・。」
と、頭を掻きながら言った。
「でも、強かったですよ。ドルスさん!!」
「いやいや、剣はまだしも格闘戦で鎧を着こんでいる自分が投げられるとは思いもしなかった。格闘術に弓術もそこらの6級や5級の冒険者でも勝てないかもなぁ・・・。」
「そんなことは・・・。」
「謙遜しなくていいよ。君はそこに至るまで相当な努力をしたんだろう。これで、君たちが盗賊を3人で討伐したのも納得できるものさ。」
「そ、そうですか?ありがとうございます。(言えないよなぁ神様からチート能力を貰った結果ですなんて。)」
「ところで、君たちが討った盗賊の遺体とかはどうなっているのかな?もし、アジト周辺に放置してあるなら処分に行かないとアンデット化してしまうからね。」
「あ、すいません。最初に言っておけばよかったですね。この袋は魔法袋なので全員分の遺体が入っています。どこで出しましょう?」
と、魔法袋と偽っている麻袋を持ち上げる。
「おぉ、その袋は魔法袋だったんだね。それならもう一度だけ門の詰所の方へ来てもらってそこで出してもらえるかな。報奨金の計算とか遺体の後始末をするからね。」
「わかりました。それは冒険者登録が終わったあとでも?」
「もちろん。ここに来た理由の一つだからね。というわけで、さっそく登録と行こうか。」
練習場の待合室を出て、ドルスさんの後をついて行き受付の所まで戻ってきた。ドルスさんは受付の人にユリアさんを呼んでもらうようお願いした。しばらくしてユリアさんがやって来た。
「ドルスさん、もう大丈夫なんですか?」
「あぁ、大丈夫さ。エミーリアさんがヒールのおかげでどこも異常はないよ。ところで、ここにいる将来有望な少年の冒険者登録をしたいんだけど任せていいかな?」
「ガイウス君の冒険者登録ですね。任せてください。しかし、衛兵隊長が将来有望というならよっぽどですね。まぁ、私もテストを見ていたので実力は知っていますが。」
「えっ!!ドルスさんって隊長さんだったんですか!?」
「あぁ、そうだよ。といっても何人もいるうちの1人だし、よく隊長っぽくないとは言われるけどね。」
笑いながらドルスさんは答える。でも衛兵隊長ならローザさんとエミーリアさんも知っていたはず。驚きながらも振り返って二人を見ると、
「ごめんね。言うのを忘れていたわ。」
「同じく。ごめん。」
謝られた。いや、別に責める気は無いんだけど・・・。と、そこに「隊長!!」という声と共に1人の衛兵さんがギルドに入ってきた。
「どうした?」
「どうしたじゃないですよ。早く戻ってきてください。賊の取り調べも終わりましたので、確認をしていただかないといけないことが・・・。」
「わかった。すぐ戻る。というわけでガイウス君、私は仕事の方に戻らないといけなくなった。冒険者登録が終わったら詰所のほうに来てくれるね。」
「はい、問題ありません。」
「手間をかけて申し訳ないね。それじゃあ、詰所でまた。」
そう言って呼びに来た部下の衛兵さんと共にドルスさんは門の詰所へと戻っていった。さて、僕はこれから冒険者登録だ。
「ユリアさん、冒険者登録お願いします。」
「はい。それでは、まずはこの用紙に名前と生年月日、年齢、出身地、特技を書いてください。文字は書けるかしら?」
「教会で習いましたから書けます。・・・・・・・・書けました。これでよろしいでしょうか?」
「確認しますね。・・・・はい、大丈夫です。では、こちらで登録しますがよろしいですね?」
「はい。お願いします。」
「それでは、冒険者証を発行しますのでしばらくお待ちください。」
そう言うとユリアさんは傍にある水晶板に登録用紙を張り付け、その裏に木板を張り付けた。一瞬、水晶板が光った。すると水晶板の中を登録用紙に書いた文字が泳ぐように木板に移動し、木板に引っ付いた。驚いて見ていると、
「面白いでしょう?これ。・・・・はい、終わり。これがガイウス君、貴方の10級の冒険者証になります。これから頑張ってくださいね。」
ユリアさんから笑顔で木板を渡された。こうして、僕は冒険者になった。
「ところで、今から冒険者の説明とかを行いたいのだけど、ドルスさんの方の用があるのよね?どうします?」
「あー、ドルスさんの方が時間掛かると思うので今のうちに説明をお願いします。」
「はい、承りました。では、まずは級から説明しますね。一番下が10級で9級、8級と上がり4級より上は準3級、3級といったように上がり一番上が特級の14段階となっています。でも、特級の冒険者は世界でも10人もいません。依頼を達成すればその内容に応じて点数が貯まります。点数が一定を超えると昇級できます。ただし、5級からは昇級試験が行われます。また、依頼に失敗しても点数が引かれ、引かれすぎると級が落ちます。ですから自分の実力に見合った依頼を選ぶことをお勧めします。3級からが超一流冒険者と世間では見られているから、そこを目指して頑張ってくださいね。ここまでで質問はありますか?」
「いいえ、ありません。」
「それでは、次に冒険者ギルドの規則について説明します。簡単に言うと法にさえ違反しなければ大丈夫です。ただし、法に反したことをした場合は罪に問われ冒険者資格の剥奪をする場合があります。一部の例外として戦時や盗賊討伐などの依頼で人を傷つけたり殺したりしても殺人罪には問われませんし冒険者資格の剥奪もありません。また、冒険者間の問題については基本的にはギルドは関与しません。本人同士で解決してもらいます。もし、解決手段が決闘などの相手を殺傷する恐れがある場合になったときは一応の報告義務があります。報告を受けても必ずしもギルドが仲裁するというわけではないので極力問題は起こさない、問題に巻き込まれないようにしてください。ちなみに冒険者同士の決闘も両人が合意さえしていれば殺人罪は適用されませんし冒険者資格の剥奪もありません。一方的に殺害した場合は殺人罪に問われ冒険者資格の剥奪もありえますのでご注意ください。以上が簡単ではありますが規則の説明となります。ここまでで質問はありますか?」
「はい。この町に来る前に盗賊と遭遇して殺害してしまったんですが、それはどうなるんでしょうか?」
「もともと盗賊の類の殺傷については罪に問われませんから安心してください。しかし、冒険者登録前の出来事なので点数の加算は出来ません。ご了承ください。」
「わかりました。」
「では、次に依頼の受け方についての説明を・・・・」
「あ、そこらへんの説明は私とエミーリアでするわ。ドルスさんを待たせるのも悪いしね。ね、ガイウス君」
「そうですね。とりあえず今日はここまででお願いします。もし、わからないことがあればローザさんとエミーリアさんに聞くか、お手間をかけますが質問に来ると思います。」
「わかりました。それでは、一応これで冒険者の説明は終了します。」
「ありがとうございました。それではこれからドルスさんの所へ行きます。」
僕はお礼を言って出ていこうとすると、
「お気をつけて。依頼を受けに来てくれることを待っていますからね」
ユリアさんが満面の笑みで僕たちを見送ってくれたのだった。
見てくださりありがとうございました。
やっとガイウス君が冒険者になりました。
これからの彼の活躍にご期待ください。




