プロローグ 【朗報】 恋の予感がするんだが!?
僕は中2の時、バスケ部でキャプテンをやっていたにもかかわらずクラスで一番の『陰キャ』でした。あの1年は地獄のようでした。休み時間は誰とも話さず独りで机に突っ伏し、校外学習の時は実質独り(班の誰とも話すことができなかった)でした。そんな僕でも『恋』というものをしていました。そう、『陰キャ』だって恋がしたいのです。
この物語の主人公、橘優也も恋に飢えています。僕はそんな彼を応援するような気持ちで、執筆しています。皆さんも、優也を応援してあげてください。ついでに僕、『ユウキ黒騎士』のことも応援してください。
申し訳ございません。只今この作品の修正を行っております。今読んでも話がよくわからなくなると思うので今は読まないことをおすすめします。
完成次第ツイートさせていただきます。
『~橘君へ ずっとあなたに伝えたかったことがあります。放課後、桜の木の下に来てください。須崎より~』
え?マジかよ!思わず目をこすって机の中に入っていた1枚の紙をもう一度よく見る。間違いない、俺の名前が書いてある!ってことはもしかして……
ラ……ラブレター?俺宛ての!しかもクラスで一番可愛い須崎さんからだ!
須崎愛姫 彼女は、大手企業『SAコーポレーション』社長の一人娘だ。普段、クラスの人間と関わることが無く、クラスメートの名前を知らない俺でさえも知ってる程、彼女は有名人である。
――しかし何故、須崎さんが俺みたいな糞陰キャにラブレターなんてくれたんだろうか……謎でしかない。超うれしいけど。
喜びに浸っているとホームルームが終わっていた。その後担任が「ぼーっとすんなよ。2回も注意したぞ!」と言ってきたが、今は急いでいたので「さいならー」と言って教室を出る。
「えーっと、ん?桜の木の下……ってどこやねん!」
独り言を言っていると、幼馴染の大伴勇輝が隣のクラスから出てきた。
「あーー!勇輝、いいところに!」
「おっ、優也。どうした?」
「えーっと、桜の木ってどこあるんだっけ?」
そう聞くと勇輝は飲んでた茶を吹き出し笑った。
「ゲホッ──なんでお前なんかがそこに行くんだよ。あそこは『恋が芽生える木』と呼ばれる場所、つまりあそこは告白スポットなんだ。お前さんには無縁な場所だろ?」
なんかすげームカつく。こっちはもうラブレターもらってるわ!!そう思いながら胸ポケットからラブレターを出して勇輝に見せつけた。すると──
「ぎょええええええ!ゆっゆゆゆゆゆ!優也なんかがラブレターだとぉぉぉぉ!!しかも須崎さんからあぁ!」
「驚き方が尋常じゃねーよ!!」
「まあいいや、とりあえず案内してやんよ。ついてこい!」
そう言うと、勇輝は体育館の方へ歩きだした。俺はウキウキしながら勇輝についていく。
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約束の場所『恋が芽生える木』は体育館の裏にあった。
「なぁ勇輝、お前もここで告白したの?」
勇輝は俺とは違い、恋人が途切れないような男だ。高校に入り新しい彼女ができたらしいので聞いてみたのだが……
「そうだ、入学して一週間経った頃だ。(ドヤァ)」
コイツのドヤ顔はマジでムカつく。でも一週間はスゲーな。勇輝さんリスペクトッす。
待ち始めてから一時間が経過する。
「なあ、本当にこの木で合ってるのか?そもそもこれ桜の木なのか?もう結構待ってるけど誰も来ないじゃん。」
「この学校の桜の木はここにしかないんだよ。だから合ってる。」
とりあえず勇輝ことを信じて待つことにする。
~夜の8時くらいまで待ったが、誰も来ない。
「何か変じゃね?」
勇輝がそう言い俺が持ってたラブレターを取り上げた。その時便せんからもう1枚の紙が出てきた。
それを読んだ勇輝の顔が青ざめていく。
「どうしたんだ?」
「なぁ優也、これ……」
勇輝がその紙を見せてきた。それを見た俺は想像を絶する程の脱力感に襲われた。
『残念!このラブレターは偽物で~す。騙してごめんね(笑)』
「こんな悲しいことあるか?」
「ないな……」
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朝日が窓から挿してくる。眩しくて目が痛い。「憂鬱だ……学校に行きたくない。」そう母に言ったが休ませてくれない。多分、毎朝同じような発言をしているのでいつも通りのことだと思っているのだろう。今日は本当に憂鬱なのに。
妹の雪未に助けを求めようとしたが、寝起きだからか機嫌が悪そうなので止めておく。。普段は絵に描いたような、可愛い妹なんだが(俺は断じてシスコンじゃねー)、機嫌が悪い時は父でさえも近寄ろうとしないほど恐ろしい。家にいてもなんだか怖いので、仕方なく学校へ行くことに。
道中の高尾駅で勇輝と合流し、電車に乗り、山梨県のとある駅に到着。そこからバスで学校へ。やっぱり遠い……学校に行くだけで疲れてしまう。
勇輝がトイレに行ったので1人で教室へ向かう。
教室に着くといつもの様にワイワイガヤガヤしていた。俺にとって休み時間はただの苦痛にすぎない……独りだからだ。だから俺はいつも、朝休みの時間を少しでも潰すために遅刻ギリギリで登校しているのだ。
ここで俺はある異変に気づく。
いつも早く登校してるはずの須崎さんがいない!休みかな?──彼女がいないことに内心ホッとした。今日は彼女に合わなくて済む!
安心して席につき、仮眠をとろうとしたその時!
廊下で何やら大きな声が!ん?この声はもしかして……
「須崎てめぇ!優也にあんなことしやがって!!許さねぇ……殴り倒してやる!」
「ちょっ、ちょっと待って──」
──慌てて廊下へ飛び出すとそこは修羅場と化していた。俺の幼馴染、大伴勇輝とこの学年を取り仕切る女帝、須崎愛姫が対立していたのだ。この騒動を見に、人が どんどん集まってくる。
須崎さんに殴りかかろうとしている勇輝を止めに行こうとするが人が邪魔で通れない。もう駄目かと思った時、事態が急変する。
バキッ!ドカッ!
「愛姫ちゃん、もう安心だよ。」「怪我はないかい?」「全く……ひどい奴だ。女の子に殴りかかるなんて。」
突如、三人組の男達が現れた。彼らが勇輝を止めた(殴り倒した)ことで 、この事件は終結した。周りで見てた傍観者達がざわつく中、一人の女の子が人混みの中から飛び出し、勇輝のもとへ駆け寄った。
「ゆ……ゆう君!」
勇輝の彼女の朝比奈風花さんだ。
傍観者達がいなくなり道ができたので俺も勇輝のもとへ駆け寄った。
「ゆう君!大丈夫!」
「ま……まぁなんとか──痛っ!」
肩をおさえ、痛がる勇輝に風花さんが
「まったく……すぐ熱くなっちゃ駄目よ。もうちょっと冷静に行動して。」
と言った。
勇輝は「はーい」と返事をして、その場を去ろうとした……
俺が偽ラブレターなんかに騙されなければこんなことにはならなかった……そう思った俺は去っていこうとする勇輝を呼び止めて言った。
「勇輝、全部俺が騙されたせいだ!本当にゴメン!」
「気にすんじゃねーよ!親友だろ!」
勇輝はそう言い返すと自分のクラスへ入っていった。
大伴勇輝、優しくて熱いヤツ。たまにムカつくようなことも言ってくるけど超良いヤツ。俺は、唯一の友達が彼で良かったと改めて思った。
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午前の授業を終えると、地獄の時間『昼休み』がくる。
この学校では『他クラス侵入禁止』という謎ルールがある。そのため、クラスに誰一人友人がいない俺は、独りで飯を食うことを強いられている。だが、今日はいつもとは違った。
──俺の席の前へ椅子を持ってきて彼女は俺の机で弁当を食べだした。
「少し話があるの。」
「須崎さん……あんたとはもう関わりたくない。どっか行ってくれ。」
「実はこんな試験中の商品があるの。」
俺の言うことを完全に無視した彼女は、SAコーポレーションのカタログを見せてくる。仕方なくカタログを読んでみると、とても興味深い商品が載っていた。
『〜彼女が欲しい、でもモテない!そんな貴方に「AI彼女」を贈ります〜』
「凄いでしょ、これ!」
「俺の話聞いてた?きもう一度言うが、あんたとは関わりたくねーからどっか行けよ」
報酬で釣るつもりか。なんだか良いように利用されてる気が──だがやって損するわけじゃないし、『AI彼女』というのはかなり興味深い。
「わかった、やってみるよ!その試験。」
「ふふっ、嬉しいわ。それじゃあ今夜ウチに来て。改めて『AI彼女』を紹介するわ。」
AI彼女か……『えーあい』というのはよくわからんが、要するに俺にも彼女ができるってことか。そう思うと、今夜が待ち遠しくなる。
「あ~、早く学校終わんねーかなー」
プロローグなので結構短かったと思います。次回第1話からはもう少し文量を多くしていきます!投稿は不定期で行うのでTwitterアカウント ゆーさん D11 M11にて、投稿等の情報をツイートしますので是非フォローしてください。