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ふたりはまいご。

ゆっさ、ゆっさ


…何かに運ばれてる?何で…、あ、あの後気絶したからか…。

拘束されてるわけでもなさそうだし、背負われてるだけ見たいだけど…

目を開けると、綺麗な黒髪と、大きなリボンが視界に映った。


「…あの」

「うひぁ!?」


ドサッ…


声を掛けてみたら落とされた。

私を運んでいたのは、黒髪で、片目を髪で隠し、後ろに大きな赤と白のリボンが付いている翠色の着物を着た女の子だった。目をつぶってうなじを両手で抑えている。


「…あの」

「あ、あぁ!すみません、いきなりでびっくりして…、あ!誘拐とかじゃないですよ?倒れてたから運んでただけですからね!?」

「…それはわかる。わざわざありがとう」

「いえいえ。あ、私の名前はクラウと言います。通りすがりの迷子です」

「…迷子?」

「ええ…。村をでてリンドルム聖国というところにある学校に行かないといけないんですが…、村をでたことなくてわからなかったんですけど、私、結構方向音痴みたいで…」


俯きながらクラウは言った。


「…私は、道間違えて進んでたのに気づいて、急いで引き返して、力尽きた」


言葉にして言ってみると、私とクラウの状況は似たような状況な気がする。

クラウは、少し目を丸くしてから、笑った。


「ふふ、力つきるほど焦ったんですか?」

「…焦った。同じ速度で引き返してたら、入学式に間に合わない」

「あら?」


唐突にクラウが首を傾げる。


「もしかして貴女も学校に?」

「…ん。そう言えば、そう」

「目的地はアークって都市ですか?」

「…ん」

「やっぱり!目的地一緒ですね、折角なので一緒に行きませんか?」

「…ん、わかった。一緒に行こう」

「ありがとうこざいます!…正直、私一人だとたどり着ける気がしないんですよね」

「…私もどんなとこでミスるかわからないし…」


この辺りで、私は1つ、重大なことに気がついた。


「…ねぇ」

「はい?なんですか?」

「…私達、今どこに居るの…?」

「へ?都市に向かって居るはずですよ?」

「…私が倒れてた場所から、少し行けば都市見えてたと思うんだけど」


止まる時、かなり高く飛んだから、その時に見えた。


「…えっと、森沿いに歩けば着くと思って…」

「…なるほど。…つまり都市と水平に歩き続けて…どのくらい時間経った?」

「……二時間くらいです」


クラウは顔を手で覆って言った。


「…どっちから来たか、わかる?」


気にしてなかったけど、ここ、大草原だ。


「…た、多分あっちです。少し丘越えたので、森見えないですけど、多分」

「…まぁ、こんな時のためのこれ…」


ごそごそとポケット漁り、目的地コンパスを探す。



探す。







「…あ」




そう言えば、道間違えたのに気づいた時に落として…拾ってない。

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