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はしる。

ポトリ。


私の手からコンパスもどきが落ちた。側から見たら、私はさぞ間抜けな顔をしていると思う。



目の前にある、この一つの看板が、私をこうした。


[この先、魔族の村。用がないなら立ち去ることを推奨します。 魔族の村 クライア村長より]



「…方向逆…???」


え、結局合計一週間くらい歩いたのに向き逆…?


え………え?食料もそろそろ尽きるんだけど…。



そのあたりまで考えたところで、私は思った。


もういっそ、ブレイカーしながら無休憩で走り抜けよう、と。



「…すぅぅ、《ブレイカー》っっ!!!!」


その場で咆哮をあげる。かなり早口で言ったから、聞かれててもまぁ、人間とはバレないだろう。


パァン、と音を立てて地面を破壊し、その勢いで今来た道を進む。



パァン、パァン、パァン。


ひと蹴りで出来るだけ遠くへ。出来るだけ力を込めて。



走り始めてから40分くらいで、昨日夜営した場所を通り過ぎた。


パァンパァンパァン


どんどん加速していく。木の枝とかは全てパァンと弾け飛ぶ。



走り始めてから一時間くらいで、一昨日夜営した場所を通り過ぎた。


パァパァパァパァン…


一歩で進む距離はだいたい同じだけど、もう速さは音が重なり始めるレベルに到達した。


一時間半で、師匠の洞窟の前を通り過ぎた。



パパパパパ


かなり加速した。



そろそろ到着する気がする。








……あ、止まらなきゃ。いや、無理。



大きめの木が正面に…。



パァッンッ!!


今までより上向きの力を込めて地面を蹴る。そして、大きめの木に向かって、



「《ブレイク》っ」


パァン…


その衝撃で、勢いは多少弱まった物の、止まらない。


ズザザザザサッと、後転の様な姿勢で地面を擦って…


ドォ…ン……


さっきブレイクした木より大きな木にぶつかって、止まった。



「…いたい」


ぶっ続けで最高火力を出し続けたからか、足が痛いどころか感覚が薄い。腕は無事。一番酷いのは背中だ。かなりの距離擦った。服は、何が使われてるのかは知らないけどかなり頑丈で破れたりはしていなかった。でも摩擦熱かなんか知らんけど、多分真っ赤になってると思う…。


「…ぅ、やば…」


というか、ぶっ続けで力を使いすぎて、動けない…。


どうしよこれ…

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