ぷろろーぐそのご。
あと1話でぷろろーぐ終わります。ぷろろーぐというか、導入部だけど。
……
……んん?
バッと起き上がる。
「…寝てた!?」
湖に浸かったままねた…!?もしかしてまた死んだ…??
あたりを見回、そうとしたが、真っ暗で何も見えない。
「…あれ、もしかして本当に…?」
…二度目の死亡か、と少し落ち込んでいると、不意に灯りがついた。
『ぬ、起きたか』
目の前に、でっかい狼が現れた。
「っ!」
すぐに駆け出そうとするが、上手く体が動かない。
『まぁまて。三日も寝てたのだ、身体も上手く動かなかろ』
また声がした。周りにいる生き物は狼だけだ。
「…もしかして、喋ってるのって…」
『うむ、我じゃ。狼じゃ』
狼の方を見れば、目を瞑り、頷いていた。
「なんで…?」
『ふむ?それは死にかけていたことへの質問か?』
「…それもあるけど、なんで私をここに運んだの?」
変な生き物いたし、喋るくらいは不思議じゃなさそうだし。
見渡す限り、ここはある程度手入れがされた洞窟のようだ。毛皮が敷いてあったり、水の汲んである桶があったりする。
『貴様、転生してきたろぅ?』
「…ん」
『途中で魚神に合わんかったか?』
魚神、一つだけ心当たりはある。
「…鮭?」
『ぷっ、くく、そうじゃ、あいつがの、私怨でちょっと冷遇し過ぎたと連絡しよってきたのだ。あの時のあいつの慌てようといったら、くくく…』
あの問答無用で私を穴に落とした奴か…。
『まぁ、いざ見つけたら溺れかけてるというのは予想外ではあったがの…』
遠い目をしながら狼が言った。
『まぁよい。ほれ、受け取れ』
そう言って、前足で狼が何かを私の方に弾いた。
「…これは?」
『鑑定石じゃ。無論未使用のな!』
「…未使用?」
『うむ』
「…どういうこと?」
『鑑定石は1人に使うと以降、そのものにしか使えなくなるのじゃ』
「…なるほど」
識別標みたいにも使われるらしい。
『少し強めに握り込んで鑑定と言えばよい』
ギュ、と握って、
「《鑑定》」
ーー」
name lost
称号
魚神の私怨
[転生に関することを全部ルーレットで決められた哀れな者に送る称号]
破壊する人
[破壊に適性を持つ。スキルツリー{破壊する人}]
スキルツリー
《破壊する人》[不完全]
ーブレイク
破壊の力をその手に宿します。
ーブレイク
破壊の力をその身に宿します。
ーブロークン
破壊の力を時間差で与えます。
ーエンチャント〈破壊〉
破壊の力を他者に付与します。
ーブレイクアーツ
破壊の力を武器に付与します。
=ブレイカーボディ
破壊の力に耐えられる身体を。
=ブレイクフィジカル
破壊の力を使いこなせる体に。
「ーー
「ネームロスト?」
『どうやら転生するときに名前をなくしたようじゃの。前の名前を名乗るなり、新しくテキトーにつけるなりするとよい』
前の名前は…見た目も違うし、いらないや。というか、ネームロスト、ネームがロストって事で名前ロストでいいや。
「…どうすれば名前つけられるの?」
『これを新しい名前にする、という意識で名前を言えばよいぞ』
「…ロスト」
狼が少し驚いた顔をした後、大きめの声で言った。
『慈愛の狼神の名において、そなたの名を祝福しよう!!』
「…?」
びっくりした。
『ほほ、ほれ、もう一度確認してみぃ。名前がついてるはずじゃぞ』
「…ん」
今のセリフはなんだったんだろう。
「《鑑定》」
ーー」
ロスト
称号
魚神の私怨
[転生に関することを全部ルーレットで決められた哀れな者に送る称号]
狼神の祝福
[その名を祝福された者に送る称号。名とは、その人を表す者である]
破壊する人
[破壊に適性を持つ。スキルツリー{破壊する人}]
スキルツリー
《破壊する人》[不完全]
ーブレイク
破壊の力をその手に宿します。
ーブレイク
破壊の力をその身に宿します。
ーブロークン
破壊の力を時間差で与えます。
ーエンチャント〈破壊〉
破壊の力を他者に付与します。
ーブレイクアーツ
破壊の力を武器に付与します。
=ブレイカーボディ
破壊の力に耐えられる身体を。
=ブレイクフィジカル
破壊の力を使いこなせる体に。
「ーー
「…名前変わった。というか、狼神?」
『そうじゃ、狼神じゃ。実は偉いのじゃぞ』
「…ふぅん」
『反応薄いのぅ…。まぁよいか。それよりお主、これからどうするのじゃ?』
「…何にも決まってない」
『だろうの。この辺りには人里も無いしのぉ…。魔族の里ならあるが…あそこはオススメできんし…』
「…あなた、暇?」
『む、儂は常に忙しい…こともないの。やることと言えばたまにお主見たいのを保護するだけじゃな』
「…じゃあ、しばらく色々教えてほしい」
近くに人の住んでるところもないみたいだし、この狼、優しそうだし。
『ふむ。いいぞ。この世界の常識から戦い方まで教えてやろう』
「…ありがとう」
『うむ。まずは話し方じゃな。主、敬語使えんじゃろう?』
「…使えた。前は」
『転生すると、心のそこまで染み付いてるもんしか来ないからの。まずはそこからじゃな』
「…ん」
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