ぷろろーぐそのよん。
森。森というのは木がいっぱいあって、草が生い茂って、虫とか動物がいっぱいいる。さっき私が殺した熊鹿もそうだし、ちょくちょくリス…尖った毛の生えて、頭に一本ツノがある動物や、蛇…普通の蛇がいたりした。結局のところ、何が言いたいかと言うとどっかに水場があるんじゃ無いかなと。
「…見つけられるかそんなもん」
それでも早く見つけないといけない。今、私は下着姿だ。熊鹿の血とか脳髄塗れの服は流石に着たくない。せっかくの綺麗な黒髪も、多少は払い落としたけど、汚い。まぁ、今の私は幼女なので、別にこんな格好でも欲情するような人はいないと思う。…こんな森には。
さて、どうしよう。
とりあえず発見した、綺麗に切られた切株に座って考える。
…違和感なく座ったけど、綺麗に切られてる時点で察するべきだったとは思う。
キィィィィィィン
「…クワガタにしては、デカイと思うの」
私の背丈を優に超えるクワガタが、耳障りな音をたてながら上空から現れた。そのまま急降下して突っ込んでくる。ギリギリで、横に転がって避けた。
「っ、なんでこの森の生物は突進してくる…!?」
すぐに近くにあった木の裏に隠れ…
ズガッ!
丁度顔の両脇から顎が突き出てきた。ここぞとばかりに引っ掴んで、
「《ブレイク》っ」
パァンと軽快な音を立て、そのまま握りつぶした。
そのまま振り返り、木に向かって拳を突き立て、
「もう一回…《ブレイク》っ!」
木ごとクワガタを吹き飛ばした。
ーーーー
ごくごくごく
「…ぷはっ」
吹き飛ばしたクワガタに留めを刺そうと吹き飛ばした方向に向かったら、ほんのかすかに水の音が聞こえた。全速力で走り、障害物は全部パァンした。たどり着いたのは、綺麗な湖だった。
ジャバジャバと頭を水につけて洗う。生水はやばいとかなんとかは気にしている余裕があまりなかったから、そのままのんじゃったけど…まぁ、平気だろう。
下着を脱いで、湖につかる。冷たいが、裸足の足は汚れていたし、全体的に血も付いていたのが嫌だった。
ぷかー、と湖に浮きながら考える。
「これからどうしよう」
ぼっーと考えていると、不意に眠気が襲ってきて、そのまま意識が無くなっていき、浮かびながら眠った。