ぷろろーぐそのさん。
もう少しぷろろーぐが続きます。ぷろろーぐだけは毎日投稿します。多分。
とりあえず逃げてみたけど、熊鹿ケンタウロスはどうなってるんだろ。
ちらっと後ろを振り向く。
すると、クラウチングスタートのような格好で足を踏ん張っている熊鹿ケンタウロス…熊鹿が。嫌な予感がして、右にばっ、と避けた。瞬間、シュゴォォッと音がして…
ドッガァァァァァァン!!!
ミシミシミシ…ズドォォン…
新幹線の如き勢いで、正面にあった巨木に熊鹿が突っ込んだ。そして巨木がへし折れた。正直怖すぎて悲鳴も出なかった。
熊鹿がこっちをみる。私は熊鹿のクラウチングスタートに気をつけつつ走り続けた。
ーーーー
ズド……ン
何十回目の倒木かわからないくらいの木が倒れた。体感だけど、もう5時間くらいは走り回ってる気がする。五歳の体にこれはキツイ。と思うんだけど、なんかまだまだ走れそうなくらい体力が有り余ってる。むしろ熊鹿の方がバテ始めていた。
「っ…」
熊鹿がクラウチングスタートの体制になった。が、今までとは違い、蹄のあたりが赤く光っている。
嫌な予感がした。急いで横に飛んで回避をしようとして、
『クルォォ!!!!』
熊鹿の咆哮に一瞬ひるんでしまう。そして…
「っ!?」
今までにない勢いで突進してきた。
「だっ、たらぁぁぁあっ!!!」
出来るとは、思ってた。確証もないし、理由もない。ただただ出来ると思ってはいた。
パキンッ…澄んだ音が鳴った気がした。ギュッと握り込んだ拳のまわりに紫のスパークが走る。
そして、突っ込んでくる熊鹿を、思いっきりぶん殴った。ふと頭に浮かんだ言葉を喋りながら。
「《ブレイク》っ!!!」
パァンッ…
熊鹿の頭が爆散した。
「まって」
理解が追いつかない。何かしら出来るだろうとは思ったが、ここまでになるとは思わなかった。正直最悪である。…今私、この服しか持ってないんだぞ熊鹿野郎、血と脳髄でぐちゃぐちゃにしやがって…めっちゃ臭い。