ぷろろーぐそのに。
面倒になったので、段落でスペース入れるのやめます
「…食料?」
眩しいし、金色だからなんか美味しそうだし。
「はぁっ!?まさか貴女も私を食べようと…!?」
金の鮭が体をピチピチして怒りの声?を出す。
「…だって、鮭…」
食料でしょ…。
「ほんっと!最近は貴女達人間は最低ですよ!?人を生きたまま切り刻んだり焼いたりしやがってコノヤロウ!」
切り刻む前にちゃんと絞めてると…。
「…だって、魚だし…」
食料っしょ!
「はぁぁぁ??魚なら食べていいんですかぁ!?魚だってねぇ、生きてるんですよ!?」
鼓膜に響く音量で鮭が怒鳴る。
「…」
何を言おうか迷っていると、
「だんまり決め込んでんじゃねーですよ!?もぅいいです、転生先とか全部勝手に決めてやります!ルーレットォッ、えいやっさぁ!!!」
と言って、唐突に現れたルーレットが回り始める。
カラカラカラカラカラ…てん。
数回カラカラと回り、太鼓を軽く叩いたような音とともに止まる。十二個くらいのゾーンがあり、文字も書いてあるが、読める字じゃない。どこの言葉なんだろ。そして。
「オラァ、転生いってコォイ、もうくんなこのやろぉっ」
いきなり足元の床が消え、落ちた。
「…っ」
ーーーー
「…」
再び目を覚ますと、そこは森だった。熊を警戒したが、とりあえず付近にはいなそう。
「あ、あー、あー、あ?」
声を出してみると、高い声が出た。推定5歳くらい…?
たまたま近くにあった水たまりを覗き込む。美幼女がいた。
「…誰?」
顔の横で手を振ってみたり、にんまりとしてみたり、立ち上がったり服を脱いでみたり、色々した。結果、この水たまりに移る美幼女が私だとわかった。
「…謎」
お世辞にも、私はこんなに美幼女ではなかった。少し釣り気味の目に小ぶりの鼻、ふっくらとした唇、綺麗な黒髪。私の元々の容姿はやたら細い目、潰れ気味の鼻、常に乾燥してカサカサの唇、まともに手入れもしてないボサボサの赤毛。似てるところなど全くない容姿だ。5歳くらいの時の容姿なんか覚えてないが、黒髪の時点で私の過去の姿ではない。そしてそんな容姿に加えて、私はコミュニケーション能力に難があると自負してる。テンション高かったりするとそうでもないかもしれないが、基本どもる噛むのオンパレードでまともに話せない。
「てへっ?」
ニコッ、と笑ってみる。…自分で言うのもあれだが、可愛い。
ーーーー
一通り自分の体を確かめた後、とりあえずどうしてこうなった、と言うのを考えてみる。
「…森で遭難、熊に遭遇、撲殺からの、転生…?」
終わり。別に前いたとこにも何の思い入れもないしいいけど、唯一、冷蔵庫に入れといたイチゴミルクアイスだけが心残りではある。まぁまだ、別の世界ってわけでもないし、もしかしたら同じ森かもだし。
『クゥルアアアアアア!!!』
ぼっーと考え事をしていたら、木々の隙間から鹿と熊のケンタウロス的な生物が現れた。興奮状態で。
「…」
とりあえず、回れ右して全力で走った。
うん、ここ違う世界だね。