西旅082.ダンスを終えた後の一時で。
踊り疲れた戦車トリオがさぁ、ドドドォォォッってフィニッシュを決めたら歓声がっ!
そら、驚くわさ、戦車さん達。
うん、安らかに眠れ…って、もう戦車だったと言う原型さえ怪しいけどさぁ…
「本当に…この戦車砲を操るとは…
っと言うか、素晴らしい曲撃ちだった訳だが…以前は何処の軍に?」
んっ?なんで軍に所属していた前提に?
「いやいや、自分は軍へ所属したことなどありませんが?
シュパングの藤乃宮学院大学2回生である一般人であります」
そう答えたらさぁ…シゲシゲと…なんぞ?
「それはシュパング風ギャグかね?」って…えっ?
「中佐殿、遺憾ながら…ソヤツが告げておることは本当であります。
コヤツは本日、初めて銃を手にした素人…納得はできかねますが、事実であります。
コヤツの話によりますとシュパングには銃が存在しないとのこと。
物語にて知る程度の知識しか持っておりませんでしたな。
昨日の講義で全て理解しおりまして…」
曹長様が補足されるとさ、「君ぃ…本当に、人間?」って、酷すっ!
「何処から何処を見ても、その辺を歩いているような平々凡々たる一般人ですけど?
普通の大学生を捕まえて、酷くないっすか?」
こんな庶民的な俺を人外扱いなんてさぁ、失礼だよね、ねっ!
「俺の普通に対する常識が可笑しいのか…
最近の大学生がブッ飛んでおるのか…」
「我が国の大学生には無理であります、サァー」
いや、軍曹殿、そこで合いの手?
「中佐殿、それは自分も同じですぞっ!
このリュシュ准等兵が特殊と上申いたします」
曹長様…そがぁに断言しなくてもさぁ、ちょっと、ちょびっと、ほ~んのぉ、ちょびぃぃっとだけ、ハッチャケただけやんね。
酷いなぁ、もう。
「まて、グレッグ曹長」
「ハッ!なんでありましょう?」
「今、リュシュっと告げたか?」
「確かに告げましたが…」何を言いたいのか気になったようで、訝しげにさ。
したら中佐殿がね。
「サベルジェスのヤツが、基地で面白いことがあるやもっと言うから来てみたら…
なるほど、リュシュと言うキーワードだけで、どうしろっと思っていたが、確かに良いモノを観れた」っと、ご満悦。
ってぇっ!サベルジェス中佐ぁぁぁっ!
何、人のことを吹聴しとんねんやぁっ!
「リュシュ准等兵!
貴様、サベルジェス中佐を知っておるのかっ!」っと仰天したように。
曹長様さぁ、そんなに驚くこと?
「いやさぁ、前に告げたと思うんだけど…」っと、思わず。
「いや?聞いてはおらぬが?」そだっけ?
「そうか、ロインカーナ爺さんの話はしたけど、護衛の中佐について言ってなかったけか?」
ったらさぁ、ドルマン中佐が目を剥いて…
「彼は閣下の身分は?」って曹長様に。
「閣下の悪戯でしょうな、明かしてはおらぬようであります。
故に、我らが明かすのは問題かと」
「んっ?んんんっ???
ヤッパリ爺さんって有名人?」って呟いたら呆れられたっす。
なんでぇ?酷くね?
そんな話しをしてたらさぁ…
「アヤツ閣下とも知り合いらしいぞ」
「あの素晴らしい曲撃ちの腕…是非にとも、我が隊に欲しいものだ」
「話では格闘術の腕前も素晴らしいとか」
などなど騒がしい。
いや尉官クラスや曹長、軍曹クラスの方々みたいだな。
でぇ兵士達てぇと、俺を称えて騒いでんよ。
俺的には兵士達の方が好感を持てる。
「今夜は酒保の酒を買い込んで宴会だっ!」
「我らが英雄を称えよっ!その名もリュシュ!
あの曲撃ち…素晴らしいリズムであった」
などなど…
けどさぁ、そんな彼らの人垣がさ、いきなり海が割れ波が引き現れたモーゼの道が如く割れ道となる。
なんぞっ!?って思ってたらさぁ…
現れましたるは女神様っじゃなくて、セレーネお姉さま!?
その身姿は神々しくも美しい。
兵隊さんも羨望の視線で崇めるかの如く、うん、崇拝者?
そんなお姉さまがさぁ、人垣が割れて生み出された道を堂々と歩いて此方へと。
そして俺の前へと来るとさぁ。
「リュシュ君!凄いじゃないっ!
あんなことできるって、私、感動しちゃったわぁっ!」
あ、いや、お姉さま?
感動してさぁ、俺の手を取るのはさぁ、ま、まぁ…良くはねぇけど良しとしよう。
けどさぁ…抱き付くのだけはぁっ、NGぃぃぃぃっ!
そのぉ、なんだぁ…ナニが、そのぉ、柔らかい…ハッ!これがぁっ、孔明の罠かっ!
いや、兵隊さん達?さっき迄のフレンドリーさは何処へ行った?
熟練兵が多いんだろうか?お姉さま避けた殺気の矢が次々と。
嫉妬してんですね、分かります。
分かりたくも無いけど、嫌でも分かります。
だけどさ、そんなのも長くはな。
「諸君!一言告げておこう。
彼は体験入隊者である!
つまりは、基地へ招いた客であることを理解せよっ!」っと。
曹長様が告げるとさ、お姉さまが俺から離れた後で…
「そう、そうなのよっ!
基地指令であらせられるロンザ・エリング大佐よりディナーのご招待よ。
文字通り、基地の賓客扱いね。
既に体験入隊者のお客様枠組みより上よ、上。
基地司令から直接賓客扱いですからね。
じゃぁ大佐が左官レストランでお待ちになっているわ、行きましょ」って。
あにょね、お姉さま?離れて下さったのに、今度は腕組れすか?
そのにぇ、そのぉ…当たるんっすが…
うおぉぉぉぉぉっ!漲ってぇぇぇっ、参りぃっ、まし、たぁぁぁぁっ!
って、兵隊さん達?何てぇ絶望したような顔?
虚ろな瞳が怖いんっすけど…
いやな「いいなぁ~」って人差と指を加えて見送るヤツも。
実際に初めて見たぞっ、あれぇぇぇっ!
漫画とかアニメ以外では、幼子が行うくらいって思ってたんだが…うむ、貴重なモノを見れたかも…無いわぁぁぁっ。




