西旅078.これ…欲しいっすぅっ!
これ…結構欲しいかも…
いやな、俺って子供の頃からの趣味がプラモなんよ。
玖籐流修行漬けだった子供時代に唯一許された娯楽ってヤツだな。
これは爺ちゃんの親友って言う神矢モデル創始者である神矢 幸之助爺さんが爺ちゃんに掛け合ってくれてな。
なんでも「模型造りは精神修養に良いっ!」ってぇ力説を。
それに負けたてぇ訳でもないんだろうけど、爺ちゃんが唯一許可をな。
プラモも幸之助爺さんが色々とくれたんで、簡単なのから始まり難しい代物も。
そしてギャラクシー・バトラーのシリーズも当然網羅してっよ。
亜空間へ保存してらぁなっ。
ってもな、子供の頃でも修行場へはさぁ、そんな代物の持込は不可能なんだよ。
中学時代に空間干渉して亜空間倉庫を創り出してからは物の持ち運びが自由になったんで、何処でも暇を見付けては造ってたっけ。
修行って無人島や須弥山へ放り込まれた時とかもさ。
流石に時と場合を考えてって感じだったけど、亜空間倉庫を得てらかはプラモ造りが捗ったもんさね。
けど、それを得るまでは限られた代物しか持ち運びがな。
生き残りを賭けて釘なんぞを小型刃物に形成して密かに持ち込んだりとか。
まぁ、そんなんでも大半が見付かって没収されてから、ブチ込まれてたんだが…
ただ、そんな釘の先端を潰して磨ぎ刃と化すことを工夫してたおかげでな、島で見付けた釘なんぞを形成して刃物を造れるように。
いやな、今時のシュパングで人が全く立ち入ったことがない島なんてぇのは難しいもんさね。
っとなれば、人が持ち込んだ代物の残骸くらいは探せばな。
そんな代物を拾って形成してはサバイバル用具を。
ってもな、小学中学年くらいからの話しだがな。
んでな、そんなサバイバル小学生だった俺はさ、造り上げた釘小刀で木片を削って木像なんぞを。
いや、仏像なんかじゃねぇぞ。
あん時代はアニメなんぞを見る時間もなかったが、プラモ関係で色々と。
そして一番のお気に入りはギャラクシー・バトラーのシリーズだったんだ。
そう、木片を削ってはギャラクシー・バトラーの飛行艇やマシーンも。
そしてさ、当然だがレイ・ブレードなんかも。
生き残りを賭けたサバイバルって言っても暇はできるかんよぉ。
結構精密な造型を施せたもんよ。
それを幸之助爺さんが見付けてさ、欲しいって言うから渡したら…プラモの型として使われちまったよ。
まぁ、その型を使用した分は俺用に作った口座へと振り込んでくれてたみたいだけどね。
っても、あれはプラモ関係のみに使用するって決めてからさぁ、今のところは手を付けてないんだよ。
ま、幾ら入ってってかも確認してないかんなぁ~、あれ。
今度、一度確認しても良いかもな。
時々、造ったプラモとか木像を欲しいって言うから渡したりもしてたんだよ。
大学入ってからプラモ雑誌を読んだら、匿名の幻造型師って輩が俺の造ったのと同じ代物を。
俺もさ、何時かは、そんな風になれたら…っても思ってんだ。
そんな俺からしたら、この実物化したようなレイ・ブレード…欲しい。
うん、すっごく、欲しいっす。
だからさぁ…
「いや、リュシュ准等兵?
なに懐へと仕舞おうとしておるのだ?」って。
「えっ?くれるんじゃないんっすか?」
「んな、訳ぇ、あるかぁぁぁぁっ!
返さんかぁっ!」って。
「えっ、駄目っすか?
欲しいっすぅっ!」
ちょうらい、チョウライ、超、超来オンってね。
「そんなウルウルした目で見てもダメなものはダメだっ!
っか、良い大人がぁっ、そんな顔するでないわぁっ!
気持ち悪いっ!」
酷いっ!俺の、何処が…うん、想像してみたら、相当キモかったな、うん。
チッ!まぁ構造は簡単そうだからさ、自分で造るか。
面倒だから貰えたらラッキーだったんだけどさ。
仕方なく、渋々とレイブレードもどきを返してっと。
いや、曹長様?そんなに慌てて仕舞わないでもさぁ。
信用…ある訳ないかぁっw
そんな遣り取りを見ていた軍曹殿が苦笑して告げる。
「曹長殿、どうなされます?」っと。
「ふむ、普通なればハンドガン射撃で終わりではあるが…
うむ、まだ時間は余っておるな。
では長物でも撃たせてやるか」
「そうでありますな。
所詮、ハンドガンは護身用か補助程度の代物ですし」
うや、そうなの?
「普通はハンドガンを使用しないってことでありますか?」って訊いてみた。
したらな…
「うむ、射程も威力も劣る上に命中率も信用ならん。
それに装填可能な弾数が少な過ぎるでな。
この程度の代物を戦場で主武器として使用するのは無理であろうて」
そんなもんなのかねぇ。
「アサルトライフルや機関銃などが主体であるな。
近代戦は物量戦と言って良い。
そうなると、如何に多くの弾を敵地へと放てるかが重要視される訳だ」
なるほどねぇ…つまんねぇ戦いだねぇ。
ま、龍覇剣士には通用しねぇけどさ。
龍覇剣士に遠距離攻撃は効かない。
龍覇結界の防壁を破れないかんな、あれ。
弾丸に纏わせた程度の龍覇結界では破ることは不可能。
少しは雨粒がトタン屋根を叩く程度のダメージを。
いやさぁ、雨粒でトタン屋根を粉砕するのって…頑張ればできるのか?
しかも、無反動技術が発達した現在では、その系統の代物は大概が無反動なのだとか。
うん、ノーセンキューっす。
「ふむ、なれば…
特別に銃を選ばせてやろう」
「それも良いですな。
では、無反動となる前で狙撃タイプがよろしいかと」
「ふむ、そうするか。
ではリュシュ、行くぞ」って…
いや、いきなり2人でで決めて歩き出さんでくださいやぁっ!




