西旅046.さて、腹ごしらえしてから、だな。
エアタクシーは矢張り速いな。
大使館から乗って早々に宿へと辿り着いたよ。
ガードナー経由にてお姉様へは連絡が通ってな、午後から迎えに来てくれるそうな。
宿は食堂を昼と晩は一般へ開放して食事を提供してっからな。
宿で昼食を食べてから体験入隊へと赴くってことに。
エアタクシーから降りて宿の部屋へと戻った俺はさ、早速、龍力制御具を外す。
制御ってぇと聞こえは良いが、ま、封印具さね。
それらを外したらさ、亜空間へと放り込んでおく。
結構、貴重な品なのでな、紛失したら目も当てられんからさぁ。
なにせ須弥山で得られた素材で作られた品だかんなぁ~
これはシュパングでしか加工できないし、存在自体が秘匿されている代物なんだよ。
他国に知られたら驚愕もの間違いなしだ。
そんな代物をさ、宿へ放り出しては行けんっしょ。
身支度も整えたし、荷物は着替え程度で良いからさ、残りは置いてっても良いんだがな。
基地内での購買部で色々と買えるってことでキャリーバックへ荷物を入れて行くことにさ。
ってもさ、大半の荷物は亜空間ってね。
実際に持ち込んでいる品に対しては秘密ってヤツさね。
むろん違法だかんな、亜空間倉庫使用中時はガードナーに対しては幻覚を纏わせてんよ。
そう言う意味では大使館へ行ったのは思わぬ収穫だな。
俺はさぁ、機械への幻覚行使は無意味だと思ってたんだよ。
まさか映像系幻覚だったら騙せるとは思ってもみなかったぜっ!
伊藤さんが当たり前のようにガードナーへ掛けてっからさぁ、思わず「意味あんの?」って。
したらさ、「一定以上の性能を持った機械にだったら有効だぞ」ってさ。
いやぁ~、知らんかったわ、それ。
まぁ、当たり前ったら当たり前か。
一般人の大学生である俺がさ、高度AIを積んだマシンと接する機会は少ないかんな。
大学で教授のお供で向かう研究実験場でお目に掛かるくらいか。
もちろん、そんな場所の機械へ龍覇術を行使しようなんて思わないからよぉ、知る訳ないわさ。
そう言う意味では大使館で伊藤さんから機械へも有効って教えて貰えて良かったぜ。
今までは暗闇を生み出したりして結構面倒だったりしたかんなぁ。
ま、あれはあれで鍛練になるんだけどな。
仕度を終えた後で下へ降り昼食に。
メニューを開いて…何故にオムライスやカツ丼に牛丼が?
ありぃっ?此処ってシュランプだよね???
「なんでシュパングメニュー?」って、つい口にな。
したら聞こえたのか女将さんがさぁ。
「ああ、タカシ・メニューだね?
タカシが食べたいってレシピを教えてくれてねぇ。
調味料や食材の入手にたいしても融通してくれてんのさね。
お陰でさ、シュパングメニューが食べれる店って知られるようになったんだよ。
それ目当てで此処へ泊まる宿泊客も居るくらいだからねぇ。
しかもタカシ経由で直売りしてくれるから安く仕入れられてるんさね。
だから他所よりも安く提供できるってぇんで、近所の人達も食べに来る人気メニューなのさ」
そんなことをな。
まさかのタカシ伯父さんの仕込みかいっ!
伯父さぁ~んっ!…グッジョブ!
取り敢えずはオムライスを選んで昼食を。
シュランプメニューも悪くはないんだがな、やはりシュパング食が食べたくなる訳でさ。
それも飯ってかぁっ!
ヤッパリ俺は根っからのシュパング人ってヤツなんだなぁ~
沁み沁みと思いましたとさ。
シュパングの3倍はある大きさのオムライスを平らげた後でな、あっまぁ~いぃっデザートとカフェを。
クッソ甘いクリームタップリデザートに、にっがぁぁ~いぃっカフェの組合せ。
これがさ、意外と合ったりするんさね。
しかしなぁ、こりゃカフェなかったら食えん甘さだぞ。
大丈夫か、シュランプ人の味覚ぅっ!
ってもさ、美味いんだけどね。
完食して寛いでいる所へな、お姉様、登場ってね。
あや、タイミングさ、図ってたでかや?そんなタイミングでね。
グッ、タイミングでやんす。
「あら、ちょうど食べ終えた感じかしら?
少しタイミング悪かったなぁ~
私、お昼、これからなの。
此処のシュパング・メニューが有名って聞いて1度来てみたかったのよねぇ。
リュシュ君、お薦めってないかしら?」
そんなことをな。
いや、13時近いんですけど?
忙しいんですねぇ。
しかし、お薦めねぇ…丼物って野郎メニューって感じ出しな。
無難にオムライスか?
焼きそばってのも良いかも…いや、此処はオムソバか?
いやいや、お好み焼きも有るじゃないか。
これは昼飯には良い感じじゃね?
しかし…シュランプにてお好み焼きって…なかなかシュールやねぇ。
「そうですね、このお好み焼きなんてどうです?」ってね。
「え~っと…ガレット?クレープかしら…いえ、ピザ???」
「いやだからさ、お好み焼きですって。
シュパング庶民の味ですね。
試しに食べてみたらどうです?」
そう薦めてみたんだけど…どうだろね?




