西旅004.うや、美味そうっす、ではぁ…昼食だっ!
外部デッキは3層になってるようだ。
一番広い下層デッキにプールや日光浴を行うばしょがな。
中層にはテニスコートが存在し、トレーニングルームへと向かうルートも此処に存在したよ。
まぁ、船内からも向かえるみたいだけどな。
そして上層デッキとも言える場所へ中層デッキから階段にて移動をな。
外部デッキは全て階段で繋がれているから階層を船内へ入ることななく移動できるって訳なのさ。
そんでな、遣って来ました上層デッキ。
いやな、上層デッキてぇ言うよりもオープンカフェ?いや、食堂かな?
船内のレストランテとを繋ぐドアが今は開放されており、ソチラへも移動可能となっているな。
外部デッキ自体が透明な超強化アクリル板にて覆われているために雨の心配はない。
っと言うかさ、高高度を飛行中な訳で雲なんざぁ船の下ってね。
今日は晴れてんからさぁ、雲に遮られることもなく地上と言う大パノラマを一望可能ではある。
ま、俺が先程まで景色を堪能していたからなぁ~
んっ?あ・れ・はぁっ!景色を堪能していたのっ!
で、なっ、上層デッキでは昼食の仕度が既に始まってんだよ。
ちと早い気もすんだがね、朝が簡単なサンドイッチとコーヒーだったからなぁ。
いやな、身長は175程度の平均的な身長だし細マッチョとも言える引き締まった肉体を誇る俺様は大食漢ってぇ訳でもない。
だけどなぁ、若い男としたら空港で売られていたようなチマチマしたサンドイッチではオヤツ程度にしかなぁ。
はっきり言って、料理の匂いに負けました、ええ、負けましたとも!
って事でな、少々早いけどさぁ昼食ってことにな。
この船は俺が向かうシュランプ国が就航させている官民共営船舶なんだとか。
近来のシュランプはシュパングとの協力路線を打ち出していてな、その影響か学割率が高かったんだよなぁ。
それがあって選んだ旅先でもあった訳だが…ううむぅ、昼からガッツリ系、大歓迎っす!
いやな、昼からステーキって…しかも分厚いでやんの。
生憎なことに飯ではなくパンだったんだけど…なんじゃ、これ?
外がパリッ、中がフンワリっと、いやな、半分に割った時に香る香りが…焼き立て?さいですか。
オープンデッキにてメニューにてチョイスしてたらさ、このステーキの写真がデデェ~ンってな。
思わず頼んじまったのだけれどもさ、皿から溢れんばかりの大きさもだが、何よりも厚さが!
ゴクリって喉を鳴らしつつフォークとナイフを手に…いざっ!
一度に切り分けるのは難しかったが、何度かナイフを動かし肉を切ると断面から肉汁が!
思わず切り取った肉を口へと運び頬張った訳なんだだけどさ、ちと大き過ぎたぁっ!
頬を膨らませつつ口内は肉で占拠されつつも噛み進む。
歯応えもだが、噛む度に肉汁が溢れてさぁ、それが掛かっていたソースと混じり合い…ああっ………
夢中になって噛んでっとさ、何時の間にか口内の肉が消えてしまったんだよ。
誰だっ!肉泥棒はぁっ!俺の至高の時間をか・え・せっ!
って他愛のないことを思ってっとさぁ、腹が鳴る鳴る法隆寺ってかぁっ!
うや、胃っ!さてはテメェが肉泥棒だなぁっ!では次を進呈して差し上げよう、ってな訳で次々と切り分けて口へと。
付け合せの野菜やスープもあるんだけどさぁ。
最初に口へと入れたパン以外は…肉、肉、肉ぅっ!ってな。
アッと言う間に皿から消え去るステーキさん…ううううっ美味かったよぉぉぉっ。
肉も素晴らしかったんだけどさ、肉に掛けられたソースが絶品だった。
口へと入れる前の香りも良いんだがね、口へ入れた後の芳香てぇのか?アレに遣られちまうね。
余韻に浸りつつ、パンとサラダ、ステーキの付け合せにスープを片付ける。
いやな、こちらも美味いんだよ。
これは間違いないんだけどさぁ…ステーキの余韻と、その後始末ってぇ感じが否めない。
大満足な昼食を食べてっとなぁ、なにやら俺が食ってんのを見てた連中も昼食を摂り始めてんよ。
皆さんが皆さんステーキです。
流行ってんの、ステーキ?
食後のコーヒーを頂きつつ食休みをね。
此処の食堂で朝昼晩に出される食事は乗船料に含まれてっから金は掛からないんだよ。
ただな、ラウンジやバーなんかで飲み食いする場合は別途金が掛かる仕組みだ。
これに対する支払いはな、船室のカードキー支払いが可能で下船時に清算可能ともなっているんだとか。
カード払いと直結されているから便利だから使う者も多いんだってさ。
実はな、シュパング学生の特約ってぇのでな、一定金額までは只にてカードキー払いできる仕組みが存在するそうな。
使わない場合は払い戻し対象外なので消滅してしまうから使った方がお得ではある。
だけどな、カードキー払いに気を許すと限度額をオーバーして使ってしまう危険性があるから要注意なんだと。
使い過ぎれば、当然支払いが別途発生するかんなぁ~
その場合はカードへ連結させてっから後払いってことになるんだけれども…使うべきか、使わぬべきか…
まぁ、取り敢えずは普通に飲み食いするには問題ないかんな、今は気にすまい。
そんな事を思いつつ食休みを終えた俺は席を立ち、船内レストランテ方面より船内へとな。
此処より上へは行けないようだな。
上級船室扱い、特上船室扱いへ到るルートとなるようで、見張りの船員が階段前にて検閲してんよ。
明らかに通ることは出来ないみたいだし揉め事を起こしても良いことはないのでスルーいたしやす、なにか?
さて、船内探索を再開しますかねぇ。
食堂がある階にはラウンジやバーなどや、簡単なカジノなんかがね。
カジノねぇ…いや、遣らんけど。
質実剛健を旨とする我が玖籐流剣士たるもの、賭け事なんぞに現を抜かすこと能わず!だな。
爺ちゃんに知れたら豪い目に合うこと引き合いな訳で…うん、無理。
ってもさぁ、興味はあるからカジノ内へと分け入って見学ね、見学。
これも社会見学さね、うん。
カジノだけではなくゲーム機なんぞも置いてあったのだけれども…筐体を良くみたらカジノ仕様でした、はい。
いやさぁ、テレビゲーム系を楽しんでたら賭博でしたって…罠だろ、これ。
此処はヤバイ、いや、楽しそうだけれどもさ、一時の享楽に迷い爺ちゃん折檻なんぞ…ぶるるるるっ。
離脱だ、離脱ぅぅぅっ、また御山放置なんざぁ勘弁。
龍覇術を扱う流派で隆盛を誇る我が玖藤流に於いても御山へと篭る修行は命懸け。
いやな、何度死に掛けたことか…
はっきり言うぞっ!二度と御免です!っても何度も行ってけどなっ!
だから余計に御免蒙る訳ですわ、故に撤退、撤退っ!、戦略的撤退な訳で…へタレな訳ではないよ、うん、ないよな?