表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死神のエスコート  作者: き
1/4

1

 本作は僕の処女作なので、大変拙く、至らないところも多々あるかと思いますが、あまり気にせず、どうか少しでも、自分の世界観を楽しんでもらえたら光栄です。それでは、GOODLUCK。









 「ピピピッピピピッ」


 僕は、目覚まし時計の、あのモノトーンでよく耳に響く、高い音で目を覚ました。ぼんやりとしていた意識が、次第にはっきりとし、古いアパートの天井が見えてきた。


 「よいしょっ。」


 一気に布団をはねのけると同時に、体を起こした。そして、洗面所へとむかう。顔を洗うと、今度はトースターに食パンをセットしてから、小さな洗濯機から、洗濯物を取り出して、いそいでベランダへと掛けていく。


 小さいうちに母を失っている僕にとって、それは日常だった。

 

 洗濯物が掛けおわると、一人でテーブルに席についた。


 「いただきます!」


 昨日の残り物のサラダと、バターを塗った食パンの朝食を食べはじめる。


 父はもっと早い時間に仕事に出ていくため、家庭科かなんかで習った孤食というやつが、すっかり当たり前になっている。その代わりに、いつも小さいテレビが食事のお共だ。


 朝のニュース番組を見ながら食べ終えると、皿洗いを済ませて、学校の支度をして家をでた。


 僕が住んでいる町は、田舎にある。といっても、綺麗な小川や壮大な自然が広がるような所ではなく、都会から離れた、ちょっと大きい病院と少しの緑と住宅で成っているような町だ。


 僕の通っている中学校は、家から歩いて15分くらいのところにある。


 僕が教室に入ると、既に何ヵ所かにクラスメイト達が集まって、喋っていた。


 僕は自分の机に制カバンを置くと、自分の席についた。


 僕は本来、人と話すのが苦手な訳ではない。ただ、中学に入って、それほど友達と話さないのは、自分がスマホやタブレットなどを持っていないことが理由にあった。


 仲のよい彼らの話題は、半分くらいはいま流行りのゲームなどの話で、その内容などを熱く語ることだった。


 もちろん、クラスの全員がそういった物を持っている訳ではない。が、いまの中学生は、大半が持っている現状にあった。


 だからといって、僕も絶対に欲しいとまでは思っていない。


 まぁ確かに、一度父に、友達がみんな持っているので欲しい。と頼んでみたことがあるが、あっさり断られてからというもの、それほど強く持ちたいとは思わなくなっていた。 


 「お、川上。昨日のタナカショー見た?」


 「あぁ、見たよ。面白かったな~。」


 話しかけてきたのは、僕と仲良くしている友達の一人、下村だ。


 なぜ仲が良いかというと、下村はスマホを持っているけれど、あまりゲームなどはやらない、珍しいタイプの奴だからだ。そのくせ、本やテレビの趣味は、よく気が合う。


 下村が話しかけてくれたおかげで、始業までの間、昨日のテレビの話で盛り上がっていた。



□■□■□






 学校が終わると、僕は家へと帰った。


 部活には入っていない。というか、入らなかった。僕の身体能力は平均的なものだが、別段入りたい部活はなかった。また、父が帰るのは遅いので、買い物や家事など、やることは少なからずあることもあった。


 着替えて、洗濯物を取り入れると、買い物へとでかけた。この町で唯一のスーパー。家から自転車で10分くらいの距離だ。



 

 帰ってくると、夕食の支度をはじめた。今夜はチーズホンデュ。スーパーで並んでいたのを見て決めた。


 いつものテレビを見ながらの夕食を済ませると、洗い物と宿題をしてから、お風呂に入った。


 「ふぅぅ。」


 湯船に浸かりながら、ゆっくりと一日の疲れを癒す。


 中学生としては、相当の生活能力が身に付いていると思う。それは、普段ほぼ父とは会わないがため、一人で自分の世話をしてきた結果でもあった。



□■□■□






 「ピピピッピピピッ」


 また今日という一日のはじまりだ。


 顔を洗って、洗濯物を干して、昨日の残ったフランスパンにチーズとハムをのせた朝食を食べはじめる。


 テレビでは、今日一日の天気予報を報じていた。昨日見た通りの晴れのマークがついている。


 朝食を食べ終えると、片付けて、支度をした。




 

 学校に着くと、いつも通り席につく。


 下村の姿は、今日はまだ見えなかった。何気なくクラス内を見回してみる。


 すると、どうやらクラスメイト達が、今日はゲームの話をしている訳ではないことが分かった。


 「2組に転校生がくるらしいぜ。」


 「俺、その子見たよ!職員室の前にいた。」


 「どんな人だった?」


 「それがかなりかわいいんだよ!あーあ、なんで2組なのかな。3組がよかったよー。」


 どうやらみんな、転校生がくることで話題がもちきりらしい。まぁ、それも噂によると、かなりのかわいい子ということで、男子にとって気にならないのは無理という話だと思った。

 

 それから僕は、授業まで机に伏せた。



□■□■□






 学校が終わって、下村と別れると一人で生徒玄関にむかった。


 あいつは水泳部に入っている。しかし、僕の学校には、プールは外にあるので、夏の間以外は大抵、プールに入れず外で走ったりしている。正直、水泳部なのにかわいそうだなと思う。


 正門の近くまで来た時、自分の10mくらい前を一人で歩いている女子に気づいた。


 さらにふと、おかしなことに気づいた。


 彼女の髪の色に、しっかりと分かるほど茶色が混じっていた。


 僕の学校の校則では、そういうことは確実にアウトだ。すぐに生徒指導の伊藤と、相談室でご対面となってしまう。


 しかし、前を歩く彼女は平然と歩いている。


 次第に僕は、帰宅部であろうこの子がだれか気になってきた。少し、顔を見てみようか。そんなことを考えると、歩くペースをあげて、近づいていく。


 近づくにつれ、妙な違和感を抱いた。こんなやついたか?まさか、こいつ…。


 その時、ちょうど彼女を追い抜くところだった。彼女はこっちを見て、目があってしまった。


 茶色の髪をしているが、顔立ちはよどみを感じない、どちらかというと、清楚と気品が溢れるようであった。肌の色も透き通るような白をしていて、体つきは細く感じるほどであった。


 僕は心の内で、一人納得した。なるほど、この子が学校に来るとなれば、クラスのみんなが盛り上がるのもおかしくないな。


 それから僕は慌てて目をそむけた。そして、彼女を追い越して、その場から逃げるように、早々と歩いていった。


 

 家に着くまでの間、例の転校生であろう少女のことを考えていた。


 しかし、ひとつ疑問に思った。彼女は部活には入らないのだろうか。学校に残って、部活見学などをせず、一人で帰っていたのはなぜだろう。


 まぁいい。明日は、下村に報告だな。と僕は思った。



□■□■□






 そして、次の日。下村に昨日の彼女のことを話していた。


 「ああ、髪の毛が茶色って話だろ。」

 

 「そうなんだよ、最初びっくりしたよ。うちの学校で、よくそんな勇気あるやつがいるな!ってな。」


 「でも、どうやら今日は黒に染めてきたらしいよ。さっき2組の子に聞いたんだけど。昨日、先生にいわれたのかな?」


 「へぇ、そうなんだ。」


 やはり今日も彼女の話が、至るところで花を咲かせていた。


 「しっかし、普段、恋愛云々に興味ないお前が、かわいいというとは、そりゃかわいいにちがいない。」


 「うるさいなー。美人を美人だと思ってなにが悪い!」


 「ははは、冗談だって。」


 そして、そんなことを話してるうちに、始業のチャイムが鳴った。





 

 学校が終わり、帰るときになると、妙に自分が期待しているのを感じた。気がつくと、周りを確認しているのだった。


 だが、あいにく彼女の姿はおがめなかった。


 まぁ、そう会えないか。と、そう思ったとき、かなり先の正門の辺りに、一人の少女が歩いているのが見えた。


 その瞬間、すこし胸が踊った。間違いない、あの子だ。特に考えもせず、彼女に追いつこうと小走りしていった。


 うちの学校では、元々部活に入っていない人の割合がかなり少ない。だから、この時間に帰る生徒はちらほらいるぐらいのために、よく目立ってしまう。


 僕はようやく彼女のちょっと後ろまで、くることができた。


 少し息を整えながら、彼女を見つめる。


 確かに、下村が話した通り、髪を黒で染めたようだった。それ以外は昨日と何も変わらない。


 ここまで追いかけてきたものの、僕に声をかける勇気などは到底なかった。一定の距離をとりつつ、彼女の後を歩く。


 このままどこまで帰る方向が同じなんだろう。と考え始めたそのとき。


 彼女はピタリと歩くのをやめた。


 僕は驚いたが、とまるわけにもいかず彼女に近づいていく。


 「はぁ。」


 彼女はアスファルトの路上でため息をはいていた。後ろから見えるその姿には、何か弱々しさを感じた。


 そのとき、彼女は近づいてくる僕に気づいた。


 黒髪になった彼女は、とても真面目で育ちがいいような雰囲気が足され、元来の清楚さも増してみえた。そして何より、白い肌がより強調されたかのように思える。


 彼女は、ため息をもらしていたのを見られたことからか、ばつが悪そうに、こちらを見ていた。


 「あの、昨日会ったひとですよね?」


 ためらいがちに、彼女が尋ねてくる。


 「あ、はい。」


 僕はすこし緊張しながらも答えた。


 「転校してきた、葉月しおりです。よろしくね。」


 「あ、はい。えとっ、僕は、川上じゅんっていいます。よろしく。」


 彼女は僕に笑って頷くと、じゃあ!といって歩いていった。  

 僕はしばらく、何も考えられず、その場に立っていた。


 「…葉月しおりさんか。」


 僕は、笑みをこぼしながら、また歩きだした。







   

 大変拙いものですが読んでくださって本当にありがとうございます。m(。_。)m

 本作は、あっしの頭の中では色々と続きの話が、渦巻いておるのですが、初心者ゆえに製作時間が大変かかってしまうことに加え、我が身分は学生であるので、なかなか時間がとりにくい現状でございます( ´_ゝ`)

 それでも不定期ながら、必ず執筆していこうと思っているので、お楽しみにしていただければ幸いです。

 また、これもいつになるかは分かりませんが、(同時平行になるかは分かりません(-_-;))他ジャンルのお話も、実は頭の中で渦巻いてまして、こちらも投稿していければいいなと考えている次第です。

 では、また近いうちにお会いしたいです。


 GOODLUCK。(-_-)/~~~

(感想とか全部読みまっせーーー。実はホシイ。)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ