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君と俺と彼女と  作者: 旋律
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俺の彼女への思い

「おはよう、高木さん」

「おはよう、東条君」

 このところ日課となっている彼女への挨拶をすると、彼女は優しく微笑みながら挨拶を返してくれる。

 その彼女の表情を目にし、声を耳にしただけで、今まで急激に加速していた俺の心臓は徐々に減速していき、これでもう役目を果たしたぞとでも言うように落ち着いていくのである。

 しかし、それでもまだ彼女のことを見ていたい、まだ彼女の声を聞いていたいと思ってしまうのは俺がただ単に欲張りだという訳ではなく、これが紛れも無く“恋”というものだからだろう。

 俺はこの初めての恋というものを経験してから、1つ気付いた事があった。

 それは、好きな人から離れれば心はざわつき、そこから近づけば心臓が早鐘を鳴らす、そして会ってしまえば不思議と安心が身を包むという事である。

 俺はつい先日まではこれが逆の事だと思っていたのだ。

 だからどうという事も無いが、さして落ちがあるという訳でもないのであるが、ただ単に俺が恋と言うものをはじめて知ったという事である。

 つまり何が言いたいのかということだが、俺はこの感情にどう折をつければ良いのか分からないのだ。

 手っ取り早く告白でも出来ればいいのであろうが、まだそこまで仲良くなったという訳ではないのだ、俺はそこまで勇気がある、というよりは無謀な男ではない。

 せっかく初めて抱いた恋と言うものを成就させたいではないか。

 といっても、もうすぐ長期休暇に入ってしまう。

 少し焦ってしまうのも無理は無いものだと分かってもらいたい。

 だが数日前、俺は彼女と長期休暇中に出かける約束を取り付けたのだ。

 残念ながら二人きりのデートと言う訳ではないが、その時の自分の喜び様は凄まじいものがあっただろう。

 もちろん、その喜びを表になど出してはいないのだが、今もこんなに胸を高鳴らせている自分を自覚すると、あぁ、俺は彼女に恋をしているんだ、と再認識させられるのである。

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