書籍化作家と不人気作家の決定的な違い
というわけで、書籍化です。
書籍化までの流れとか初めて体験したことなど書こうかと思っていたのですが、僕のバランス感覚だと書いちゃいけないこと書いてしまって大変まずいことになりそうなので、残念ながらエッセイタイトルだけ変えて平常運転です。
さて、表題です。
書籍化作家と不人気作家の決定的な違いは何か。
……えっと、一応断っておくと、ここに書いてあることは正しいことじゃないです。
多分僕のこれまでの発言を追って見てくれている方は大丈夫だと思うのですが、初見の人に書籍化作家っていうレッテルの上から見られてそう思われてもまずいので、一応断っておきます。
僕のいまの視野をそのまま語っているだけなので、間違っている可能性はあるし、仮に妥当であっても、この考え方が合うか合わないかは人それぞれかと思います。
不特定多数に向けて言葉を発している時点で、その辺の問題は当然発生するので、読む人それぞれでジャッジしてもらうのは前提です。
書籍化作家さん、なろう発だけでも何百人かいると思いますが、作者さんそれぞれで見えている「正解」が違うと思います。
それに、僕自身の考えも、今後また変わってくることも当然あるかと思います。
というか、考え方の変化や迷いをやめることは作者としてのスタンスの完成であり、悪く言えば成長の停滞だと思っていて、まあまだ僕は到底その段階にはないと考えています。
というわけで、あくまでも、いまの段階での視野です。
それでもまあ、一部の人の役には立つかもしれないので。
戻ります。
書籍化作家と不人気作家の決定的な違いは何か。
僕はこれは「読者の『期待』に働きかける意識があるか、ないか」だと思っています。
最近だと、理不尽な孫の手先生の『小説投稿サイトでランキング一位を取らないと出られない部屋』でこの「期待」という言葉を見て、ああやっぱり孫の手先生でもこれは意識しているんだなと思ったりしましたが、分かりやすさという点で個人的にお勧めしたいのは、風倉さんの書かれている以下のエッセイ……じゃない、その他小説です。
『初心者なろう作家の火村君は『コピーライター』から、小説の『売り込み方』を学ぶようです』
http://ncode.syosetu.com/n9457dy/
これを見て、「ああまた『宣伝』の話か。その話は聞き飽きたよ」と思う人もいるかもしれませんが、ちょっとこれはそんじょそこらのなろうエッセイとは格が違いますので、是非一読されることをお勧めしておきます。
で、この中の第9話ですね。
>商売の本質は『期待を煽り、期待に応える』このループであるということだ。
>『面白そうに見える事』と『実際に面白い事』のループといってもいいぞ。
>商人気質の人は前者を、職人気質の人は後者を、重視する傾向にあるが、
>本質的にはどちらもサボってはいけない。
>この2つは車輪の両輪であり、どちらも成立させねばならない
ということが書かれています。
で、自分で小説を書こうとか、小説家になりたいなんて考える人間は、普通ここで言う「職人気質」に該当するわけで、「期待に応える」部分ばかりを意識して、「期待を煽る」のほうを軽視してしまう傾向にあるように思います。
そういう職人気質一辺倒の小説書きは、「本当に面白い作品は評価されるはずだ」と考える傾向にあるわけですが、僕はこの文言が、あまり好きではないです。
一応、いくつかの条件を付ければ妥当な言葉だとは思うのですけど、この言葉面を無批判に信じ込んでしまうと、抜け出せない底なし沼に沈んでしまうと思うのです。
僕は「本当に良い作品は評価されるはずだ」なら、わりと手放しで同意します。
「面白い」を「良い」に変えただけですが、このほうが勘違いしにくいと思うのです。
じゃあ「良い」作品とは何か。
これは、先にもあげたように「読者の期待を煽り、期待に応える」作品です。
この両輪、どちらが欠けても「良い作品」とは言えないと考えています。
で、この辺でしっかり確認しておく必要があると思うのですけど、作品が「面白くなくていい」わけではないです。
「面白い」というのは「期待に応える」のほうに該当するわけで、これは両輪のうちの片輪として必要です。
ただ、面白い「だけ」ではダメというのが僕のいまの考えで、書籍化作家さんはもう片輪に該当する「期待を煽る」という点を、しっかり意識している人が多いという印象です。
じゃあ「期待を煽る」って具体的にはどんなのよ、という話になってくるわけですが……。
ちょっとそろそろ長くなってきたので、一度切ろうかと思います。
次回へ続く!