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書籍化という宝くじ

 プロの小説家になりたいと言いながら、二の口では、僕はお金のために小説を書いているんじゃない、と言う人がいる。

 そいつが自分で稼いだお金で生きているんだったら、結構なことだと思うが、成人してなお親に寄生しながらそれを言っているんだったら、お前ちょっと待てよと言いたくなる。


 まあ、うちの『ニート矯正収容所』の主人公のことだけど。


 人間、生きて行くためにはお金が必要だ。

 だいたい、お金を稼ぐために小説を書くんじゃない、なんて綺麗事を言う人間は、この点に関して人生を舐めていると思う。

 彼らは、自分が生きるために必要なお金を、どこから調達してくるつもりなんだろう。

 いつまでも親に寄生し続けるつもりなんだろうか。


 大金持ちになる必要がない、というのは賛同できる。

 ただ、多くのプロ小説家が直面するのは、大金持ちになれるかなれないかではなく、日々の生活をするに足るお金を調達できるか否か、だ。


 例えば、自分が書いたライトノベル作品が書籍化したとしよう。

 だいたい新人作家の書籍の発行部数は1万部、あるいはそれより少し少ないぐらいが相場の模様。


 今日びライトノベルが1冊550円として、作者が貰える印税は、いいとこ発行部数の8%。

 1万部発行して、550円の8%の印税を貰うとすると、作者が受け取る金額は44万円。


 1月の生活費をギリギリ絞って、そこそこ質素な生活をすれば月10万で生きられると考えても、1冊の書籍化では4ヶ月分そこそこの生活費にしかならない計算である。

 さらに言うと、ここから税金やら何やらが引かれることになるわけで。


 まあ、1万部の発行部数で暮らしていくには、2~3ヶ月に1本というペースで、そこそこのヒットを飛ばし続けなければならないと考えておくべきだろう。

 ヒット作を、というのは、ヒット作を書けなければ、出版社からキミもう要らないからと言われてしまうからである。


 で、それだけ連続してそこそこのヒット作を続けていくというのは、ちょっと無理がある気がする。

 ぶっちゃけ、現実的じゃないと思う。


 ってことは、である。

 小説で安定した生活をしていくためには、一発大きいのを当てるのが、一番現実的という結論に行き着く。


 例えば、『ソードアートオンライン』なんていう作品は、昨年末の段階で累計発行部数1670万部だそうである。

 上記と同じ計算をすると、作者に7億円ぐらいの印税収入が入っている計算になる。


 フリーターの生涯年収が1億円、サラリーマンの平均生涯年収が2億円あればいいなぁというぐらいだから、7億円ぐらい収入があれば、税金で半分持って行かれたとしても、もうそれだけで一生暮らせることになる。

 その後書いた作品がずっと鳴かず飛ばずでも、泥棒にでも入られない限り、安心というわけだ。


 売れる小説を書く、ということは、プロの小説家として生きて行くためには絶対必要な事だ。

 お金のためじゃないなら、プロの小説家になんかならなければいいと思う。


 作品を多くの人に読んでほしいだけなら、『小説家になろう』で連載しているだけでも百人~千人規模の読者に読んでもらえるんだから、ずっとアマチュアでいればいいと思うんだが、どうなんだろう。


 ちなみに僕は、前述したようにフリーター生活なので、書籍化というのはちょっとした宝くじに当たるような感覚だ。

 好きなことをやっていて、あわよくば44万円も貯金が増えるなら、棚から牡丹餅と思う次第。


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