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お客様は子どもです

 『最果てのパラディン』を買って勤務帰りとかにちまちま読んでおるのですが、ああソードワールドのリスペクトだなぁという第一印象。

 うちらの世代らしいというか、TRPGプレイヤーらしいというか。


 でもまあ、とにかく丁寧ですね。

 文脈はソードワールドとかそれ以前のTRPGとか確実にその辺で、いい感じになろうテンプレからスライドしたっていう感じですが、何しろ仕事が丁寧な職人さんという印象です。

 神は細部に宿る、というなら、それを実践している作品と思います。


 ただ、いまいち読んでいて乗り切れないなぁというのがあって、何だろうと思ったのですが。

 はて、これを中学生の時分に、ロードス島戦記の代わりにこれを読んでいたらどうだっただろうと考えたら、いろんなものが氷解した気がしました。


 どうも僕がよくやりがちなのが、ファンタジーなのに、中学生とかの子どもに読ませる想定をしていないということ。

 だから仕事が雑になる。


 純真な、というと子どもに対する幻想が過ぎる気もするが、それでも敢えて言うと、純真な子供がこの作品を読んだ時にどう感じるか、ということを、まったく想定しないで作品を書いている。

 子どもに読ませる想定で書けば、こんないい加減な仕事はしない、という認識が自分の中にある。


 だいたいR15付けるんだから、中学生が読むってことはないだろ、という言い分もできるはできるが。

 

 三波春夫が「お客様は神様です」と言ったときの文脈は、「神様に捧げる芸だと考えることで、自分にとっての最高の芸ができる」という文脈だったらしい。

 僕の場合は、「神様」を想定するよりも「子ども」を想定したほうが、丁寧な仕事をしようという気が起きるようだ。


 もっとも、現実の子どもは苦手だ。

 子どもは嫌いだ、図々しいから、というやつで。

 (『ニート矯正収容所』に感想送ってきてくれた中学生たちは、できた子たちだったなぁ……)


 想定するのは、純真無垢で、こっちに向かってわくわくした目を向けてくる、僕の脳内にある幻想的な子ども像。

 そういうものに読ませる作品を書くと考えることで、そういう子どもの期待を裏切りたくないと思うことで、作品の質が上がるし、無用なこだわりすぎもなくなる気がする。


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