感想と改善と
作者には、受け入れづらい「改善」がある。
それは、「作者がやりたいこと」に関する改善である。
『白銀の剣姫~』の感想でキャラに関する悪い点の指摘を受けたが、これはなるほどなーと価値観の違いや、こういう風に思う読者が一定数いるんだろうなということを再確認はしたものの、だから直すべきだとは微塵も思わなかった。
僕はこういうキャラを描きたくて、作品を書いているようなものだからだ。
だからもし仮に、このような読者が大多数を占めるなら、僕はなろうに絶望し、キャラを抱いて心中するしかないと思う。
僕という作者にとって、それは「改善」ではなく、してはならない「改変」あるいは「改悪」なのである。
(まあ実際には、『無職転生』がNo.1を取っているようなサイトなのだから、僕が絶望するような環境ではないのだろう。一応は、ああいった作品がちゃんと高評価されるサイトなのだ)
一方で、この作品では別の読者さんから、「キャラがみんなカワイイ」と評価してもらっている。
これはもう単純に嬉しいし、こういう感想があれば、心の支えにもなる。
うちのキャラを気に入ってくれる人と、気に入らない人とがいるんだなと、フラットに心を持つことができる。
自分が「どうしても表現したい何か」に関しては、褒めてもらう、気に入ってもらうよりほか、作者が望むものはないのだと思う。
要は「改善」ができるというのは、作者にとって、「そこはさほど思い入れがない」ということなんだろう。
自分が「どうしても表現したいもの」を、より多くの人に見てもらうために「改善」すべきなのは、そういう部分なんだと思う。
まあこれは趣味でやる場合の話で、小説を書くことが「仕事」になるプロであれば、そこには様々な「責任」が伴ってくるので、また話は変わってくるのだろうけど……。