読者の「面白い」がどれだけ尊いか
週刊少年ジャンプ(20作品中4作品)……ワールドトリガー、暗殺教室、ニセコイ、銀魂
週刊少年マガジン(24作品中3作品)……あひるの空、はじめの一歩、ダイヤのA
週刊少年サンデー(28作品中3作品)……電波教師、だがしかし、BE BLUES、ハヤテのごとく
週刊少年チャンピオン(22作品中4作品)……弱虫ペダル、刃牙、イカ娘、ドカベン
これは僕が、各漫画雑誌を買ったときに、だいたいいつも読みたいと思う作品を表したものだ。
ほかの作品は、ぺらぺらめくって興味を惹かれなければ、読みすらしないことが多い。
全94作品中、12作品。
おおよそ8作品につき、1作品という割合だ。
僕の評価が辛い方なのか、そうでもないのかよく分からないが。
一体何が言いたいのかというと、日本屈指のプロ・エンタテイメント集団ですら、読者の「面白い」を獲得するのは、これほど難しいのだということだ。
(無料か有料かという話に関して言えば、雑誌を買った上で読むか読まないかという判断をしている点で、無料と同じ条件だと思う)
万人に面白いと思ってもらえる作品を作るのは不可能だ。
目指すのは、より多くの読者に、より深く、面白いと思ってもらえる作品を作ること。
そしてそれは、5割越えなんて水準を狙っていたら、高望みしすぎだということ。
全読者の2割が面白いと評価すれば、それは相当だと思っていいと思う。
5人の読者につき1件のブックマークが付けばトップクラスだという、過去の分析に対する追認でもある。
『バクマン』でも、アンケートで5人に1人の読者から確実に票をもぎ取れれば勝ちだという話があった。
極端な言い方をすれば、読者の「面白くない」なんて感想は、無視していいと思う。
非常に出来のいいプロの作品でさえ、8割の読者にとっては「面白くない」。
だから着目すべきは、「面白い」という評価についてだ。
読者の面白いという評価は、プロでさえ常々希求する、とても価値の高いものだ。
面白いという評価をもらったら、そのとき、その読者に対して、その部分に関してだけは、トッププロと並んでいる、あるいはそれ以上だと言える部分だ。
虚空に向かって、あるいは自分に向かって言うと、ブックマークが剥がれたということは、その読者たちは、剥がれる前の作品に何らかの価値を見出していたということだ。
その価値を継続して提供できない、あるいはしたくないなら、その事実は無視するしかないが。
そうでないなら、作品の今が評価されていないのではなく、以前の作品が高い評価をされていたと判断するべきだと思う。
つまらないとされた作品の「どこがつまらないか」に着目しても、面白い作品は生まれないと思う。
まずは「どこが面白いか」に着目すべき、そんな風に思う。