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第8話

「小説家になろう」投稿一周年記念作品

翠の家からの帰り道・・。


「輔清、今日は大変な一日だったよ」

翠の家でのてんやわんやの帰り道ひとりになった由香は、可愛がっている野良猫の輔清を抱きかかえ話している。

「みんな、なんやかんや言っているけど私は今のままが一番いいんだ」

「にゃー・・」

輔清は自分なりに答えたようだ。

「そうか、そうか分かってくれるか・・。いい子だなぁ・・」

由香も自分なりに解釈し返答した。

「おっ!おまえ首輪に何つけてんだ」

ごろごろといっている輔清を撫でていると、由香がつけてやった首輪になにやら引っかかっていた。

「あっ!これは!これはっ!」

由香の心がざわめいた。

「きっと、願いは叶うよ・・」

「えっ!」

いま輔清が言ったような気がした。


同時刻・・。


「なんで私が元の場所に返しに来てるのよ!」

綾乃は密封したマンドラゴラの花を持ち、“立ち入り禁止”の山に来ていた。

「まぁ、いままでいたところに戻すのが自然の摂理でしょ。パンドラの箱の蓋は閉めましょう」

綾乃はしゃがんで土を掘り返し、もう一度植えてやった。

「だけど・・沙織ってドラマ見るからって言って毎日何本観てるんでしょ。今日は確か“Clover・・・”ナントカってたけど、1日おきの更新中だからちょっとは本読みなさい!ての」

綾乃は沙織の事を考えながら独り言をぶつぶつ言っている。

「これでよしっと!」

綾乃は手をはたいて立ち上がりふと足元を見た。

「あっ!これって!」

綾乃の心がときめいた。


沙織の部屋・・。


「ちょっと!起きなさいよ!」

「うぅーん・・」

沙織が寝返りをした。

「起きなさいって言っているでしょ!」

「はぁー・・」

沙織がよだれを垂らした。

「汚いわねぇ!目を覚ましなさい!」

「え・・」

沙織はうっすら目を覚ました。目ぼけた目の前に薄ぼんやり羽を生やした小さな少女がいた。

「え!えぇー!」

沙織はびっくりして目を見開いた。

「そんなにびっくりしないでよ!こっちが驚くじゃない」

「もしかして、王女様ですか・・!」

沙織は飛び起きお辞儀をした。

「王女・・・?なに目ぼけてんのよ!わたしは私よ!」

「なぁーんだ、王女様じゃないんだ・・」

沙織はまた布団にもぐりこんだ。

「また寝ようとしないの!起きなさいってたら!」

「もう!なんなのよ!」

沙織は起き上がり大きなあくびをした。

「何なの!その態度!あんたに言いたくてわざわざ出てきたのにっ!」

「わざわざだったら出てこなくていい!」

沙織は眠そうにいった。

「なんであんたはいつもそうなの!だいたい中学生の分際で男を見つけようという考えがませているのよ!まだまだおしっこ臭い青二才なんだから!」

「言葉遣い悪いわよ!」

沙織は自分に言い聞かせるように言った。

「私なんか何百年生きているけど浮いた話ひとつも無いのよ!友達は次から次へと男見つけていくけど・・!それにあんたみたいな若造に先に見つけられでもしたら生きてく自信がなくなっちゃうじゃない!」

「泣くな、泣くな・・」

沙織がなだめた。

全11話。一日おきの更新。

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