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警泥部隊

作者: 谷 風汰
掲載日:2026/07/16

 放課後のチャイムが鳴った。

 

「たかし、行こうぜー」


 ひろとが言う。


「うん」


 たかしは言った。

 ランドセルを背負い、教室を出る。

 廊下でこうたろうと合流した。

 そのまま三人で学校を出た。


 近くのカフェに寄った。

 多くの女性客でごったがえしていて、小学生である三人は目立っていた。


 コーヒーを頼み、たかしは周囲を見渡す。

 灰色のパーカーを着た男が一人、端っこの席に座っている。

 テーブルの上にはコーヒーカップ。

 たかしは二人に目配せをする。


 店員がそのテーブルにやってきた。

 細長い小袋をポケットから取り出し、コーヒーカップに入れた。

 男は窓の外を向いている。

 店員は去った。


 男は、コーヒーカップの中の物を素早く小さな袋に移し替え、席を立った。

 店を出た。


 三人も席を立つ。

 店を出ると、男の背中を追った。

 しばらく歩くと、廃ビルにたどりついた。

 中に入る。

 

 煙たい匂いがした。

 ゴミが散乱していた。

 うつろな人間が廊下の隅でうずくまっていたり、皮一枚になった犬が寝ていたりした。


 扉の前に立つ。

 話し声が聞こえる。

 三人は懐から銃を取り出し、構えた。


 突入した。


「両手を挙げろ!!」


 たかしの怒声が響く。

 中には五人ほどの男がいた。

 全員がスキンヘッドで、何かを吸っていた。

 床にはビニール袋が敷かれていた。

 生ゴミの匂いが充満していた。


「公安局特殊課警泥部隊だ!!

 覚醒剤所持の容疑で現行犯逮捕する!!」

「16時34分です」


 男たちはゆっくりと両手を上げた。

 見開いた目で三人を見つめ、固まった。

 その中の一人が呟く。


「こいつら、最近話題の⋯⋯」

「あれだ、警泥世界選手権で優勝し、公安にスカウトされたっていう⋯⋯」


 たかしは拳銃を突き出す。


「黙れ!!」


 男たちの体が跳ねた。

 誰も喋らなくなった。


「こちら遠藤、今から件の五人を護送します」


 たかしは本部に連絡した。

 たかしは遠藤という名字だった。

 

 こうたろうはランドセルから手錠を取り出し、男たちにかけていった。

 そしてランドセルからカツ丼を取り出し、食べ始めた。


「お前が食べるな」


 たかしは言った。


「昼食べてないだもん」

「しかもこの場面じゃないだろ、食べるの」


 揚げ物の匂いが部屋に漂う。

 こうたろうのカツ丼はべちゃりとしていた。


 扉が開く音がした。

 三人は振り返る。

 小さな足音が聞こえる。


 男が飛びだしてきた。


「仲間か!?」

「止まれ!!」

「タッチさせるなよ!!」


 たかしにナイフが飛びかかる。

 彼はそれを左手でいなし、男の体勢を崩す。

 相手が前のめりになったところを足を払って転倒させる。

 銃を向ける。


「押さえろ」


 こうたろうは手錠をかける。


「なんてスピードだ⋯⋯」

「くそ⋯⋯なんでこいつらに見つかったんだよ⋯⋯」


 男たちは嘆く。


「まさに鬼」


 そして、彼らは搬送された。

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