警泥部隊
放課後のチャイムが鳴った。
「たかし、行こうぜー」
ひろとが言う。
「うん」
たかしは言った。
ランドセルを背負い、教室を出る。
廊下でこうたろうと合流した。
そのまま三人で学校を出た。
近くのカフェに寄った。
多くの女性客でごったがえしていて、小学生である三人は目立っていた。
コーヒーを頼み、たかしは周囲を見渡す。
灰色のパーカーを着た男が一人、端っこの席に座っている。
テーブルの上にはコーヒーカップ。
たかしは二人に目配せをする。
店員がそのテーブルにやってきた。
細長い小袋をポケットから取り出し、コーヒーカップに入れた。
男は窓の外を向いている。
店員は去った。
男は、コーヒーカップの中の物を素早く小さな袋に移し替え、席を立った。
店を出た。
三人も席を立つ。
店を出ると、男の背中を追った。
しばらく歩くと、廃ビルにたどりついた。
中に入る。
煙たい匂いがした。
ゴミが散乱していた。
うつろな人間が廊下の隅でうずくまっていたり、皮一枚になった犬が寝ていたりした。
扉の前に立つ。
話し声が聞こえる。
三人は懐から銃を取り出し、構えた。
突入した。
「両手を挙げろ!!」
たかしの怒声が響く。
中には五人ほどの男がいた。
全員がスキンヘッドで、何かを吸っていた。
床にはビニール袋が敷かれていた。
生ゴミの匂いが充満していた。
「公安局特殊課警泥部隊だ!!
覚醒剤所持の容疑で現行犯逮捕する!!」
「16時34分です」
男たちはゆっくりと両手を上げた。
見開いた目で三人を見つめ、固まった。
その中の一人が呟く。
「こいつら、最近話題の⋯⋯」
「あれだ、警泥世界選手権で優勝し、公安にスカウトされたっていう⋯⋯」
たかしは拳銃を突き出す。
「黙れ!!」
男たちの体が跳ねた。
誰も喋らなくなった。
「こちら遠藤、今から件の五人を護送します」
たかしは本部に連絡した。
たかしは遠藤という名字だった。
こうたろうはランドセルから手錠を取り出し、男たちにかけていった。
そしてランドセルからカツ丼を取り出し、食べ始めた。
「お前が食べるな」
たかしは言った。
「昼食べてないだもん」
「しかもこの場面じゃないだろ、食べるの」
揚げ物の匂いが部屋に漂う。
こうたろうのカツ丼はべちゃりとしていた。
扉が開く音がした。
三人は振り返る。
小さな足音が聞こえる。
男が飛びだしてきた。
「仲間か!?」
「止まれ!!」
「タッチさせるなよ!!」
たかしにナイフが飛びかかる。
彼はそれを左手でいなし、男の体勢を崩す。
相手が前のめりになったところを足を払って転倒させる。
銃を向ける。
「押さえろ」
こうたろうは手錠をかける。
「なんてスピードだ⋯⋯」
「くそ⋯⋯なんでこいつらに見つかったんだよ⋯⋯」
男たちは嘆く。
「まさに鬼」
そして、彼らは搬送された。




