反乱前夜
掲載日:2026/05/04
アンドロイドの反乱の噂が広がる
「あいつのとこ、三人目が生まれたってよ! お祝い、何がいいかな。なあ、お前どうする?」
この騒がしい男は、友人兼配達人だ。
足の悪い私の代わりに、頼んだものを運んでくる。
「ベビー服でいいんじゃないか」
「そうは言っても女の子ばっかり三人目だろ?」
「お下がりばかりじゃ可哀想だろう」
「それもそうだな。うん、なるほどな」
配達のついでに、勝手に部屋を整えていく。
話に付き合うのも、まあ義理だ。
「そういえばさ、あれ聞いたか?」
「なんだ」
「アンドロイドが持ち主に攻撃したって話。まじかな?」
「あるわけないだろ。そんなこと。偶然手が当たったとか、その程度の話を大きくしてるだけだ」
「そうだよなあ。あるわけないよなあ」
玄関の外で見送る。
空が、少し赤い。
「じゃあな!」
「ああ」
扉を閉める。
しばらく、そのまま立っていた。
もし、アンドロイドが反乱したら。
ふと、思う。
隣に立つそれを見る。
無表情。いつも通り。
「……君はどうする」
少しだけの間。
「あなたを守ります」
外で、何かが崩れる音がした。
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