悪役令嬢令嬢は頑張ります!
「この私が甘いものが食べたいと言っているのだから
さっさと甘いものを持ってきなさい!」
「この服気に入らないわ!
これを選んだメイドはどこ?クビにしなさい」
アァー、、、今までの自分って本当にクズ
もしこんな上司がいたら即刻にでもぶん殴ってやりたい、、、
ハロハロー!皆さんこんにちは!
絶賛現世を離脱してそして良くある悪役令嬢系トリップを果たした私!
いやぁー本当にまさかこんな感じなんだぁ
思って以上に胸糞悪い!
そして私が転生した先が
侯爵令嬢のエアリ
朝目が覚めると転生前の記憶が頭に一気に入ってきた
エアリはわがままし放題
両親の地位に溺れて傍若無人
人を人も思わない性格の持ち主ぴちぴちの10歳
ほら、私がメイドを見るとメイドはびくっと体を体を震わせる
「あー、、、メル」
「は、はい!お嬢さま!!」
「えっと、、服を着替えたいので持ってきてくれるかしら」
「はいぃ!すぐにただいま!」
がちゃがちゃとクローゼットを開けて服を選んでいく
キラキラの前世で時代遅れだ!と思うようなドレスばかりだ
その中で比較的に控えめなドレスを手に取ってきたメイド
前のエアリだったら地味!このメイドクビよ!っと騒ぐだろうが私はこのデザイン悪くないと思っている
「ありがとう
とても落ち着いていていいドレスだわ」
そう声をかけるだけでメルは目を見開いて気絶してるのかというぐらい動きが止まった
「えっと、、、メル?」
「お嬢様!熱が!熱がまだ下がってないのでは!?」
まぁ良くある高熱を出して寝込んでいたエアリだった
確かに少し体はだるいが熱はだいぶん下がっている
「そんなことはないわ
熱はもうだいぶん下がっているもの」
「しかし、、、しかし!!」
「熱が出る前の私はあなた達に迷惑をかけていたわ
きっと性格もひん曲がっていたでしょう
熱を出して他人の温かさに触れたのです!
今まで迷惑をかけてごめんなさい!」
メルは主が前にいるのにも関わらず部屋を飛び出して行った、、、
それからお城は大慌
医者が私の体の隅々まで調べ両親からは頭に異常があるのではないかと心配され
やっと落ち着けたのは夕方になる頃だった
「我が子が正常に戻って頭の異常を訴える両親がどこにいるのよ!」
ベットにダイブして不満を漏らす
だがそう思われても仕方がない
今までやれダメだ!やれクビだ!と喚いていた我が子が別人のように大人しくなったのだから
自分だって子供がそうなったら頭の異常を疑うだろう
「はぁ〜今からイメージアップが大変だわ」
色々あったし1日目ということもありエアリは眠りについた
朝目が覚めると金髪ふわふわの幼いながらに顔の整った顔面が目の前にあると悲鳴をあげる
「エアリ落ち着いてください僕ですよ!」
「ボク??」
思い出した!
年齢も近く地位が高いので物心つく前から婚約をしているこの国の王子であるカロス殿下だ
「カロス様!いきなり目の前に顔があったらびっくりするでしょ!」
「ごめんごめんエアリの体調が良くなったと聞いてちょっと立ち寄ったんだよ」
さすが王国の王子しっかりしている
幼いながらにぷにぷにの手がエアリのおでこに触れる
「なにをっ!?」
「うん、ちゃんと熱も下がってるね!良かった」
本当に心配してくれたのだろう
そこには安心した顔がある
前の我儘な令嬢に一切嫌な顔をしていなかったカロス
きっとまだ子供だから我儘具合がわかってなかったのだろう
今からでもイメージアップしていけばいい!
「とりあえず着替えたいので応接室で待ってもらえますか?
すぐに行きますから」
カロスは素直に部屋を出ていき
すぐにメイドを呼んだ
それから髪の毛、着替えなどを済ませて応接室に行く
カロスはプラプラと足を振って大人しく待っていたようだった
可愛い、、、
「お待たせしましたー」
「今日も可愛いですね
良かったら庭を散歩しませんか?
天気もいいですし」
「ならお昼はピクニックにしましょ!
メル、料理長に頼んでサンドイッチをお願いしてもいいかしら?」
「はい!お昼に合わせて作らせます」
「ありがとう」
ニコッと笑ってお礼を言った
まだ2日しか経ってないから少しメルの笑顔がぎこちない
「噂にはなっていましたが
エアリほんとに変わったような気がするね」
「今までの自分が我儘過ぎたんです
これからはイメージアップしていかないと!」
「いめーじ、、あっぷ??」
庭に出て見ると綺麗で色とりどりの花が満開を迎えている
どこを見ても綺麗だ
「本当にいい天気!」
「あまり走ったら危ないよ」
私は嬉しくて庭を走る
我儘だった時は庭なんて大した魅力と感じなかった
本当に慣れとは怖いものだ
「カロス様!世界ってこんなに綺麗なのですね!
わたし感動しちゃった!!」
「おかしな事言うね
いつも見てる庭なのに」
「あら?カロス様じっくり見てみてくださいな
花にも色んな色があるんですわよ
同じ種類でも色はみんな違うのです
とても綺麗じゃないですか」
カロスもじっくり花を見て確かにっと呟く
エアリもそんな花を愛でて2人で色々話していたらお昼になったのかメルがバスケットをもってやってきた
サンドイッチもとても絶品で新鮮な野菜と鶏肉
現世で言うハニーマスタードみたいな味になっており甘くて少ししょっぱいがそれがまた食欲をそそる
「とても美味しい!
これすっごく好き!」
「お口にあって良かったですエアリ様」
メルもニコニコと笑って紅茶を注いでくれる
こんな日がずっと続くのだろう
まだ幼く来たばかりの私はそう思って余裕を持っていた
しかし現実はそんなに甘くはなかった
「え??私が他国へ視察?」
両親から呼ばれて言ってみれば少し暗い顔をして私に告げる
「サナルド王がお前にカロスの妻になる者、世界の情勢や他国との繋がりをもって欲しい、、、と無茶なことを言ってきおった
私としてはもうすぐ11になる娘をそのような危ない橋を渡らせたくはない」
「エアリ、嫌なら嫌と言って
母はお前が心配です!
昔のように我儘なって行きたくない!と言ってくれませんか?」
「お父様、お母様、期間で言うと陛下はどれぐらいの期間を言っているのでしょうか?」
「ゆかりのある地を回らせると言っておったから1年はかかるかもしれぬ
この国は12になれば学校に通うのが伝統だ
陛下もさすがに12にまでは国に帰すようにすると思うが、、」
「、、、1年間」
あと数ヶ月で11歳になる
もちろんお屋敷でパーティーの計画もしていたし仲良くなった使用人達と話して食事から内装まで計画をしていた
母は泣きながら私を見てくる
本心は行きたくない!なぜ私がそんな危険な事をしなくては行けないのか!っと暴れている
でもこの話を断ればきっとカロスとの婚約は破棄される
それはもっと嫌だ!
「お父様!お母様!私やります!!」
「本当にいいのか??
道中危ない目に合うかもしれない、各国の人間がお前に寛大な訳ではないのかもしれんぞ?」
「ちゃんと承知しておりますお父様
私はそれでも行きます!
カロス様にふさわしい私になるために」
父は複雑そうな顔をして私を見る
私は真っ直ぐに父を見た
「わかった、、、私から陛下に伝えておこう」
「あなた!我が子が可愛くないのですか?!」
「私だって本当なら行かせたくはない!
婚約なんてクソ喰らえだ!
エアリを危険かもしれない地へと送りたくない!!
しかし、、、しかし本人が決めたのだから、、私たちは信じて待とう」
「お父様、、ありがとうございます!
私ちゃんと各国の方たちと仲良くしてきますわ!
お母様も心配してくれてありがとうございます
でも手紙が出せない訳ではないのですからそれだけでも勇気が出ますわ
二度と帰って来れない訳ではないから帰ってきたら私もっと立派になってますわよ」
私は最大限の笑顔を2人に送った
「お父様いつ出発か聞いてます?」
「明日、陛下に報告に行き次の日には出発するだろうな
陛下は決断がお早い方だきっとそうなる」
「でしたら早速荷物をまとめなければ!」
「ねぇエアリ、せめてメルを連れて行ってくれないかしら
メルに事前に話したらメルは喜んで貴女に付き合ってくれるそうよ
近くに1人でも仲間がいれば私も貴女も安心だと思うの」
「メルが??でも長い旅時ですし
メルにもしも何かあった時の方が怖いです」
「メルは貴女を支えたいと言っていたわ
ぜひ自分を連れて行って欲しいと」
我儘な時代メルだけは根気強く私に着いてくれた
何人ものメイドや使用人が自分から離れてる時にメルだけは辞めずにそばに居てくれた
そんなメルが傍にいたいと言われたら断る理由がない
「分かりました!
ですが長期の旅になるのでメルのお給金を倍に渡して貰えませんか?
その分私のお小遣いを減らしてもらってもいいので!」
「心配するな
もちろんメルのお給金は倍で渡す予定だ
お金は心配しなくてもよい」
「ありがとうお父様」
そこからメルと色んな支度をした
移動を考えて服などは最低限のドレスと部屋着
身近な物もコンパクトに纏めて詰めていく
「お嬢様、私は必ずお嬢様のお傍に居ますからね!
たとえ他の国に言ってもお嬢様をお守りしますから!」
「ありがとうメル
私もメルが来てくれるだけで心強いわ!
それに不安だけなことではないもの
その場所の美味しい料理や景色を見るもの私ワクワクしてますわ!
メル一緒に美味しいものを食べて経験をしましょうね!」
「はい!」
そしてお父様が行った通り2日後には出発の時が来た
お父様、お母様、そして使用人達が目に涙を浮かべてエアリとメルを見ている
「お父様、お母様、そして皆!行ってきます!
ちゃんと帰ってきます!」
「体を第一にちゃんと帰ってくるのだぞ」
「ちゃんとお手紙忘れないでね!
何かあったらメルにすぐに頼りなさい」
「はい!」
「エアリ!!!」
大きな声で呼ばれてびっくりして顔を向ける
カロスが息を切らせてたっていた
慌ててきたのだろう額に汗が滲んでいる
「カロス様!!どうしてこちらに?」
「父様にさっき聞いて本日が出発だと知り、、はぁ、、、エアリ本当に行っちゃうの?」
心配そうな目でカロスが聞いてくる
私は笑って
「私達はまだ幼いですわ
私は先に世界を見てきますの!
帰ってきたら色々お話しましょ」
「僕はやだよ!
エアリが離れるのは!」
「私もお傍に居たいです
試練だと思って私の帰りを待っててください」
「こんな試練いらないよ」
カロスは思い出したようにポケットに手を入れた
取り出したのはシンプルな指輪だ
「他の男が君に目をつけないようにコレは僕の印だ」
そう言ってカロスは私の右の薬指に指輪をはめる
「本当はちゃんとした物が買いたかったけど急だったら
帰ってきたらちゃんとした指輪を買いに行こう!」
「約束しましょ」
「必ずだよ
僕もちゃんと君の帰りを待ってる」
カロスと約束してエアリはみんなに手を振って旅路へ向かう
私達はまだ若いきっとこんな旅がいい思い出になるぐらい
これから先、嫌なことや辛いことがあるだろう
帰ったら盛大に出来なかった誕生日のパーティーをやろう
カロスと一緒にデートにも行こう!
そんな思いを胸にエアリは期待と不安を胸に前を見る
自分が帰るべき人の隣にちゃんと立つ存在を示すために私は旅立った
END
色んなものを書きたくて短編にしております
読んでくれてありがとうございます!