表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クレヨンという名の猫  作者: 青ちゃん
4/4

その10〜その12

         その10


 ふとボクは あることを 思いついた。


 それは この子猫の名前を クレヨンと

名付けて欲しかった。


 そう思ったので その少女に

こう言い出した。


「これで本当に最後のお願いなんだけど

 この子猫に クレヨン と

 名前を付けて 欲しいんだ

 いいかな」


と そうボクは 言った。


 その少女は けげんそうな顔をして


「どうしてなの?

 どうして クレヨン なの」


と 不思議そうに 聞き返してきた。


 ボクは 子猫の名前を 決めるときのことを

丁寧に 少女に教えてあげたのだった。



          その11


 そして最後に


「だから クレヨン という名前にしたから

 君の家でも クレヨン という名前で

 呼んで欲しいんだ」


 その少女は その話を聞いて 楽しそうに


「良かった この子猫を 大切に

 思ってくれる人に 拾ってもらって。

 わたし感動しちゃった。

 ありがとう。

 これからも この子猫を

 クレヨン という名前にするね。

 良い名前だね ありがとう。

 それじゃ わたし このクレヨンを家に

 連れて帰るね。

 それじゃあ ありがとうございました

 サヨナラ〜」


そう言い残して その少女は

子猫のクレヨンを 段ボール箱ごと

持って帰ってしまった。


         その12


 そして  ボクは あの少女の

別れぎわに 密かに 黒の本物のクレヨンの方を

もらっていた。


 そのクレヨンは いつも机の中の

すみにあって そのクレヨンを取り出しては

あの三毛猫の 子猫の方を 思い出して

いたのだった。


 そして それは 数年間 続いて

どこでクレヨンを見ても 子猫のクレヨンを

思い出して つい


「クレヨンという猫か」


と つぶやいていたのだった。


 それが クレヨンという名の猫と ボクの

出会いと 別れの物語なのでした。


         おしまい

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ