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後編

一人の兵士を殺すため、殺人機械兵は構える。


「ここまでか」


その兵士は諦め、目を瞑る。


「・・・・・まだ諦めるなよ」


俺は兵士にそう言い、敵機械兵を潰す。


「え?」


兵士は驚いた顔で俺を見る。そりゃそうだ。自分達を散々苦しめてきた奴らを一撃で倒したからな。


「あと45機・・・・・10分くらいかな」


俺は残りの敵の数を確認し、潰しに行く。









10分後。


「嘘だろ・・・・・」


兵士達は唖然していた。目の前にある殺人機械兵達の残骸を見て。


「あなたは・・・・・いったい・・・・・」


一人の兵士が俺に聞いてくる。


「機械兵だよ・・・・・あいつらと同じ」


「機械兵!?あなたが・・・・・」


「まあ俺は人を殺したりしないけど」


もともと機械兵は、人を殺すためにいるんじゃない・・・・・と思っている。


「・・・・・あんた、名前は?」


そう言って一人の男が近づいてくる。兵装はしておらず、青い作業服を着ている。


「・・・・・あんた誰?」


俺はその男の質問に対して、質問で返す。


「あぁ、名前を聞く時はまず自分からだな。私はワイス。ギアーズ工場のものだよ」


工場の人か・・・・・なんでこんな所にいるんだ?避難していなかったのか?


「・・・・・HKSー5017だ」


俺はワイスと名乗る男に言う。


「HKS・・・・・なるほどな」


「なるほど?」


こいつ・・・・・何か知っているのか?


「お前、HKSの意味知ってるか?」


HKSの意味?


「・・・・・しらない」


「そうか・・・・・HKSは『human killer system』の略だよ。殺人装置・・・・・つまり、殺人機械兵だよ、お前は」


「!?」


俺が・・・・・殺人機械兵?じゃあ、機械兵は、人を殺すために造られたのか?


「お前もHKSなら、人を殺すはずなんだがな・・・・・どうやら他とは違うらしい」


ワイスは俺を一通り見て、そういう。


殺人機械兵・・・・・俺達がそうならば、なぜ造られたんだ?あの人は人を恨んでいたのか?


「いやぁ、お見事だなぁ」


そう言って一人の男が近づく。街の方からではなく、森の方から。


「旧式とはいえ、少々改造して強くしていたんだけどなぁ」


その男は機械兵の残骸を見てそういう。


「誰だ、お前は」


俺の言葉にその男は反応し、俺を見る。


「あぁ、申し遅れました。私、『HKSー5018』・・・・・あなたと同じ、殺人機械兵です」


「!?」


HKS・・・・・5018・・・・・!?


俺はその男の戦闘力を測定する。


名称 不明


データに奴の名前がなかった。俺よりあとに造られたのか?戦闘力は・・・・・


戦闘力 測定不能


「な・・・・・に・・・・・!?」


測定不能・・・・・化物かよ・・・・・


「ん?・・・・・あぁ、君には測定機能がついているんだったね。悪いけど、君じゃ私には勝てないよ」


「・・・・・」


悔しいが、あいつの言う通りだ。てか、なんであいつは俺のことを知っているんだ?


「お前らはなぜ人を襲う?機械兵は人を殺すために造られたのか?」


「ん?・・・・・そっか。君は何も知らないもんね」


知らない?何も?


「HKSは元々人を殺すために造られた訳ではない。元々は『sentinel system』・・・・・SSと呼ばれる守護機械兵だったが、私が、SSをHKSにし、殺人機械兵に変えた」


「!?」


変えた・・・・・だと・・・・・?あいつが?じゃああの人は・・・・・


「なんで・・・・・」


「復讐に決まってるじゃん。私たちをものとし、使い捨てみたいに使ってきたヤツらへの。だから私はリーズを殺した」


「なっ!?・・・・・」


リーズ。俺達を造った人の名前。

あいつは・・・・・あの人を殺した。


「うっ・・・・・あぁああああああ!!」


俺は叫び、殴り掛かる。


「砕け・・・・・散れ!!」


右手の拳で殴る。奴は胴体から砕け―


「はぁ、ダメだなぁ」


―なかった。あいつはビクともしていない。


「これだから旧式、は!!」


奴は右足で俺を蹴り飛ばす。


「君が改造された機械兵ならまだしも・・・・・何もしてないのに勝てるはずないじゃん」


俺は立ち上がり、構えるが、奴は俺の方を見ず、街を見る。そして不敵な笑みを浮かべる。


「明日の夜が楽しみだ」


そう言い残し、去っていく。


明日の夜?何があるっていうんだ?


考えても意味は無い。やることは決まっている。


俺はワイスの所へ向かう。


「頼みがある」


俺は頭を下げ、言う。


「俺を、改造してくれ」








「何故だ」


ワイスは俺に聞いてくる。そんなの、決まっている。


「あいつを倒すためだ。今のままじゃ、あいつに勝てない。だから、頼む」


リーズを殺したあいつを倒す。そしてあいつらに知らしめてやるんだ。機械兵のあるべき姿を。


「・・・・・分かった。ついてこい」


ワイスは俺にそう言い、歩いていく。


「・・・・・ありがとう」


俺はワイスのあとをついていく。








次の日。


俺は目覚める。周りを見ると工具などがたくさんある。ギアーズ工場内にいるようだ。


「目が覚めたか」


そう言って近づいてくる男が1人。ワイスだ。


「生まれ変わった感想は?」


ワイスにそう言われ、俺は体を動かしてみる。


「・・・・・悪くない」


俺のその言葉にワイスは笑う。


「ならいい。そんでお前はもうHKS5017なんて名前じゃないからな。お前の名は―」


ワイスが名前をいうと同時に爆発が起きた。


「なんだ!?」


ワイスは外を見る。そして、青ざめて俺にこういう。


「殺人機械兵だ・・・・・あいつらまたきやがった」


「!?」


また、なんで・・・・・


―明日の夜が楽しみだ。


・・・・・まさか


「行ってくる!!」


俺はワイスにそう言い、近くにあった鉄で作られたと思われる長剣を持ち、外へ出る。












「・・・・・嘘だろ」


外に出ると、そこにあったのは悲惨な光景だった。100機以上の殺人機械兵が街の人たちや兵士を殺し、暴れ、街が人の血と火の海と化していた。


俺は殺人機械兵どもの戦闘力を測る。



殺人機械兵 全176機

平均戦闘力 6700000000


戦闘力も数も、昨日とは桁違いだ。

・・・・・でも、


俺は奴らの前に立ち、剣を構え、叫ぶ。


「お前らに教えてやる!!機械兵の・・・・・あるべき姿を!!」


名称 ―

性別 不明

種類 改良型守護機械兵

装備 長剣 小型内蔵機関銃 ???

所持能力 戦闘力測定











「くたばれ!!」


俺はそう叫び、右手の長剣を振りかぶる。長剣は機械兵の体を切り裂いた。


・・・・・あと何機だ。


俺は残りの敵の数を確認する。見た感じだと残りは半分をきっている。そして上空から機械兵が3機襲ってくる。


もう少しだ。


上空からの敵を装備されている機関銃で撃ち落とす。


もう少し・・・・・だ。


そう思った瞬間だった。


何者かの刀によって、俺の右腕が付け根から切り落とされた。















「くっ!!」


俺は一気に後退する。


「あぁ、取れたのは右腕だけかぁ」


荒れた戦場の中、間延びした声が響く。


「前とは違うみたいだねぇ・・・・・5017」


「・・・・・HKSー5018」


俺は残された左手で長剣を持ち、構える。

そして俺は奴に笑ってみせて、こう言い放つ。


「やっとお出ましか」


「・・・・・何?」


奴は不機嫌そうにこちらを見る


「俺は・・・・・お前を倒す!!」


俺は奴に斬りかかる。奴はそれを自分の刀で受け止める。


「・・・・・これが、5017の全力か!!」


「違う」


奴の発言に、否定で返す。


「俺はHKSー5017じゃない・・・・・『SSーMKⅡ』だ!!」


俺は自分の新しい名を名乗った。














俺の長剣と奴の刀が何度も交わる。その度に火花が散る。途中、ほかの機械兵が襲ってくるが、すぐに潰し、奴に剣を向け、戦う。


「俺はお前を許さない!」


俺は叫び、剣を振るう。


「SSを、意思のない殺人兵器にしたお前を!絶対に!」


「・・・・・意思のない?」


奴は険しい表情をする。


「違うな・・・・・あいつらにも意志はある」


「何?」


「あいつらにもちゃんと意志はある。人を殺すという意志が」


「そんなの意志じゃない!」


「意志だ!・・・・・言っただろう。私たちは人に復讐すると。散々私たちを使い捨ててきた人たちを殺す、と。お前がなんと言おうと、思おうと!これは意志だ!」


俺たちは互いの感情をぶつけ、剣を振るう。俺の長剣は、奴の左肩と腹部を抉り、奴の刀は俺の右目を貫く。


「私は・・・・・いや、私タちは!オ前をコろし!ニンげンヲコロス!」


奴の声はもう声としてではなく、電子音として響き、奴は刀を振りかぶる。刀は俺の体を斬り、刀は体の中心までいく。


「うっ・・・・・おぉおおおおおおお!!」


俺は雄叫びをあげ、斬られたまま長剣で奴を貫く。


「おわりだぁあぁああああ!!」


貫いたまま長剣で斬りあげた。奴はふたつに割れ、倒れる。


「・・・・・マダダ」


奴が口を開く。


「コノマチニ、スベテノキカイヘイガイル。ノコリハ36キ。イマノオマエデハ・・・・・」


奴は途中で機能が停止した。HKSー5018は死んだ。

俺は自身の体に刺さっている刀を抜く。


「コロス!」


後ろから敵機械兵が襲ってくる。


「・・・・・そうだな」


俺は抜いた刀を後ろの敵機械兵に向けて投げる。刀は敵の体を貫いた。


「・・・・・守護機械兵として」


SSは人を守るために戦う。HKSは人を殺すために戦う。目的は違うとはいえ、どちらも同じ機械兵だ。


俺の周りに沢山の殺人機械兵が近づく。この街にいる最後の・・・・・いや、奴の言う通りなら、この世界にいる最後の機械兵だろう。


俺は左手で剣を持ち、天に掲げる。そして、叫ぶ。


「・・・・・守護機械兵として!!」


同時に殺人機械兵たちは一気に襲いかかる。


「俺諸共貴様らを!!」


俺の体の中心が赤く輝く。


俺はこの戦いで理解した。機械兵がいなければ、こんな事にはならなかった、と。だからこそ、もう二度とこんな悲劇が起きないように。


そして俺は、殺人機械兵どもを道連れに、自爆した。


これでこの話は完結です。なんか締まらない終わり方かなって僕は思ってたりします。元々これは短編で出す予定だったのですが、諸事情によりふたつに分けました。

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