いやはや、なんてこったい。
いやはやなんとも。
いやはや死にました。難友です。
いやはやあの後、意識が遠くなって、次は気がつくと電車の中にいました。ハリーポッターとかで出て来たオシャレな列車じゃありません、普通の電車です。
広告は日本語、乗ってるサラリーマンは禿げてる。
あぁ、なんて安心出来るんだろうか。
あのサラリーマンは、きっと太陽拳が使えるぞ、た〜い〜よ〜う〜け〜ん。
どうやら異世界に転生したのは気のせい、夢オチ、妄想、やったぜ。
…そう思った時も、私にはありました。
いつまで経っても、電車はつかない。
がたん、
ごとん、
がたん、
ごとん。
いつまで経っても、禿げてるサラリーマンは顔を上げない。
ピカッ、
ピカッ、
ピカッ、
ピカッチュウ。
ドアも開かない。
景色は普通だが、よく見ると何度も同じ看板が眼に映る。
なんだ、さっきからのホラー臭い感じ。
とりあえず、この車両には、このサラリーマンピカチュウしかいない。難友は声をかける決心をする。大抵こういう理不尽なホラーは伊藤潤二先生の漫画とかで勉強済みだ。
話しかけられる前に、話しかけるっ!
とりあえず、失礼の無いように、当たり障りのない言葉を。
「すみません。頭、眩しいんですけど」
しまった! つい本音を!
するとサラリーマンは顔を上げた。
なんとも冴えない顔だ。
彼は次の瞬間、僕の頭を指差し、
「この世界に来たものは、禿げるっ」
次の瞬間、頭の上がまっさらに、なるとともに、
目の前が真っ黒になった。
徐々に意識を失う中、ハッキリ一つだけわかった事がある。
この異世界転生は、理不尽だ。
というか、立ち向かう余地も、何とかするヒントすらないなんて、なんてこったい。
いやはやなんともいえない、気持ちになって頂けたら、幸いです。




