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A氏と最終回

作者: 受験生

 A氏は、一般的にいうアニメオタクである。

彼自身、自分を「アニオタ」だと周りに公言している。

公言することについては賛否両論あるが彼は友達とアニメの話をするのが好きなので公言している。

彼は、基本的にどんなアニメでも愛しそれなりにグッズも買うが、特に平和な日常を描いたアニメが好きである。

 A氏は会社員で昼間はせかせかと働くまじめな男であり、今日もくたくたになり帰宅した。

家には誰もいない。でも、彼にはアニメがある、ゲームがある、そして2匹の猫がいる。それだけで十分だ。

なぜ、彼は2匹の猫を飼うのかというと、一匹ではさみしいと思ってるからで、とっても優しい心もある。

 今はある土曜日の9時ごろ、A氏はいつものように嬉しそうに帰ってきた。しかし、その顔にはみようによっては淋しさも感じれる。今日は彼の好きなアニメの最終回の日なのだ。彼はいつもは録画だか最終回なので直接、別れの意味も込めて、視聴しようと思っている。

放送まであと三時間半。普段なら家に着くなり眠気に襲われるが、今日は目もさえている。高まる気持ちを抑え、お風呂、ごはん、読書をこなしその時をまつ。

 A氏は最後の時まで、息をすることも忘れるほどに集中していた。そして、最後のスポンサーのあれが終わり、静かにテレビをけし、何も言わずに布団にもぐりこんだ。

後日、彼はこのアニメの最終回の感想を誰にも言わず、その話題を誰かと共有することを避けたので友達から不審がられていた。

 しかし、最終回の日のA氏の寝顔はとても幸せそうだった。きっと。いい夢でも見ていたに違いない。


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