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縁は異なもの味なもの

 縁は異なもの味なもの

 男女の縁はどこでどう結ばれるかわからず、非常に不思議でおもしろいものだという意味……

(さて、そろそろレベル上げに町を出ようと思うのだが、どうするか……)


 現在ここジャネイロにはけっこうな人がいる、新規入会キャンペーンの人もいるがそれを狙ったギルドの勧誘で広場や門はかなりの人でにぎわっていた。


「ギルド"黄昏の地平線"入ってみませんか? 戦闘・生産にバランスの取れたギルドでーす。ねぇ、そこの君どうだい? 初心者のサポートもしっかりするし、ねぇ、ねぇ?」

「いや~君可愛いねぇ~どう? うちは、服系メインの生産ギルドなんだけど登録してくれれば、いっぱい可愛い服や、アクセサリーがタダであげちゃうよ~メインが生産系で無くてもいいからさぁ、どう? どう?」

「我ら! ローゼン・リッ〇ーに加入すれば、いまならこのエンブレム付き原作再現アーマースーツを全員にプレゼント! どうだ、そこの君も一緒に帝国に立ち向かおう!」


 ……………セリフ的にかなりアウトな集団もいるが、この光景は町のあちらこちらで目撃しているし現に俺も声を何度も掛けられた。


 しかし何故ここまでギルド勧誘が激しいかというと、次回のアップデート内容のせいだ。次回はここ"ジャネイロ"周辺に新しいダンジョンができるのと、ギルドメンバー10人毎ごとに特典がもらえるのだ。しかもメンバー全員と団長・副団長・上位団員にさらに個別アイテムが貰えるのでこんなに躍起やっきになっているのだ。


 まぁ、貰えるのはポーション系が主なんだがこの世界ポーションが高いのだ。NPC販売の一般的低級ポーションで1500クートかかり上級で7千クートもかかる、しかも低級の回復率はたったの20だけしか回復せず、自身のHPは150ままな仕様なので、そこまで困らないと思うのだが……。


 後半になれば一撃で100以上のダメージを喰らう事もあり、チマチマ20づつ回復していては戦闘中間に合わないのだ。

 でも回復職や回復魔法のスキルはあるので、皆それ頼りのパーティーが多いのだ。


 多くの人が薬剤師のスキルを取ってポーションを市場に流せば価格は変わるのだろうが、低級ポーションでも作るまでにLVが5以上必要で、しかも最初は延々草を採取して鑑定をするとういう工程を延々繰り返してのレベル上げだから、かなりの苦痛と時間を浪費するのだ。


 そして製作アイテム・装備には品質や耐久もあり低級でも粗悪となれば回復率は5~10ってこともあるし、誰かからレシピを手に入れれば直ぐにできるわけじゃないのが、この"イルザォン・ヘッヂオンライン"が他のVRGバーチャルリアリティーゲームと違う所だ。

 

 全ての工程に間違ったルートは存在しない、自分で模索しながら薬草をどの程度磨り潰し、どれくらい水を入れるか……何処の水で何処でとれた薬草で…

 製作工程は人それぞれで、それこそ無限に在るから、とてもじゃないがサブ職業に入れるって訳にはいかないのだ。


 無論、初心者用にサポートは存在する。自分が選んだ生産系スキルの工房なり店赴おもむき、NPCに弟子入りを希望すれば懇切丁寧こんせつていねいに教えてくれる。

 けれどこの方法だと、かなりの時間を取られてしまうらしい…弟子入りするNPCによりけりで弟子卒業後に色々と得点が付くが、OYAZIは万能生産型なので、一つ一つ弟子入りしていたらかなりの時間を弟子期間に取られる事となる。


 一応、複数のNPCに弟子入りは出来るが1つの所に絞った方が楽だし、物理的に複数のNPCから教えてもらいながら専用のイベントをこなすのは困難だ。

 なのでOYAZIは、基本弟子入りしぜず1人でヘルプ機能を参照しつつ自力でやっていく方向で考えていた。


 そしてOYAZIは、そんな光景を見つつヤレヤレとため息を吐きながら町を出てフィールドへと向った。







 ようやくフィールドに出たはいいものの………


「これは、ちょっとなぁ……」


 町を出た直ぐ近くの草原は、多くの人でごったかえしていた。


「そっち行ったぞー、壁役はヘイトを集めて! そしたら全員で囲め!!」

「そうだ、その位置がそいつの弱点だ。今の調子でもう一回!」

「こら! 割って入って来るな、俺達の獲物だぞ」

「無理いうな! 狭いんだからしかたねぇだろうが!」

「あぶねっ! 誰だ弓なんて飛ばしてるの!! ダメージ入らなくても痛いんだぞ、気をつけろよ!」


 っとこんなありさまだ……。


 まぁ、予想はしていた。ギルドに新規入会したらアイテム目当てだったとしても、それなりにサポートするのは当たり前だ。

 けれど来ているギルドの人数がすさまじいゆえに、まるで今日オープン初日? って思えるほどの人だかりだ。

 結局俺はモンスター狩りは諦めて、森に向かうと他のプレイヤーの邪魔にならない所で適当に木を切ったり薬草等の採取を始めた。


(ふぅ……やっぱレベル足りないから、伐採も時間かかるし薬草も鑑定できねぇ、今のところ、名前も効果も"???"で識別できない状態だよ、とりあえず大量に摘んでマイハウスで鑑定してレベル上げに専念すればいいか……)


 そんなこんなで数時間モンスターに注意しながら採取を続けていると、不意に声を掛けられた。


「ねぇ君、こんな所でなにしてるの?」

「見て分かりません? 採取ですよ。」

「そりゃ、分かるけど……装備からして君まだ初心者よね? ここら辺の敵は攻撃系の職業スキルか、武器スキルが10以上じゃないと危険なんだけど……大丈夫?」


「あれ? 森の端って、3~7前後のレベルで対応できるんじゃないんですか?」

「君、ここが森の端に見える?」


 そう言われ採取を止めて辺りを見渡すと、木々に囲まれ何処を見ても草原のフィールドは見えず、OYAZIは直ぐに地図を取り出し確認した。

 するとOYAZIは自分が森の中心近くまで入り込んでいる事にようやく気がついた。


「…………あっ!?」

「気づいてなかったんだね、はぁ……」

「すみません、採取に夢中で気づいてなくて……ご忠告ありがとうございます。」


 そう言いながら振り向くと、ピンク髪の若い女性がいた。


「私はエイサよ、よろしく! あっプレイヤーだからね? 念のために言っておくけど」

「あっ! よろしく、俺はOYAZIです。もちろんプレイヤーですw」

「ふっふ、変わった名前ね…でも初心者なのに良くここまでモンスターに襲われずにいたわね~」

「あぁ、一応盗賊のスキル持っているからその中の技の気配を消せる隠密と周囲警戒のパッシブスキルがあるからそれで……」

「へー? 採取してるってことは生産系でしょ? 珍しいわね、薬剤でサブで盗賊入れるのって」

「あぁ、それは……」


 とりあえずエイサさんになかば強制的に臨時パーティーに登録されて護衛してもらいつつ、森をなんとか抜けてモンスターの居ない落ち着ける場所まで移動した。

 そして助けてもらったお礼を言いつつ、休憩がてらスキルの事について話すと……


「はぁ? 生産万能型!? マジで! それじゃあスキルスロットいくつ有っても足りないじゃない、信じられないわ……」


 念のため何のスキルを取っているかは盗賊以外教えてないが、残り殆ど生産系の違う奴入れていると教えたら案の定驚かれた。


「そっ、そりゃスキルなんて人それぞれだけど……確かに先を見越して複数の系統にまたがるスキル持っている人もいるけどさ、最初からそれって厳しくない? 後半きつくなると思うけど……」

「まぁ、その辺は覚悟しているつもりですよ。でも皆が同じ特化ばかりだと何かイヤじゃないですか? それに生産するなら1つの物に固執するんじゃなく多くの物を作ってみたいと思っていたので、別に悔いは無いんで……」


 呆れられたかなと思っていたら予想外の返答が返ってきた。


「まっ、本人がそれでいいと思うなら私が口出す事でも無いんだけど……うん! 良ったら私とフレ登録しない?」

「え?」

「ほら、ここで会ったのも何かの縁だろうしね!」

「でも俺なんかでイイんですか? そっちが良いなら構いませんが、それじゃあ……はい」

「ん、よし! 登録完了だね、別に気にする必要ないと思うよ、なんたってここはゲームだからね♪ もし困った事があればいつでも呼んでね!」


 エイサさんとフレ登録し、休憩し終わるとそのまま別れる事にした。


 まだ採取は続けるつもりだし、それまで付き合ってもらうには忍びないので『ホントに大丈夫?』と心配し『なんなら護衛するよ』と迫るのをなんとか言い包めて別れた。


「さーてと、日が暮れるギリギリまでスキル上げ頑張るか!」


 俺は再び森に入り伐採を始めた。今度はしっかりと地図を確認しながら……

 リアルな姿のままでしか行けないVRより、キャラメイクできる方がいいけどどっちにしろ、VRが完成しないと意味がないよなぁ…

 現行のオンラインゲームがVRになったら、行きたいのはFFかPSO2かなぁ国産のヤツなら…

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