年寄りの言うことと牛の鞦(しりがい)は外れない
年寄りの言うことと牛の鞦は外れない とは
たくさんの経験をしてきた老人の言うことには、間違いがないから、 注意して聞くべきだという意味…………
「やっぱり、あのシーン最高だよな! 最後ブーストを使ってアス〇ーダ抜いた時は鳥肌モノだよな!」
「カッコイイですよね、加賀! 俺はSINも好きですけど、ゼロの最後なんかも好きですよ。」
「あのラストもカッコイイよなぁ、ゼロの領域のシーンから2人がぶつかりながらゴール……熱くなるよなぁ」
2人は村の近くにある森で90年代アニメ談義に花を咲かせながら、夜の戦い用のポーションの材料である薬草を取りに来ていた。
ロイは笑いながら話しながらもしっかりと周囲を警戒しつつ、OYAZIはロイにモンスターへの警戒を任せ手早く周囲にある薬草を採取していった。
「それにしても、人がいない所為なのか薬草が大量にありますねぇ」
「ん~それもあると思うけれど、この村の周辺は元々草系の採取物が沢山取れる所なんだよ。」
「へぇ~、それなら薬剤師系の生産ギルドの拠点があっても良さそうなのに、この村は何にも無いですよね?」
「それは、ここの立地条件と採れる薬草の品質の所為だな」
「立地条件と、品質ですか?」
『あぁ』と頷きながらロイは答えていった。
どうやらこの村は周囲を草原と森に囲まれていて、村より奥には何処かの町やダンジョン等に道は繋がっておらず、プレイヤーがこの村に来る理由が少ないのが原因の1つであると……。
実はこの村に来る途中に在ったセイフティーゾーンの小屋を過ぎると、道が二手に分かれており反対の道に行けば、炭鉱の町"フェヴェレィロ"に続いている、そしてその途中にもう1つ村があるのだ。
そこは森の中にある村で、それなりの数の上質な薬草等が採取でき大量の木も採れる場所なんだとか……
そのため多くの生産系ギルドが拠点を構える"フェヴェレィロ"の近くでもあるその村の方に、多くの人が行くので、ここにはそれほど人が来ないらしい。
「それでも、皮系は大量に取れるし品質が普通でも薬草がこれだけ取れるならけっこう良い場所に思えますが?」
「皮が取れると言ってもレベルが低すぎるのが原因と、サウンドフロッグが、めんどくさいってのが理由かな……ボスエネミーのノイズフロッガーなら、まだそれなりの素材になるけれど、それ以外のモンスターが雑魚ばかりで、倒しても経験値と素材に旨みが無いのさ」
「なるほどぉ……」
確かにこの村周辺にでるモンスターは低レベルのモノばかりで、始まりの町ジャネイロの町の周辺と、モンスターのレベル差は大して変わりはないのだ。
無論、森の奥へ行けば高レベルのモンスターは存在するが、それはジャネイロでも同じでここでレベル上げするより宿屋や露店が多いジャネイロでレベル上げをした方が、楽なのは事実だ。
「それにフェヴェレィロの近くの村の方が発展しているから、人も来やすいのさ」
「えっ? 村って発展したりするんですか!?」
「そうだよ、このイルザォン・ヘッヂオンラインはその辺もリアルでね、より人が集まれば集まるほど、宿屋や店が増えるし町や村が拡張される、ジャネイロだって元はもっと小さかったしな」
「へぇ~」
「ジャネイロの町の中央に、川が流れているだろ? あそこまでが元のジャネイロの町だったんだ。」
「あぁ、だからあの町川を渡る橋の前にやたらと高いくてデカイ壁があるのか」
「そういうこと、だからフェヴェレィロの方の村は、ほぼ町って言っていいほどの広さで、多くの店が立ち並んでいるんだ」
「じゃあ、ここも発展すれば宿屋ができたりするんですね」
「人が来ればね……」
そんな話をしながら薬草の採取をし、夜までの時間も迫っていたのでとりあえず今日のところは採取を終え、いったん村へと戻りポーション製作を始める事にした。
「とりあえず村で購入できたのと、採取できた果物がアップルと野苺であるクサイチゴ、モミジイチゴ、フユイチゴ、ヘビイチゴしか手に入らなかったのでポーションは、濃縮還元とアップル味とミックスベリー味の三種類を作りますね」
「まぁ、流通の少ないこの村じゃあしょうがないよ。しかしあの話題になったオリジナルポーションを飲めるとは思ってもみなかったよ」
「今では大した価値でもありませんけどね」
「そうでもないよ。確かに効果がもっと上のポーションが増えたけど味的にはこっちの方が美味しいって聞くから、そこまで卑屈になることでもないと思うんだけどな」
「そうですかね?」
「僕はそう思うけどね、そういえば気になったんだけど野苺ってそんなに種類が在るもんなんだね、知らなかったよ。」
「そうですね、本来は同じ時期には取れないんですが、ここがゲームだからか普通に生えていましたね」
「あれ? 野苺って夏に実が生るんじゃないの?」
「本来、苺の旬は春から夏に掛けてですが、野苺は6月~11月に掛けて生る物で、名前で分かると思いますが、クサイチゴが梅雨~夏、モミジイチゴ夏~秋、フユイチゴが秋~冬に実ります。」
「へぇ、そうなんだ……あれ? ヘビイチゴって毒じゃなかった? そんな話を何時だか聞いた事があるんだけど」
「それは俗説ですよ。名前の由来は[蛇でも食べないほど不味い]のと[この苺を食べに来る小動物を蛇が食べる]からと由来は諸説ありますがね、でも美味しくないだけで毒はありませんから」
「美味しくないのに、使うのかい?」
「どうしてだか、ヘビイチゴを入れないとポーションの味は美味しくならないし、効果が上がらないんですよ。その物を食べても、この世界でも不味いんですが、不思議です。」
「なるほどね、しかしテーブルに並べられている素材を見ると本当にポーションの材料なのか不安になるね、公開したレシピを見たことあるから知ってはいたけれど、これは凄いねぇ……」
ロイは、テーブルに並べられた素材の光景に圧倒されながら、そう呟いた。
テーブルの上に乗せられているのは……
薬草・ドクダミ・キャベツ・野苺各種・アップル・ミント各種(ホースミント、スイスリコラミント、ハートペニーロイヤルミント、ホワイトペパーミント等々)・レモンバーム・ヒソップ・レモンバーベナ・カモミール・ラベンダー・ウコン・生姜・高麗人参・ごぼう・岩塩・黒胡椒・鷹の爪・ハチミツ・花各種(キンギョソウ、キンモクセイ、桜、パンジー、菊、ウスベニアオイ、南瓜の花、ハイビスカス等々)・カカオ・コーヒー豆・ドングリ・クルミ・シナモンete……
と、物凄い種類の素材が所狭しと並べられていた。
「公開したレシピより素材は増えているから、ちょっと見た目が凄いですけどね」
「確かに増えているようだけど、キャベツって必要なのかい? なんかポーションのイメージではないけど」
「キャベツは元々薬草ですよ。一般に知られているのは品種改良された物ですから」
「見た目は良く見るキャベツだけど、効果があるのかい?」
「コレ単体で作ると"腹痛治癒"と"食欲増進"の効果が付きますね、元々が胃腸の調子を整える薬草ですから、この世界の効果としてはこうなるんでしょう」
「なるほどねぇ"腹痛治癒"は微妙だけど"食欲増進"は魅力的だな」
「そうですね、だけどキャベツだけだと効果が(微)しか付かないので、色々試さないと分かりませんね」
「そうか……残念だな」
ロイが注目した"食欲増進"の効果は、ポーションの連続服用時の効果低下を緩和したり、満腹時でも食事をできるので1回の戦闘ごとに効果付きの食事や飲み物を食べたりして、効果を延長したり別の効果に変更する時に重宝する効果である。
もう1つ"腹痛治癒"とは、このゲーム空腹と渇水があるので食事をある程度小まめに食べる必要があるのだが、大して腹も減っていないのに効果が良いからと無理やり量が多い食べ物を食べたりすると、バットステータスである"腹痛"になる、つまりこの状態異常を回復する効果という事だ。
"腹痛"は、一定時間の痛みを体に与え(ダメージは無し)、StrとAgiを一定時間下げクリティカル発生率を減少させる状態異常である、だが発生率は少なく大して下がらないし、効果時間もそれほど長くないのであまり気にする人は少ない状態異常だ。
そうやって残念がるロイだったがふと何か気になる事があったらしく、OYAZIに質問をした。
「そう言えば種類が増えたってことは、以前販売していたのより効果も上がったのかな?」
「多少は、ですけどね……ただ製作すると『レベルが足りないため、これ以上の効果は上がりません』ってメッセージが表示されましたよ。」
「おぉ! それは初めて聞く状態だな! レベルが足りなくて失敗したり、ロストするのは良くあるが、そんなメッセージが表示されるなんてあるんだなぁ、それじゃあレベルが上がる度に製作すれば効果が上がるのか?」
「みたいですね、だから早くレベル上げして中級薬剤師にしたいですけど、とりあえずは皮師と被服師のレベル上げが目標ですけどね」
「まぁ、この村なら各種薬草が豊富だしレベル上げには、うってつけだしな」
「そうですね、どの道今後は夜の為にポーションを作るからレベルは自然に上がると思いますけど」
「そうだな、それじゃあ何か手伝える事があったら声を掛けてくれ、俺は向こうで衣装を手直ししているから」
「分かりました。」
そう言いながらロイは部屋の奥で素材と衣装を取り出して、製作を開始し始めた。それを確認するとOYAZIは手馴れた手つきで、素材を刻み、磨り潰し、炒ったり、煮込んだりしながら改良型ポーションEXを作り始めた。
(作業簡略化の技を覚えたから、天日干しの時間や煮込み時間が短くなって最初の頃に比べれば、圧倒的に早く作れるようになったから夜までにはなんとか間に合いそうだな)
そんな事を考えながらポーションを黙々と作っていると、やがて窓からオレンジ色の光が差し込み次第に夜に変わっていった。
「それじゃあ、準備はいいかい?」
「はい、大丈夫です。」
日も落ち、完全に外は夜になった事を確認すると2人は最終確認をし始めた。
「良し、今回は手始めに街道沿いで戦ってみて、やれそうならそのまま草原の方へ移動するでイイかな?」
「分かりました」
「最初のうちは、エンチャンターを駆使しながら基本後衛でやってみてくれ、それでこっちの動きと合わせられる様なら、徐々に前衛に切り替えるって感じでイイかな?」
「了解、とりあえずはサポートをメインやってみます。」
「おぅ! 頼んだぞ、それじゃ行くか」
2人は最終確認をしっかりとして、夜の草原へと向った。
そろそろタイトルのことわざが内容と合うものが無くなってきた。どうしよう……今回のも合ってない感じだしなぁ、今後どうするべか…
そう言えばスパロボの新作発表されましたね、3DSだけど買うか迷うなぁ…SDガンダムとガリアンが気になるし、ナデシコやダンバインも久々だし悩みどこです。
それと、そろそろヴァンドレッドやネオランガなんか参戦してくれたりしないかなぁ、久々にレイズナーやエルガイムとかエスカフローネなんかも復活してほしいし、もちろん家庭用ゲーム機で発売してくれないかなぁ出してくれると嬉しいんだけどな、できればWiiや¥WiiU意外で(持ってないから!)




