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前向きに‼レジ業務体験記  作者: 登本


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17. 4月デビュー

 今日からデビュー。打刻した瞬間からドキドキ。やる気、元気、根気。

 

 レジへ行く。あれ?なんだか雰囲気が違う⁇みんな、イライラしてるような…ピリピリしているような…あれ?

「登坂サンちょっと…」

連行される。

「今日からね、伝えるの忘れていたンだけど、クーポンが発券されるのね。しかも、そのクーポンは、今日から、直ぐに使うことが出来るの。でも、レジ袋を追加で買うと、クーポンが消える事が分かったのよ。」

「はあ?ハイ。」

「そこで、クーポン券だけど、割引されてない事が多発して、今、大変なのよ。」

そりゃ大変だ。そこで、私のデビューは延長になった。ガックリだ。あんまりだ。昨日、シュミレーションして寝たのに。

今日も、2人制スタートだ。


 山橋サンだ。この人、春から移動で来た人。挨拶だけした人だ。役職はチーフだ。

「よろしくお願いします。」

私達のレジは順調だった。隣はチーフだからね。基本、何でも出来る。私がスキャンをして、最後の方に、重い牛乳や、大きい大根、お得な人参がでてきて渡そうとも、チーフは動じないのだ。カゴ詰めも上手いのだ。


 だから、油断した。最後の一時間は、一人になったのだ。チーフは呼ばれてどこかへ行ってしまった。

 さて、仕事の中で、私が特に苦手な仕事はカゴへキレイに詰め変えることである。(レジ業務のド本命だ。)今日は、特別にクーポン券欲しさで、一人の客が買う量が多い。山積みモリモリの買い物だ。それ、一番嫌いだ。

 ひょっこり、奥底から、大袋に入った玉ねぎや、大根や牛乳がでてくるのだ。それらを、カゴの、一番上に入れる事はできないのだ。しかも、だいたい最後に奥底から出てくる。カゴの一番上へ入れる物は、お菓子やパンなど潰れると困る物と相場は決まっているのにだ。私は、四苦八苦してカゴ詰めを終わらせた。この買い物は若いママと子どもたち。だった。かわいいから思わず

「かわいいですね~」

と言って、しまった。心もほっこりした。疲れなんて、吹き飛ぶのだ。


 

 次は同年代の夫婦だ。約6千円ぐらいの買い物をしたと思う。

 あれ?表示金額が、一万五千円になっている。今日は、忙しいからレジが壊れたのか〜?と思った、のは一瞬で、

 身体が震えた。心臓は止まりそうになった。表示金額を見ながら、でた言葉は、

「ヒッ‼」

という、息を吸い込む音だった。

前のお客サンの金額だ。支払い…お金をもらい忘れた。走った。店の出口へ行ってみた。いるわけない。時間が経ちすぎている。う〜、聞いたことないぞ。お金をもらい忘れた。なんて、でも、現実もらい忘れた。

 私が走って行ったから、さっきの夫婦はもういなかった。そのかわり、統括もチーフもいる。

「すいません。お金もらい忘れたました。」

それしか、言えなかった。


 明日、違算報告書を書くことになった。

 若いママと子ども達は悪くない。私に

「チャージしてください。」

と言っていたのだ。チャージすると、電子音が鳴るのだ。この電子音は、支払いをするときも鳴る。ポイントを、移行する時も鳴る。全て同じ音が鳴るのだ。紛らわしいのだ。

私は子どもに夢中で、支払いを忘れたのだ。

さすがの私でも、動揺して集中力が続かない。そして、時間だ。


トボトボ、ロッカーに行くとき、店内放送が流れてきた。昔の曲だ?Puffyだ。ハリキッテ行こう、風切って行こう、リズムに合わせて♪懐かしい曲だ。本来は楽しい曲なにのに、私には悲しい曲に聞こえた。ハリキッテ行けないカモ…

 明日も、頑張るしかない。








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