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第3話 レベルリセット

 モンスターの強襲からなんとか逃げ切ることに成功した僕は、咄嗟に入った横穴を進んでみる。


 すると、ダンジョンらしくない明るい空間につながっていた。


 水が湧き出る綺麗な池。

 水中には、無害そうな普通の魚も泳いでる。


 水の周りには草木が生い茂り、木の枝には果実が成っていた。



「セーフスポットってところか」



 ゲームでもセーブポイントだったり、宝箱がある空間だったりはエンカウントしないとかよくあるじゃないか。

 それと似たような場所なのではないだろうか。


 その証拠に、あちこちに冒険者がいた痕跡が散乱している。

 古びた剣やナイフ、防具や道具、そして焚き火の跡――――


 ここで昔、冒険者がキャンプをしていたということだ。

 

 

 とりあえず、ここにいればしばらくは生き延びられそうだ。


 だが、依然として、僕の状況は最悪と言っても過言ではない。

 なんとか策を練って、ダンジョンから脱出する方法を考えないと……



「まず、自分の体が一体そういう状況なのか、だな」



 今の僕はどれくらいの力を持っているのか。

 ファンタジーらしく、魔法は使えたりするのだろうか。

 あと、女神様から貰ったチートスキルは?


 ――――色々と気になることが多い。


 まずは自分のことを知らないと。



 そういえば、モンスターやダンジョンの石壁に向かって目を凝らした時、石壁のステータスを見ることができた。

 これを使って自分のステータスがどうなってるか知る方法はないだろうか。


 うーんと首を捻っていると、池の水面に、自分の顔が映っていることに気づいた。

 ここに来て初めて自分の顔を認識する。


 癖のない黒い髪。

 額にかかる前髪が視界を少し遮っている。

 その髪の間から、青みがかった瞳がこちらを見ていた。


 随分と幼いな。

 10歳前後じゃないだろうか。


 ――――そうか。

 もしかしたら、水面に映る自分に対して、ステータスを見ようとしてみれば、自分のステータスが見られるんじゃね。


 僕は水面に投影されている自分の顔に目を凝らしてみる。


 すると――――


 

 ══════════【 SYSTEM 】══════════

  スキル「自己鑑定」を取得しました。

 ═══════════════════════════


 

「おお!!」



 スキルを覚えられた!

 自己鑑定ってことは、いつでも自分のステータスを確認できるようになったってことだろうか。


 僕は試しにスキル「自己鑑定」を使ってみる。


 

 ──────────────

 【サクトシ】

 Lv:1

 体力:10 / 10

 魔力:10 / 10

 攻撃:5 / 5

 防御:5 / 5

 速さ:5 / 5

 

 鑑定 Lv:1

 自己鑑定 Lv:1

 ??? Lv:1

 ──────────────


 

 うーん、いかにも初期ステータスって感じだ。


 体力とかのステータスの下に、先程習得した「自己鑑定」がある。

 元々ある「鑑定」は自分以外のものを見る時のスキルかな。

 スキルはレベルによって強さや効果が変わったりするのだろうか。


 そして何より、この「???」というスキル。

 これは一体なんなのだろう。

 

 もしや、これが女神様が下さったチートスキル?

 でも、このスキルが何なのか分からなければ、使いようがないではないか。

 


「まあ、とりあえず――――今の僕の状態は分かった」

 


 今の僕のレベルは1だ。

 レベルを上げていけば、ステータスが上昇して強くなれるのだろう。


 幸い、水や食料は十分にあるみたいなので、猶予はある。

 ならば、このセーフスポットで地道に上げていくしかない。

 このダンジョンから無事に脱出できるくらいに強くならなくちゃ。


 僕はレベルを上げるための鍛錬を始めた。

 まずは、ベタに筋トレからだ。


 腕立て、腹筋、背筋――――

 ステータスに変化が起こるまで、ずっと繰り返す。


 すると――――

 


 ══════════【 SYSTEM 】══════════

  レベルアップ!

  レベルが「2」になりました。

 ═══════════════════════════

 


 

「やった! レベル2になれた!」


 

 僕はステータスを見てみる。

 


 ──────────────

 【サクトシ】

 Lv:2

 体力:10 / 20

 魔力:10 / 10

 攻撃:5 / 15

 防御:5 / 15

 速さ:5 / 5

 

 鑑定 Lv:1

 自己鑑定 Lv:1

 ??? Lv:1

 ──────────────

 


 おお。

 ちゃんと体力や、攻撃防御が上がっているではないか。

 しかも一気に10ポイントも上昇した。


 魔力と速さが上昇していないのは、そういったトレーニングをしていないからだろうか。


 ともかく、この調子でいけばあのモンスターを倒せるくらいになるのにそんなに時間はかからないだろう。

 このまま、トレーニングを続けよう。


 

 僕は時折休憩を挟みつつ、トレーニングを続けていった。


 しかし、セーフスポットに辿り着いてから、1時間が経過した頃のことだった。


 

 ══════════【 SYSTEM 】══════════

  レベルがリセットされます。

 ═══════════════════════════


 

「――――うわっ!?」

 


 一瞬にして、体の力が抜け、その場に倒れ込む。

 

 まただ。

 モンスターの前でも起こったこの現象。

 レベルリセットって、まさか――――

 

 嫌な予感がして、僕は自己鑑定を使ってステータスを確認する


 

 ──────────────

 【サクトシ】

 Lv:1

 体力:10 / 10

 魔力:10 / 10

 攻撃:5 / 5

 防御:5 / 5

 速さ:5 / 5

 

 鑑定 Lv:1

 自己鑑定 Lv:1

 ??? Lv:1

 ──────────────

 


「レベルが戻ってる……!?」



 レベルが1に戻り、ステータスも初期に戻ってしまっていた。

 この1時間の努力が、全て無駄になったのだった。


 レベルリセット――――

 もしかして、「???」になっている僕のスキルは、このレベルリセットのことなのではないか?


 一定時間ごとにレベルをリセットする呪いのパッシブスキル――――

 だとしたら、最悪じゃないか。

 僕はどれだけトレーニングをしても、もう成長できないってこと……?

 


「どうすんだ……これ……」

 


 僕はこれ以上強くなれない。

 ということはダンジョンから出られない。


 せっかく異世界転生できたのに、一生をこのセーフスポットで過ごすってこと……?


 

 ――――くそ、弱気になっちゃだめだ。

 何かこの状況を打開できる何かがあるはずなんだ。

 

 幸いにも、自己鑑定が使えるということは、レベルリセットが起こってもスキルは失われないということだ。


 僕は気を取り直して、別の方法で強くなる方法を模索する。


 物理が駄目なら、魔法はどうだろうか。


 異世界といえば魔法。

 すでに僕は女神様に魔法のような奇跡を見せてもらっている。


 ただ、筋トレはやったことがあっても、魔法は使ったことがない。

 魔法って、そんな簡単に覚えられるものだろうか。


 いや、物は試しだ。

 ここには僕1人しかいないわけで、どんなに奇抜なことをやろうが、誰も咎めない。


 全裸になっても怒られないのだ。

 出来ることはなんでもやってみよう。


 一応、僕でも魔法が使えるという根拠がある。

 それは、魔力のステータスが0ではないからだ。



 さて――――じゃあ。どんな魔法を試してみるべきか。


 僕は、ふと辺りを見渡してみる。


 水、魚、草、果実――――

 後ろに魔法をくっつけた時に一番スタンダードなのは――――水魔法か。


 僕は池の方に近づき、水を掬い上げる。

 その一掬いの水に目を凝らしてみると、「鑑定」スキルでステータスが浮かび上がった。


 要はこのステータスを再現できれば、水を生み出せるってことだろ?


 僕は一旦掬った水を放し、目を瞑って、イメージする。

 このステータスの物質を、自分の魔力ステータスを消費して作り出す。


 イメージ、イメージ――――


 すると、両手が淡く光り出した。

 気がつくと、僕の両手には一掬いの水が生み出されていた。


 

 ══════════【 SYSTEM 】══════════

  スキル「水魔法」を取得しました。

 ═══════════════════════════

 


「すげえ!!」

 


 これが魔法。

 ステータスも水魔法って名前になってるから、これがきっとこの世界の魔法なのだろう。


 スキルを増やすことができた。


 水魔法のレベルを上げていけば、水魔法が強くなって、水のないところでこのレベルの水遁を!? ってできるかもしれないけど。


 恐らく、レベルリセットで水魔法のレベルも1になってしまうことだろう。


 

 だから、僕が今できることは――――


 ひたすら、レベル1のスキルを集めることだ。


 

 こうして、僕はダンジョンの奥深くでスキルコレクターの道を歩むこととなった。


 

 

読んでくださりありがとうございます。



主人公がこの先どうなっていくのか、ぜひこれからも見守ってあげてください。

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