第78章:配管室の隠し通路と、帰ってきたロープ使い
探索チーム結成
4月最初の土曜日。
俺たちは、ジャージ姿で旧校舎の裏に集まっていた。
「よう古田! 進級おめでとう!」
爽やかな笑顔で現れたのは、この春に卒業したばかりの玄田宇宙先輩だ。
高校の制服ではなく、ガチの登山装備に身を包んでいる。
「玄田先輩! 卒業したばかりなのにすみません!」
「構わんさ。校長から『学校の危機だ』って言われたら断れない。それに、可愛い後輩の頼みだしな」
玄田先輩はニカっと笑い、新メンバーを見た。
「で、そっちのが新入りの陰陽師か?」
「は、はい……。安倍清和です。よろしくお願いします」
「おう! そして赤城、お前も相変わらず元気そうだな!」
「ッシャア! 今日こそお宝発見だぜ!」
【探索メンバー】
• 古田降太
• 安倍清和
• 赤城烈兎
• 玄田宇宙(OB)
「よし、行くぞ! 目的地は地下広場のさらに下、『配管室』だ!」
地下の深淵へ
俺たちは地下への階段を降り、いつもの「紫陽花の広間」を通り抜けた。
櫻子先輩と加藤先生(25歳)が見送ってくれる。
「気をつけてね。ここから先は、私も知らない領域よ」
先輩の言葉に頷き、俺たちは広間の隅にある錆びついたマンホールを開けた。
「任せろ。俺が先導する」
玄田先輩が手際よくザイルを固定し、懸垂下降で降りていく。
底に着くと、そこは巨大なパイプが張り巡らされた迷宮『配管室』だった。
封印された扉
スライム状の怪異を赤城の剛速球と安倍の術で退け、縦穴を玄田先輩のロープウェーで越え、俺たちは最奥部へとたどり着いた。
そこには、周囲の機械的な配管とは不釣り合いな、重厚な木製の扉があった。
「……ここだ」
俺の「視る目」が告げている。
この奥に、とてつもない「情報」の気配がある。
「開けるぞ」
安倍くんがお札を慎重に剥がし、赤城が力づくでノブを回す。
ギギギギ……。
扉が開くと、そこには六畳一間の殺風景な小部屋があった。
中央には、ポツンと置かれた古びた机。
そして、その引き出しの中に、プラスチックのケースに入った一枚のディスクが収められていた。
「8インチフロッピーディスク」。
これこそが、俺たちが探し求めていた8番目のアーティファクト、『コア』だ。
「見つけた……!」
俺は震える手でそれを手に取った。
ずしりと重い。物理的な重さではなく、そこに込められた情報の重みだ。
「よし、撤収だ! 地上へ戻るぞ!」
ついに、物語を動かす鍵を手に入れたのだ。




