第50章:筋肉とオカルトの文化祭、出し物決めの仁義なき戦い
前回投稿から時間が空いてしまい申し訳ないです。
そろそろこの物語を全部書き終わるところまで裏でせっせとつくっていました。
この物語を読んでくださってる皆様
もし良ければ楽しんで読んでいっていただけると幸いです。
筋肉の提案
9月上旬。1年B組の教室は、異様な熱気に包まれていた。
黒板には『文化祭出し物決め』の文字。
教壇に立つのは、パッツパツのジャージを着た担任・角田 角先生だ。
「いいかお前ら! 文化祭とは祭りだ! 祭りとは、生命の燃焼だ!」
先生が黒板をバンと叩く。チョークの粉が舞う。
「俺の提案は一つだ。『1-B 筋肉カフェ』!!」
「却下でーす」
クラスの女子たちが即答した。
「なんだと!? プロテインパンケーキとか、ダンベル上げ放題とか、楽しいぞ!?」
「臭そうです」「汗苦しいです」「今どきインスタ映えしません」
女子たちの冷ややかな視線に、巨漢の角田先生がシュンとなる。
このクラス、担任の扱いに慣れてきている。
オカルトの提案と、時代のズレ
「はいはい! 私、提案ありまーす!」
元気に手を挙げたのは、オカルト部エース・綿貫なのはさんだ。
「やっぱり文化祭の王道といえば、『お化け屋敷』でしょう!」
「おおー!」
クラスが盛り上がる。王道だ。準備も楽しそうだ。
しかし、なのはさんの目が怪しく光った。
「ただのお化け屋敷じゃつまらないわ。我がオカルト部の総力を結集して、『本物の心霊現象』を再現するの! 祭壇を作って、降霊術をして、入ってきたお客さんに憑依体験を……」
「「「却下!!」」」
今度はクラス全員が叫んだ。
「なんでよ! リアルで怖いのに!」
「リアルすぎて学校閉鎖になるわ!」
「お前がやるとガチで呼んじゃうだろ!」
古田くん(俺)も全力で首を振った。
なのはさんの「再現」は、洒落にならない。
迷走する会議
その後も、議論は平行線をたどった。
• 男子:「メイド喫茶!」 → 女子「衣装代が高いからダメ」
• 女子:「タピオカ屋!」
• 男子:「えー、今さらタピオカ? ちょっと古くない?」
• 女子:「何言ってんの、一周回ってレトロブームでしょ! それに美味しいし!」
• 角田先生:「タピオカの代わりにプロテインボールを入れるのはどうだ?」 → 全員無視
• 男子:「eスポーツ大会!」 → 先生「機材がない。却下」
「まとまらないな……」
実行委員の俺は、教壇の横で頭を抱えた。
このままでは、時間切れで「展示」とかになってしまう。それはそれで平和だが、角田先生となのはさんが暴れる未来が見える。
「……古田。お前はどう思う?」
角田先生が助け船を求めてきた。
俺は考えた。
角田先生の「体力」と、なのはさんの「恐怖」。
そして、クラスのみんなが楽しめる「エンタメ性」。
これらを全て満たすものは……。
「……あの、折衷案なんですけど」
俺は恐る恐る提案した。
「『脱出ゲーム』なんて、どうですか?」
奇跡の着地点
「脱出ゲーム?」
「はい。教室を迷路にして、謎を解きながらゴールを目指すんです。テーマは『廃校からの脱出』とかにして、ホラー要素を入れる(なのはさん担当)」
「ふむ。ホラーなら私の専門分野ね」なのはさんが乗り気になる。
「でも、ただの謎解きじゃありません。途中に『障害物』や『ミッション』を用意して、体を使わないと進めないようにするんです(角田先生担当)」
「ほう! つまり、SASUKE的な要素を入れるわけか!」角田先生の目が輝く。
「そして、クリアタイムを競うランキング形式にすれば、盛り上がります!」
一瞬の沈黙の後、拍手が巻き起こった。
「それだ! それなら楽しそう!」
「内装もお化け屋敷っぽく凝れるし!」
「俺、障害物作りてぇ!」
クラスの意見が一つになった。
奇跡だ。
「よし! 1年B組の出し物は『サバイバル・ホラー脱出ゲーム』に決定だ!」
角田先生が黒板に書き殴る。
『恐怖と筋肉の館 ~生きて出られたら褒めてやる~』
「……先生、タイトルが物騒すぎます」
「いいじゃないか! 青春はいつだって命がけだ!」
こうして、俺のクラスの出し物は決まった。
ホラー演出と体力勝負が融合した、カオスなアトラクション。
準備は大変そうだが、これなら退屈はしなさそうだ。
「古田くん、ナイス提案!」
なのはさんがウインクしてくる。
俺は苦笑いしながら、窓の外を見た。
体育会系が集まる1年2組(赤城のクラス)からは、「ストラックアウトォォォ!!」「全部抜いてやるぜぇぇぇ!」という野太い絶叫が聞こえてきた。
あっちはあっちで、直球勝負に決まったらしい。
俺たちの文化祭が、動き出した。




