三蹴 春麗ココロワ‼
「ウラララ‼ の家に遊びに行くんじゃあああああああああああああ‼
毎度毎度じゃが楽しみなんじゃああああああああああああああああ‼」
サクマヒメは上機嫌で春麗邸へ乗り込む。
「いらっしゃったのですね、サクマさん」
「ココロワ‼ ああああああああああ‼」
春麗ココロワ‼ 。まあウラララ‼ の妹だ。不思議とサクマヒメとサイズ感が合う。同じアニメのキャラクターのようだ。
「サクマさん」
「ココロワ‼」
二人は見つめ合い、徐々に顔を寄せ合う。鼻と鼻がつきそうなところで。
「何してるんですか、サクマヒメちゃん‼」
「ウラララ‼ あああああああああああ‼」
「ち、お姉様」
「お姉様に舌打ちやめて!」
反抗期の妹にウラララ‼ は手を焼く。
「お互い苦労するのう」
「サクマヒメちゃんは大して苦労してない気が」
乗りで同情してみたサクマヒメに、ウラララ‼ は苦言を呈する。
「サクマさん、いけない遊びをしましょう」
「姉がいるのに⁉」
「どういう意味じゃ?」
「いけないという意味です」
「サクマヒメちゃんを魔道に引きずり込まないで!」
「ち、さすがですお姉様」
「さすがだと思うなら舌打ちやめて!」
「ぴゅ~」
「口笛やめてサクマヒメちゃん!」
「うるさい姉で」
「こちらこそ」
「会話噛み合ってないし、ココロワ‼ の私への不敬は反抗期で片付けていいレベルじゃないような!」
「ツッコミが長い!」
「駄目出しされた! 姉なのに!」
「ツッコミは読者への説明を兼ねる場合もあるから」
「擁護やめてサクマヒメちゃん!」
「さすがです、サクマさん」
「サクマヒメちゃんには舌打ちしないよく出来た子!」
「えへへー」
「褒めたら舌打ちしないからなこの子!」
ココロワ‼ は喉を撫でられた猫のように甘える。サクマヒメはウラララ‼ と顔を合わせて肩を竦める。何か絶妙に腹の立つリアクションだ。
「まあウラララ‼ 。そう目くじらを立ててやるな。まだココロワ‼ は子供じゃないか」
「子供じゃないです!」
「何でサクマヒメちゃんが擁護したのに反論するの、て」
ココロワ‼ は自身の下半身を露出させる。なかなかに立派な茂みが生えている。
「二次性徴⁉」
「いえ、サクマヒメファームです!」
「女性器名を聞いた訳じゃないけど! それにその名称を利用していいの⁉」
「いいよ」
「サクマヒメちゃんから了承を得られたら、もう私からは何も言えない!」
それはそうだ。サクマヒメファームの全権限はサクマヒメに譲渡されているのだから。
「私もまだ生えてないのに」
「ウラララ‼ パイパンじゃったのか⁉」
「お姉様パイパンだったの⁉」
「いや、サクマヒメちゃんはともかくココロワ‼ は知ってるだろ‼ とツッコみたいけど私もココロワ‼ の下半身事情知らなかったから何も言えない!」
「さっきから何も言えなすぎじゃないか?」
「そうだ、みんなでお風呂に入りましょう」
「ええのう、ええのう」
「ええ? もう私とココロワ‼ の下半身状態を表示したのに?」
サクマヒメとココロワ‼ が服を脱ぎ出し全裸になって浴場へ向かうものだから、
「いや、せめて脱衣所で脱ぎなよ」
と呆れながらも、ウラララ‼ は二人の後を付いていく。エロからしか、全裸からしか人間は始まらないのだから。さあ、人間を始めよう。二匹の子ヤギと一緒に、透き通った命の川を渡りに。人間の生命には限りがあるからこそ、尊くて愛おしいのだから。愛は世界を救う。サクマヒメからの友情で、ウラララ‼ は救われたように。ウラララ‼ からの愛情で、ココロワ‼ は救われてきたように。