一蹴 プレゼント
少佐
「ふふふ、お嬢様。このヴァイオレット・エヴァーロッテンマイヤーサンタクロースがプレゼントを届けに来ましたよ」
いつものメイド服とは違い、ミニスカサンタコスというヴァイオレット・エヴァーロッテンマイヤーさんの年齢的にギリギリアウトではないか、とも思える攻めた服装で彼女は寝ているウラララ‼ のベッドの上、顔の横に包装されたプレゼントを置いた。中身は何だろうか。まあゲームソフトとかその辺だろう。
「中身はネンインパクトですよ。お嬢様の果実が美味しく実ったら食べてあげますからね♥」
と密かに告げるヴァイオレット・エヴァーロッテンマイヤーサンタクロースさんだが、彼女にはゲームの心得があるのだろうか。まあ何となく元ネタ的にコントローラーの操作は上手そうな気もしなくもない。
「渡したかい? ヴァイオレットちゃん」
「少佐」
ヴァイオレット・エヴァーロッテンマイヤーさんは哀空のことを『少佐』と呼ぶ。そこまで似ていないような気もするが、彼女なりの敬意、というより愛情表現なのかもしれない。哀空は長年春麗邸で執事をしているベテランで、ヴァイオレット・エヴァーロッテンマイヤーさんの先輩に当たる。それゆえ色々と感謝しているし、思うところも多々ある訳だ。
「ヴァイオレットちゃん、ちょっと俺の部屋来てくれるかい?」
「え」
これは、誘いだろうか。誘われてしまったのだろうか。聖夜の悪戯に。クリスマスクリトリスに。比較的スケベで哀空に好意を抱いている節がある彼女に
「行きます」
断る道理はない。
「これ」
「え?」
哀空が自室でヴァイオレット・エヴァーロッテンマイヤーさんに手渡したものは、
「ポケットモンスターバイオレット⁉」
だった。
「ああ、ヴァイオレットちゃんと同じ名前だったから運命感じて。まだプレイしてないゲームだろ?」
「ありがとうございます」
思っていたものとは大分違ったが、それでもやはり嬉しい。ヴァイオレット・エヴァーロッテンマイヤーさんの目頭が熱くなる。
「へへー、実は俺も買ったんだ! 俺はスカーレットにした! ある程度強くなったら、通信対戦でもしようぜ! どこまで進んだかも逐次教えてくれ!」
「は、はい」
こういう哀空の少し少年っぽいところ。大好きだ。とヴァイオレット・エヴァーロッテンマイヤーさんは改めて思う。
「と、それとは別に。俺のトランセルも硬くなってきて」
「え」
やはり哀空は面白い人だ、とヴァイオレット・エヴァーロッテンマイヤーさんは思う。彼のトランセルはヴァイオレット・エヴァーロッテンマイヤーさんの自動手淫人形サービスにより、バタフリーへと進化していく。彼らは無限大な夢のような聖夜を、ぎこちない翼で飛び立っていく。サンタクロースのように、空の上から愛の種を撒き散らして。僕達は天使だったのだから。
ヴァイオレットちゃん