1月27日(1)
「うわ、ミスったな……」
鞄の中には紅さんからもらった薬袋があった。間違って学園に持ってきてしまったようだ。
ま、夕方に忘れず持っていけばいいし、このままでいいか。
「おはようさん、彰」
そうこうしていると琢磨がやってきた。
「おはよう」
「なあ、昨日のお笑い番組見たか?」
たしか七時から特番が組まれていたやつがあった。
しかし、その時間帯はちょうど紅さんの家にいたし、そこでは他の番組を点けていたから、見てはいない。
「すまん、昨日のは見てないわ」
「あー、それは惜しいことしたな。昨日の陣外のコント、すげえ面白かったぜ?」
「え、陣外も出ていたのか?」
「ああ、それも新作。あの映画予告のネタを修正して、最新版を出していた」
それは、ちょっと見たかった。
録画……は誰もしていないだろうな。うちの家族は俺以外、あまりお笑いとかバラエティの類を見ないし。
録画しておけばよかったと、肩を落とす。
「まあ、そう落ち込むなって。またどうせ他の番組でもやるだろ」
「ああ、それに期待したい……って、あ、あいつら、もう来たみたいだな」
琢磨の友人が教室に入ってきた。
こうして、友人とのささやかな時間は終わった。
すみません、今日はちょっと少なくなってしまいましたm(__)m