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お題シリーズ5

銀、銀、銀

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2022/12/12



 壁一面にずらりと並ぶ、銀色の食器。


 何千、何万もの食器を集めるのに、どれだけの時間と手間と、お金がかかったのだろう。


 考えるだけで、めまいがしてくる。





 休日。


 私は友人の家を訪ねていた。


 趣味で小説を書いているのだが、ネタが尽きた。


 だから、友人に小説家のネタになるものはないかといったら「いいものを見せてあげよう」となったのだ。


 それで、家を尋ねた次第である。


 友人に案内されたのは、コレクター品を保管するためのだだっ広い部屋。


 何十人もの人間が集まっても窮屈しないくらい。


 それを人間が使わずに、食器が占領しているだなんて、ある意味とても贅沢だった。


「ネタを提供できたかな?」

「ネタになるというより、題材になるという風に近いわね。というか自慢したかっただけじゃないの?」

「ばれたか」


 それからは、コレクター品についてあれこれ話をした。


 彼はずっと、わたしに背を向けて語り続ける。


 どんな歴史があるとか、誰が作ったとか。


 食器一つ一つに物語があって面白かった。


 最初はただ自慢したかっただけかと思ったが、無事にネタになりそうでなによりだ。





 一通り話を聞いた後、私は気になっていたことを訪ねた。


 いろいろな模様や色のものも、世の中にはあるはずなのに。


 ここにあるものは、すべて銀色。


「どうして銀色のものばかり集めるの?」


「ああ、それはね」


 彼はこたえる。


「銀って鏡のようになるだろう? 僕は、一生懸命集めた収集品を人に話すのが好きだからね」

「?」

「話しているときはいつでも、驚いたり感心したりする、お客さんの反応する顔が見たいんだよ」


 趣味が悪い。


 赤面した私は、食器の銀色にうつった彼の顔をにらみつけた。



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