道端の石ころ~逃げ続けた男の末路~
この小説を読んでくださりありがとうございます。
最初に説明として過去話ですが、あくまでノンフィクションです。
フィクションでもありますが、ノンフィクションだと思ってください。
男19歳
『俺女性が苦手だから』
違う、嘘だ。ただ関わって失望されるのが怖いだけ
『俺恋愛に興味が無いから』
違う、嘘だ。ただ自分を好きになる女性なんているはずが無いから期待して失望したくないだけ。
『俺ちょっと体調悪くてさ』
違う、嘘だ。ただやりたくない、逃げたい、関わりたくない
『俺この世で1番最底辺だからさ笑』
こういっていればどんだけ周りと比べられて挫折して他人を羨んでも、自分の精神が楽だから。
『俺、誰にも見られないように影になるわ笑』
嘘をつけ!本当は誰よりも目立ちたがりで誰かに見て欲しいくせに。
『俺1人でも生きていけるから』
違う、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ‼
本当は誰かに構って欲しくて、誰かに見て欲しくて、誰かの特別になりたい、、ずっとそう思ってる。
嘘をついてきた。数え切れないほど。
自分でもそれが嘘か本当かわからなくなるぐらいに騙した。
自分も相手も。
親も先生も友人も全て何もかもに嘘をついてきた。
だから全て失っても仕方がない。
僕が望んだ。これでいいと自業自得だと。自分への罰だと、、
男20歳
まるで僕はそこにいないかのように彼、彼女らはふるまう。
誰も僕を見ない。見ているのはいつもあいつ。
イケメンで声も良くて、高身長でちょっと天然で
女子とも男子とも仲がいい。
僕はどうだ、身長は低くはない、顔はあいつが上の下なら
良くて中の下、、下の中が関の山か、
陰キャでオタクでネットでしか生きれない、
女子との関係、、男子との関係すら皆無。
全てのきっかけはネットだった。
俺はネットが好きだった。
作り上げた理想が自分になるから、創り上げた理想の自分でいれる、現実から逃げれる。
俺にとってネットは天国だった。
アニメが好きで、ゲームが好きで同じ趣味を共有出来る
嘘で出来た俺を見てくれる、、表面上だけでも好きだと言ってくれる。
気持ちよかった、嬉しかった。何も無い自分なのにまるで自分が特別かのように勘違いした。
『声がいい』、『声優になれるよ』、『いつかサイン頂戴』
知ってた。自分なんてなんでもない、、ただの凡人だって
声優になれる訳がない。僕はどう考えたって下から数えた方が早い。無謀だと。
無理。ありえない。可能性ゼロ。
でも、、嬉しかった。褒められた。舞い上がった。
だから僕は声優を目指す事にした。
でも現実は残酷だ。
皆僕より声が良くて、演技が上手くて、顔が良くて、
背が高くて、、僕は、、、誰よりも下手だった。
周りに絶望した。
だから、
『僕は誰よりも下手だから笑』
言い訳を言った。認めたくなかった。逃げたかった。
誰も期待しない、見ない、僕なんてどうでもいい石ころ
道端の石ころ
そう思えば楽だった。それからだろう。
また嘘をつくようになったのは、、高校で死ぬほど後悔したのに学んだのにまた繰り返す。
嘘をついて逃げて、ネットに理想の自分を求める日々。
そして気づけば
才能があればなんとかなる?ない。特技かあれば教えてください?ない。何か一つ自分の武器を持ちましょう?ない。
ナイナイナイナイナイナイナイナイナイナイ
僕には何もナイ。得ることから逃げたから、逃げ続けてきたから
何も無い、僕には何もない。
それでも声優を目指すしかない。もう戻れない。
学力も学歴もない。もう進むしかない。
僕が声優を諦めた時僕は、、僕は本当に道端の石ころになってしまう。それだけは嫌だ。
何よりもネットの友達に失望されたくない、現実に僕は何もない。
ネットすら失ったら、本当に何も無くなったら
生きる価値がない
死にたくない、死ぬのだけは嫌だ、、
だから今日も僕は現実という生き地獄に潜りつづける
いつか楽になれると信じて、、、
これは嘘をつき逃げ続けた男の絶望のプロローグ
読んでくださりありがとうございました。
この話は言ってしまえば物語のプロローグみたいなものです。
もし誰か1人でも望むなら
この絶望と希望の話を詳しくした長編として書きます。