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無くしたもの

作者: キャシヨ

 今日はとても寒い。僕は何かを無くしてしまった。けれど無くしたものが何か分からない。


 道行く人に尋ねる。

「ねえ、お兄さん。とても寒いんだ。僕の手袋を知りませんか?」

「手袋?君は手袋をしているよ」


 道行く人に尋ねる。

「ねえ、お姉さん。とても寒いんだ。僕のマフラーを知りませんか?」

「マフラー?君は暖かそうなマフラーを巻いてるよ」


 道行く人に尋ねる。

「ねえ、おばさん。とても寒いんだ。僕のコートを知りませんか?」

「コート?あなたはとても良さそうなコートを着ていますよ」


 道行く人に尋ねる。

「ねえ、おじさん。とても寒いんだ。僕の家を知りませんか?」

「あなたは立派な家があるじゃないですか」


 そうだった、暖かい服を着て、大きな家もある。そしてもう、子供では無かった。

 私は富を得る代わりに、妻子を……大事な家族を手放してしまった。

 今から探しても見つける事は出来ない。


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― 新着の感想 ―
[一言] なんだか切ないですね。
2023/04/25 11:32 退会済み
管理
[一言] 寒いのは防寒具が無いからではなく、心が冷えていたからみたいですね。 彼の場合、冷えてしまった心を温めるのは難しそうです。
[一言] てっきり幼い迷子の子どもかと思いきや……。 お金儲けに走っていると、家族のことをないがしろにしがち。失ってから大切だったことに気がついてももう取り戻せないのですよね。彼はこれからも、夢と現実…
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