プロローグⅢ
はい、こんにちは
長々と考え、長々と添削して、そしてこんな感じ
自分で読んでいても違和感があったりしますが、何に違和感を、感じているのか分からんのですね
とりあえずストーリーを、進めていこうと思います
爺さんが外へ出てから二日たった。
朝、俺はいつものように顔を洗い狩りへ出るために身支度を整える。
地図を使うと端の方に濃淡のある黄色い丸がある。多分爺さんが言っていた騎士達だろう。
この森には方向感覚を狂わせる魔力のようなものが漂っているらしく(爺さんは霧と呼んでいた)普通の人間であればろくに進めず帰っていく。
俺はスキルのお陰で自身で踏破した場所は地図にのるので迷わず戻って来れる。爺さんは知らない、爺さんだからだろう。
案の定黄色の点は端の方をうろうろしている。
俺はできるだけ気にしないようにして狩りに出た、一人分ならば猪型でも狩れば足りるだろう。
――――狩が済んで小屋に戻るときも地図で見てチラリと見てみたが、やはりというか、さほど進めてはいなかった。――――
食事、鍛練、諸々の家事を片付けた。あとは、地下の書庫にある最後の一冊を今日中に読み終えよう。
俺が住んでいる小屋は、外から見ればただの小屋だ。ただし中に入ると外から見るのとは段違いに広い。調理場や風呂はもちろんあるし、地下には(幼少の俺でも届くように)扉の背ほどの本棚がずらりと並んでいる。
なんでも、じいさんが昔の知り合いに空間の拡張魔法と家具等の刻印をしてもらったらしい。
自分の寝室へ本を持っていき、さぁ読み始めようと思った時
「俺はグレアスト騎士団団長アンドリュー・スウィングラー。賢者殿はご在宅か!」
と、森全体に響くような大声で呼び掛ける声が聞こえた。
身体をビクウッとしならせて(なにせこんな大きな音は生まれて初めてだ)地図を表示すると、森を進めないはずの五つの黄点が小屋の前にある
一階に降りて窓から外を見てみると、これぞ騎士!といった感じの甲冑を着こんだ者が三人と、三人よりもやや意匠が劣っている鎧を来ている者が二人の、計五人組が立っていた。コスプレだろうか。その中でも先頭の兜にトサカのようなものがついているのが隊長(?)だろうか。
……爺さんには接触するなって言われてたけど、ここまで来てしまっているししょうがないよな、爺さんもあと半日位で帰るだろうし
そう、言い聞かせて、外へ出た。
そういえば、爺さん以外と話すのは初めてだ、少し緊張するな
「こんにちは?」
お目当ての爺さんではない人間が出てきて驚いてるのだろうか、前側に来ている三人は俺を見て目を瞬かせている。
しかしすぐに取り直したのか、礼儀正しく(?)兜を外して告げてきた。
短髪で、顎に髭を生やした体格の良い男性だ。とても強そうです。
「俺は、グレアスト王国、グレアスト騎士団団長アンドリュー・スウィングラー。グレアスト国王から、賢者様にお願いがあり参上した」
賢者?爺さんのことだろうが、あれは外では賢者なんて呼ばれてるのか、あとで笑ってやろう
「賢者ってのは、多分うちの爺さんの事だよな?であれば、まだしばらく帰って来ないと思うぞ?」
そう俺が答えると
「その前に、あなたは賢者様の召し使いか何かですか?であれば団長への名乗りが先にあっても良いでしょう?」
彼の脇にいた、真面目そうな整った顔つきと長い金髪が特徴的な美少女が問いかけてきた。
「ソフィア、先に自らが名乗るのが騎士としての礼儀だろう」
「はっ、失礼いたしました。」
そういって取り直すと
「私はソフィアと申します、故あって名前のみでの名乗りを失礼致します」
ソフィアと名乗った少女が、左手を腰の剣の柄尻に、握った右手を胸の辺りに上げていた、これが騎士の礼というやつだろう。
するとその隣の栗毛の小柄な少女は
「アンです。よろしくお願いいたします~。」
こっちは淑女然とした(本での知識しかないが)腰から折り曲げる礼をしてきた。
ソフィアがその美しい蒼瞳をこちらに向けて名乗りを促してくる
「俺はルシオ・スドウ、一応爺さんの養子というか弟子というかそんな感じだ」
と、とりあえず一番前にいたソフィアに手を差し出す。(アンナは何故かソフィアの少し後ろに下がっている)
が、一向に手を握り返してくれない。差し出した形のままだった手を気まずそうに引く俺を見た団長さんが
「ソフィア、手くらい握り返してあげても良いんじゃないか?」
とソフィアに言うと何故か食い気味にアンが答える
「初対面の女性にいきなり触れようとするのも如何かと思います、団長」
言い方が悪い
「ん?そういうものなのか?女ってのは本当にわからないものだなぁ?なぁ、少年?」
その言葉に困ったような笑しか返せない俺にソフィアが
「すみません、手に剣を扱っている跡があったものですから、少し気になってしまいました。それと、先ほどは召し使いなどと言ってしまったこと、重ねて謝罪します。」
「いや、気にしないでくれ。俺もデリカシーが無かったしな」
ソフィアは少し訝しげな目を向けてきたが、すぐに取り直――
「ほぅ、賢者さんのお弟子は剣も使うのか。てっきり魔法を修めてるのかと思ったんだが」
――団長さんの方が食いついたようだった。
「剣と言っても、大きなナイフみたいなもんだけどな。実は魔法はそこまで得意ではないんだ」
やはりというべきか、彼らの中では『賢者』というものは魔法に秀でているもの、というイメージがあるのだろう
「賢者様の弟子なのに、魔法がつかえないんですかぁ~?」
団長がニヤニヤしながら聞いている以外は、みなそのような事を考えているのだろう、いの一番にアンが聞いてきた
「あぁ、むしろ、中・近接戦闘の方が得意だ」
その言葉を聞いたからだろうか
「どうだルシオ?一回うちのソフィアと手合わせしてみないか?」
いや、多分挨拶の時点で考えてたな
「うちの騎士団じゃ剣の腕じゃもうこいつに敵う奴がいなくてなぁ。出来れば強い奴とやらせてやりたかったんだよ」
すると当人のソフィアも
「はい、私もとても興味があります。賢者様の弟子、その剣技を」
何故かとてもハードルが上がっている
「いや、その、騎士団最強の方とやりあえる程腕があるわけでは無いですし?」
「中・近接が得意だ、と仰っていたではないですかぁ~?」
「得意と言っても、熊型とか猪型とか狩れる程度の得意ですしぃ?」
「ハイ、わたクシも気になりまス、賢者様の腕前ガ」
お前は誰だよ!?
「『「ルシオさん」』」
主人公の実力が発揮される場面、皆さん好きでしょう?
私も好きです