自分探しの旅!!
オッス俺、悠人!花の大学1年生さ!
長年夢見てた大学生になった訳だけど初っぱなから外してしまって、めでたく大学ボッチになりました、拍手。
それで、大学特有のくそ長い夏休みをどうやって有意義に過ごそうかと、模索してみたんですよ。
いや、多分俺以外の大学生はウィークエンドラバー的なこと、サークルとかでウェイウェイやってんでしょ。知らんけど。
俺、そんなリア充になりたくないし。
自分をパリピって思いたくないし。
あいつらってパリピであることを誇りにしてるよね。気持ち悪っ。
ボーリング大会開くテニスサークルに入らなくて良かったわ。
あれ、なんか目からアルカリ性の水が……
別に強がりじゃないから、ホントに……
あぁ話戻しますね。それで、せっかく時間有り余ってるし、自分探してみようかなって、思い付いて今インドです。
えっ?勉強しろ?お前がやれ。
で、僕はガンジス川の畔にいます。
暑いです。いやはや、夕方なのに本当に暑い。暑すぎてもう寒く感じます。死ぬほど暑い。
心頭滅却すれば火もまた涼し、とはよく言ったものですね。僕の側で瞑想してるひと、涼しそうです。触ったら冷たくなってました。死んでますねぇどうみても。
まぁ、僕もそれに成りかけなんですけど。
別に熱中症って訳ではなくて、到着後、即座に追い剥ぎに会いました。
帰りの飛行機の切符も、パスポートも、勿論財布も身ぐるみ全部剥がされました。
英語も読めるけど喋れませんし、どうしようもなくなって当てもなくさまよい歩けばガンジス川まで来てました。
ふと周りを見渡すと僕と同じような姿の観光客が、動く気配もなく何人も寝そべっています。
数え切れないほどの虫に包まれ、凄まじい悪臭を放ってます。
現実逃避しようとして、無理やりおちゃらけた感じを出してたんですが、もう自分を騙せなくなりました。
三日間も飲み食いなしで炎天下、延々と歩いてましたからなぁ。
ウィークエンドじゃなくて俺の場合はライフエンドだな。ははっ全くもって笑えない……
ブクブクに膨れた肌色の風船が川上から流されてきました。
視界が霞み、始めました。
ハエの、羽音が、耳から、離れ、ませ
ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ……
モデルとなった大学生はすごく賢いk大の人で、旅立ってから1年後にガンジス川の下流で白骨死体として見つかったらしいですよ(笑)
一年で白骨化ってすごいですよね。
インドに行く人は追い剥ぎにお気をつけて。