4話続 腕試し〈学・惠〉編
【あらすじ】副隊長のレオンさんと腕試しをしました!
ーーー学視点ーーー
騎士隊副隊長のレオンさんが竜と詩音の相手をする間、俺と惠さんには魔法部隊隊長のジークさんが直々に指導してくれるらしい。
わざわざ場所を変えるのは、素人が無鉄砲に放った魔法が騎士達に当たったりしては大変だからだろう。
しかし、神白詩音…あの有名な、神白流居合術の事だとしたら。
世界大会5年連続優勝の[現代に現れた若き侍]と呼ばれたのが詩音だとするなら、一度戦いを見てみたかったという思いはある。
まぁ、きっとこれから見る機会もあるだろう。
今は自分の事を優先するべきだ。
魔法という概念は、物語の中でしかなかったもので、実際に魔力があると言われても体に感覚はないし、分からない。
「えと…学さん〜。魔法ってどうやって使うんでしょう」
静かについて来ていた惠さんが、俺に小さな声で尋ねてきた。
「分からない、推測だが、決められたキーワードがあるんだと思う。『炎よ』とか『水よ』とか。そういうものを言うだけなら発動はしないが、なにかしらの力を込めればそれが発生する…もしくは、魔方陣かなにかを描いて発動させるといったものかもしれない」
「なるほど〜」
ふむふむ、と頷いているが、確証はない。
まぁそこらへんは着いてから教えてもらえるだろう。
しばらく歩くと、大きめの体育館のようなところに案内された。
「ここには建物自体に結界が張られています。ある程度の魔法なら傷1つつきませんので、御安心を」
「すみません、俺達の世界には魔法という概念が存在していないので、1から色々教えていただきたいのですが」
ジークさんは「了解しました」と微笑んで言った。
柔らかい口調の敬語だ、落ち着いている雰囲気があり、だが、素人目でも相当な手練れだと分かる雰囲気を纏っている。
「ではまず、魔法の概念から話しましょう。この世界、この世界、ユグドラシルには無の魔素が空気中を漂っています。魔素というのは、自然を構築するものこことですね。火の魔素が多くなれば炎が、水の魔素が多ければそこには水が出る、といった具合に、火の魔素、水の魔素、土の魔素、風の魔素、光の魔素、闇の魔素、他にも様々なもの、現象が魔素の集合体でできてると言われています。私達はそれを取り込み、体内の魔素を詠唱で属性の魔素へと変換するのです」
「ん〜??学さん、分かりますか〜?」
「つまりは、俺達の世界で言うところの元素みたいな感じではないかな?水素(H)と酸素(O)が増えていくと水(H2O)になるみたいな…まぁもっと単純になったと考えればいいだろう」
「ふ、ふむぅ?」
「ほう、元素?」
ジークさんが興味津々といった顔でこちらを見てくる。教えないけど。
あ、察したのかしょぼんとしてる。
「…ま、まぁ、似たようなものがあるなら助かるよ。」
コホン、と一度咳払いをして、ジークさんは話を戻した。
「まぁ哲学的な話はしましたが、魔法の発動というのはいたってシンプルです、想像して念じ、詠唱するだけです。例えば」
そういって、ジークさんは片手を壁に向ける。
「火の魔素よ、集約し、発現せよ『ファイヤーボール』」
ジークさんの手に赤い光が集まっていき、ボォッ!という音とともに炎の塊が放たれた。
炎は壁に向かって一直線に飛んでいったが、壁の手前の空中が揺らいで吸い込まれるように消えていった。
「では、あなた方もやってみましょうか」
この後めちゃくちゃ練習した。
なんつて(ノ)ω(ヾ)
元は詩音達のだけ書こうかなと思ったんですけど、その間あの2人ほったらかしっていうのも微妙かなと思って書きました♪
とくに続きません、次回は5話目にいきます♪