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3話 目標

【あらすじ】ステータスの魔法を覚えて武器を手に入れました!



「・・・シ・・・おき・・・・シノ・・・きろ・・」


「ん・・・んぅ?」


変わった世界の匂いに、変わった世界の気配の中で、前の世界とまったく変わらない声に僕は呼びかけられ、ゆっくりと目を覚ます。


「おはよう?・・・竜」


「いや、まだ夕方だからな?そろそろ夕食だから、髪型直して顔洗おうぜ?」


寝ててボサボサになった髪の毛を手櫛てぐしで整えながら、従者さんに渡された水晶石すいしょうせきを持って、竜に手を引いてもらって洗面台へ行く。

水晶石というのは、水色の小さいガラス玉のようなもので、桶の中などで割ると水が溜まるのだ。

他にも赤の炎晶石えんしょうせき、緑の風晶石ふうしょうせき、割らずに飲み物などに入れて冷やす、正方形の氷晶石ひょうしょうせきなどがあるらしい。

魔物や原生生物が体内に持っている魔石ませきというものを加工して作るみたいだけど、1つの魔石から大量に作れるので値段は高くなく、一般の人が家庭で使えるくらいのものだそうだ。

魔石単体でも使えるんだけど、その場合は威力が高すぎて攻撃用とかにしか使えないんだって。


「やぁ、竜君に詩音君」


顔を洗った後、食堂に行くと、学さんがいた。

パタンという何かを閉じる音が聞こえたので、本を読んでいたのかな?


「早いですね、学さん」


「この世界の本を読もうと思ったのですが、部屋に戻って読むよりも最初からここにいた方が移動の手間が省けるかと思いまして」


「勉強熱心だなぁ~、ん?惠さんはまだ来てないんだな」


各々自由に席に座って、そんな話をしていると、廊下の方からゆっくりこっちに向かってくる足音がした。

たぶん噂の張本人だろう。


「おまたせしました~」


口調はのんびりだけど、ねっとりはしていない。彼女の素だと分かる感じの声だ。


「あ~大丈夫俺とシノも今来たとこだから」


そんなこんなで4人とも席に座ったところで、傍に控えていた執事さんが「それでは、食事をお運びしてまいります」といって出ていったのとほぼ同時に、誰かが入ってきた。


「おや、丁度よかったですかな」


「お、ウェイルさんっ」


「竜…執政の方にそんな気軽な感じでいいの?」


竜は僕に言われて「あっ」と申し訳なさそうな声を出した。普段からフレンドリーな感じだから相手が王様でかしこまった場でもない限りこういった感じになってしまう。


「構いませんよ、未来の英雄になられる方々なのですから」


「それで、丁度よかった、というのは?」


キリの良さそうなところで学さんが話を戻す。こういう場慣れしてる感じは、学校とかでリーダー的な役職をもってた人な雰囲気がある。


「今後の事についてお話しをしようかと思いまして…この世界には魔王が作ったダンジョンというものが存在します。皆様にはそちらを攻略しつつ、レベルやスキルを上げていただきたい、だが常日頃から戦っていた、というわけではないでしょう。そこでダンジョンに挑む前に、兵士の元で腕試しをした後、それぞれに合った訓練を1ヶ月ほどしていただこうかと思います」


「1ヶ月の訓練に、ダンジョン攻略ですか…その間、魔王や魔物などが攻めてこないとも限らないのでは?」


それは僕も思った。異世界から召喚するくらいだから、きっと切羽詰まってるのだと思っていた。

ダンジョンの数にもよるけれど、相当な時間はかかるはずだろう。


「それを説明するのには前回の人魔大戦じんまたいせんのころからの話をする事になります。実は、この召喚は過去何度も行われているのです。」


「何度もって…魔王を倒しても、復活するって事ですか?」


竜が質問をする。確かに、何度も行われているという事は、倒しても倒しても復活するという事だ。


「具体的にいうと、半分正解のような感じですな。魔王が討たれても、どこかで生き残っていた力の強い魔族のものが、次代じだいの魔王になるのです。根絶やしにしない限りは、延々と続くでしょう」


「そういう統制が取れるって事は、話し合えば通じる可能性もあるのではないですか~?」


今度は惠さんだ。


「我々も、いろいろな策を考えました。会話による平和条約の申し出などもしましたが、聞かず…それを率先して実行した勇者様方は、敵地の真っただ中に誘い込まれ、全滅いたしました」


全滅、という言葉に、全員が息をのむ。その場に少しの静寂が起きた。ここで死んだら、終わるのだろうか。僕たちのいた世界と同じように…


「さて、話を戻しましょう。前代の勇者様方は魔王を倒した後、全員で結託して人間界すべてを覆う結界を張りました。今でも神話として語り継がれております。おかげで、魔王とその配下達は直接手を出せなくなったのです。しかし、最近になって結界の効力がだんだんと弱まり、ついに、魔王が人間界にダンジョンを召喚するまでに至ったのです」


「なるほど…魔王はいまだ直接手は出せないが、ダンジョンを介して魔物を放つことにより結界の中から侵食していこうと考えたわけですか」


「不服ながら、ご名答でございます。最初にダンジョンが出来た時、警戒して誰も入らなかったのです…すると、中で生まれた魔物どもがあふれ出てきました…たくさんの村や人々が死んだ…我々はそれを大暴走スタンピードと呼んでおります」


「それを食い止めるために、ダンジョンを攻略しつつ人間界の安全を確保して、最終的に魔界へ攻め込み、倒すっていう事ですか?」


「はい、仰るとおりでございます」


ウェイルさんは、深々と頭を下げ、「なにとぞ、人類の事をよろしくお願いいたします」と言って席を立った。

これまたタイミングを見計らったように食事が到着する。

僕達はとりあえず夕食を食べながら、今後の事について話し合っていった。

手の空いたときにパッと読めるように、短く区切っていますが大丈夫でしょうか、読みにくかったりしませんかね(;^ω^)


あと、どなたかわかりませんがブクマ感謝でございます!

仕事の都合などで投稿時間が遅くなったりもしますが、のんびりでもしっかり更新していこうと思うので、温かい目で応援していただけると幸いです♪

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