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1話 召喚



「う〜〜んっやっと学校終わったぁ〜」


思いっきり伸びをしてから、下校の為に帰路についていた。

すると、横から聞きなれた声がする。


「はははっ、シノは毎回それ言うなっ」


「だって、僕は先生の話聞くだけだもの、結構退屈だよ」


そう言うと、あ〜、と苦笑混じりの声が聞こえた。


「シノは目が視えないからな、それはしゃーないわ」


そう、僕、シノこと神白かみしろ 詩音しのんは生まれつき目が見えない。

先天性緑内障せんてんせいりょくないしょうというやつだ。

運が良かったのか悪かったのか、僕の家は有名な居合道場をしていて、本当に小さい頃から心眼しんがんやら護身術ごしんじゅつやらを鍛えさせられたので、白杖はくじょう(※盲目の人が物の位置や段差など、空間を把握するために使う白い杖で、一応僕も持ち歩いてるけど)無しでも歩いたり、物があると認識する事はできた。

分からないことといえば色くらいだ。

生まれつき視えないので、赤や緑と言われてもそれがどんな色なのか分からないから、知りようがない。

あと最近流行りのスマホとか、触っても視えないから動いてるのかどうかも分からないや。


「でも竜より成績いいけどねっ」


「うっ…可愛らしい顔して的確に急所を刺してくるなお前…」


「男に向かって可愛らしいは余計だと思う」


やなぎ りゅう、家も隣で、学校も幼稚園からずっと同じの幼馴染だ。

まだまだ視えないことに不慣れだった僕をよく介助してくれたりもした、親友と呼べるやつ。

からかってはくるけど、本当に面倒見が良くて優しいやつだと思う。

ちなみに僕は145センチで細身、なおかつ顔も女性寄りらしいので世間一般でいう男の娘?なんだそうだ。


「でもシノ今日も昼休み男子に告られてたろーw」


「あれだけは本当にどうにかならないかなって困ってるよ…」


僕たちが通う高校は私立で、制服もなく自由なのだ。

だから制服での男女の区別とかはできないのが原因だと思う。

…それでもちゃんと男物着てるはずなんだけど…。


「いっそ割り切って女の格好してみるとかどーよ?ほらよく言うだろ、美少女には声かけづらいって」


「男の人に告白されるから女の子の格好したいですーって親に言うの?それこそ人生の終りな気が…」


母は乗り気で買ってきそうだけど、父は道場の師範だ、よくいる威厳のある人みたいな性格をしている。

男が女の子の格好をしたいなんて言おうものなら真剣で斬られかねない…。


「シノの親父さんこえぇもんなぁ、言い出した俺も斬られそう」


「本当だね、冗談でも言えないや。それでさ、話は変わるけどーーー」


いつもこんな感じの談笑をしながら、僕たちは変わらない帰り道を毎日歩いている。


でも、今日はいつもと少し違った。

ふと、僕が感じてる道の感覚が、〝ズレた〟気がした。


「ん、あれ?」


「どうしたシノ?」


竜は気づいていない。

見た目はなにも変わっていないのかもしれない。

でも僕には、だんだんと道がズレていくのが感じとれた。


竜にそれを伝えようとしたその時だった。


「うわっ!なんだ!急に道が光って!シノ!!」


「竜!!」


急激にズレが大きくなった道の狭間に、僕達は落ちた気がした…。


「うわぁぁぁぁぁぁ!」


僕達は、何かの狭間に落ちて気を失ってしまった。

ーーーーーーーーーーーーーーー



「う、ん…」


目を覚ますと、不思議な感覚に陥った。

地面に落ちたはずなのに、外の空気の匂いがする。

さらに不思議なのは、ここは日本じゃないってことだ。

空気も、匂いも、日本にはない何かしらの別の流れがある事も、なんとなく分かった。


「竜…竜!大丈夫!?」


「うぅ…くそっなんだここは…」


竜も目を覚ましたらしい。

やっぱり見たことがないところなのかな?

竜と一緒に起き上がってから、ここがどこなのかを話そうとした時、別の声が聞こえてきた。


「くっ…どこだここは…」


「うぅ…痛いです…」


1人は知的そうな男子の声、もう1人は女子かな?声を聞く限り同い年っぽい。


「君達も…穴に落ちたのか?」


「あ、あぁ…急に足場が無くなって、それで…」


「死んだかと思いました…」


「なんか、空間というか、そういうのがズレる感じはしました」


僕がそういうと、知的そうな男子はふむ、と考え込んだ。


「なにかしらの転移的なものか…?そうだ、自己紹介をしていなかった。僕は桐谷きりや まなぶという」


「俺はやなぎ りゅう、んでこいつは神白かみしろ 詩音しのんだ。詩音は目が見えないから、目を合わせないとか多少の事は許してやってくれ」


「詩音さん、目が見えないんですか…私、篠原しのはら けいって言います!困った事があったら何でも言ってくださいね?」


「ありがとうございます、助かります。…ところで、さっきからこっちを隠れて見てる人がいますよ」


そう言いながら、僕は顔をその人がいる方向へと向けた。

全員がそこに振り向くと、その人が隠れていた場所から姿を現して、こちらへと歩いてきた。


「いやはや、流石、鋭いですな」


歩いてきたのは、老齢のおじいさんだ。


「どうも初めまして、私は執政のウェイルと申します。

単刀直入に申しましょう、皆様はこの世界、ユグドラシルへと召喚されました」


「…やはりか」


ウェイルさんの話をまとめるとこうだった。

僕達はユグドラシルという世界に転生した。

ここにはステータスというものが存在し、転生してきた者はその能力値が軒並み高くなるという。

そしてこの世界から戻る方法はただ1つ、この世界にはびこる魔を討滅する事。

つまりは魔王を倒せっていう意味らしい。

後はこの世界の事をざっくりと教えてもらった。


「皆様にはこれからこの国、マナ国の王に謁見して頂きます。より詳しい事は王から聞けると思います」


そう言いながら、重い扉が開かれる音が聞こえた。

気配からするに室内に10人近くの鎧を着込んだ人達。

その奥の真ん中の方に人が1人座っている。


「よくぞ来た、未来の英雄諸君。我が名はマナ王国10代目国王セイティ・ネイ・マナだ」


40代くらいの低く渋い声が響く。

初、小説投稿とさせていただきます!

なにぶんまだまだ未熟で文章等も幼稚な面がありますが、ほんのり生暖かい目で見て、楽しんでいただけると嬉しいです!

今のところは修行と趣味の一環として、のんびり更新していこうかと思います(笑)

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