僕の…
大好きな彌麗がいなくなった
彌麗と僕は兄妹でもあり、恋人でもあった
不思議なことに彌麗がいなくなったことに誰も気づいてないんだ
父さんも母さんも皆知らない
毎日一緒に僕といたのに……
2005年8月18日
この日、僕はいつもより早く目が覚めた。
特別早く寝たわけじゃないし、僕は目覚めが悪い方だ
まぁそういう時もあるだろうと勝手に納得し体を起こした…つもりだったのに起き上がれない
見ると知らない女の子が僕の上に乗っている
「目ぇ覚めた?」と、その子が言った
なんだ、彌麗じゃないか、何で忘れてたんだろう。僕の義理の兄妹の彌麗だ
おどかすなよ、と彌麗を軽くこづき、僕たちは笑いあう。そんな僕たちの毎日
幸せだったんだ、そんな当たり前の日常が。
2005年8月31日
この日もぼくは早く起きた。横を見るといつもいたずらに来るはずの彌麗がいない
つかれてねてるのかなぁ?って思って気にしてなかったけどその日から彌麗はいなくなってしまったんだ。
父さんや母さんも悲しそうな顔をしている…のだろうか?
泣きそうな顔にも見えるし、今にも笑い出しそうな顔にも見える。
皆一体どうしたんだ!?
2006年8月31日
あの日から一年がたった。
僕は最近彌麗なんか初めからいなかったんじゃないかって…時々思う。
母さんと父さんは何もしゃべらない。
寂しくて、寂しくて
「死にそうだよ!!!!!!!!」
2006年9月1日
僕は救われたのだ。
誰からの手も借りずに。
僕が今いるのは僕にとっての楽園。
母さんがいて、父さんがいて、そして 彌麗がいて!
皆で笑ってふざけあった。
あぁ懐かしいなぁ、昔はよくこんなことをして遊んだっけ?
でもねまったく知らない人もいる。
困った顔でこっちをみるんだ。
僕たちの幸せな気分が壊れてしまう
そういう気持ちになり、怒鳴ろうとしたとき、異臭が漂ってきた。
うっ!?
鼻が詰まりそうな…臭いにおいだ。
後ろを見ると、
美しい彌麗の顔が、
母さんの顔が、
父さんの顔が崩れていくのが分かった。
うわぁぁああ!
叫び声をあげて逃げたけど全然意味がなかった。
ミレ…イ ア・イ・シ・テ・ル
これが少年の最後の言葉だった。
ある精神病院のドクターがいった。
「この少年…いえ、青年はもう治る診込みが」
「先生」
看護婦はそういって言葉をきった。ドクターの言うとおりだった。
この少年はゲームの世界に取り込まれ、あるゲームキャラに恋をした。少年はそのゲームのとおりの事を現実だと思った。兄妹だと。
母、父が必死に辞めさせたところ、少年はキャラとの恋路を邪魔されたと思い殺害。
そのキャラの名は、彌麗。
「もうゲームと現実との区別がつかないくらい狂っちゃったんですね。」
看護婦は哀れそうに青年の・・・いや15年前の少年の方を見ながら言った。
「み・・れ・い。うぁぁぁぁぁ」
かつての少年は泣き叫びながら彌麗の名を・・・繰り返していた