表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

僕の…

 大好きな彌麗みれいがいなくなった

彌麗と僕は兄妹ぎりのきょうだいでもあり、恋人でもあった

不思議なことに彌麗がいなくなったことに誰も気づいてないんだ

父さんも母さんも皆知らない

毎日一緒に僕といたのに……






 2005年8月18日

この日、僕はいつもより早く目が覚めた。

特別早く寝たわけじゃないし、僕は目覚めが悪い方だ

まぁそういう時もあるだろうと勝手に納得し体を起こした…つもりだったのに起き上がれない

見ると知らない女の子が僕の上に乗っている

「目ぇ覚めた?」と、その子が言った

なんだ、彌麗じゃないか、何で忘れてたんだろう。僕の義理の兄妹の彌麗だ

おどかすなよ、と彌麗を軽くこづき、僕たちは笑いあう。そんな僕たちの毎日

幸せだったんだ、そんな当たり前の日常が。






 2005年8月31日

この日もぼくは早く起きた。横を見るといつもいたずらに来るはずの彌麗がいない

つかれてねてるのかなぁ?って思って気にしてなかったけどその日から彌麗はいなくなってしまったんだ。

父さんや母さんも悲しそうな顔をしている…のだろうか?

泣きそうな顔にも見えるし、今にも笑い出しそうな顔にも見える。

皆一体どうしたんだ!?





 



 2006年8月31日

あの日から一年がたった。

僕は最近彌麗なんか初めからいなかったんじゃないかって…時々思う。

母さんと父さんは何もしゃべらない。

寂しくて、寂しくて




    「死にそうだよ!!!!!!!!」






 2006年9月1日

僕は救われたのだ。

誰からの手も借りずに。

僕が今いるのは僕にとっての楽園。

母さんがいて、父さんがいて、そして       彌麗がいて!

皆で笑ってふざけあった。

 あぁ懐かしいなぁ、昔はよくこんなことをして遊んだっけ?

でもねまったく知らない人もいる。

困った顔でこっちをみるんだ。

 僕たちの幸せな気分が壊れてしまう

そういう気持ちになり、怒鳴ろうとしたとき、異臭が漂ってきた。

 うっ!?

鼻が詰まりそうな…臭いにおいだ。

後ろを見ると、

美しい彌麗の顔が、

母さんの顔が、

父さんの顔が崩れていくのが分かった。

 うわぁぁああ!

叫び声をあげて逃げたけど全然意味がなかった。

 ミレ…イ   ア・イ・シ・テ・ル











 これが少年の最後の言葉だった。

ある精神病院のドクターがいった。

「この少年…いえ、青年はもう治る診込みが」

「先生」

看護婦はそういって言葉をきった。ドクターの言うとおりだった。

この少年はゲームの世界に取り込まれ、あるゲームキャラに恋をした。少年はそのゲームのとおりの事を現実だと思った。兄妹だと。

母、父が必死に辞めさせたところ、少年はキャラとの恋路を邪魔されたと思い殺害。

そのキャラの名は、彌麗。




「もうゲームと現実との区別がつかないくらい狂っちゃったんですね。」

看護婦は哀れそうに青年の・・・いや15年前の少年の方を見ながら言った。

「み・・れ・い。うぁぁぁぁぁ」

かつての少年は泣き叫びながら彌麗の名を・・・繰り返していた


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 途中、どうして1年もの歳月が流れたのか、その間に何があったのか、もう少し意味づけができるといいと思います。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ