K女子大と私
この作品は、全て妄想であり、創作です。
当時、私が克服出来なかった劣等感の一つにK女子大がある。
K女子大は通称K女。カトリック系のN女子大と並んで、K市内の二代有名女子大で、N女が市内の良家女子が進学するのに比べて、K女は近辺の県から名だたる才女達が受験する私立大学だ。
K女は国立K大学の学生と完全密着してると言う、長い長い伝統があり、K大の公式試合にでるような部活はさて置き、いわゆるサークルと名前のつく、様々な集団のほぼほぼ全部がK大とK女のメンバーで成り立っており、しかもそれが当たり前どころか、K大もK女もお互い誇りに思ってるらしかった。
少なくとも私にはそう思えた。
まぁ、冷静に考えればK大は国立で、頭脳明晰の男子が多い学校。K女は才女の多い女子大でしかも学校もまあまあ近い。となると自然の原理としてお互い異性を求めて行動を共にして来たのだろう。
しかし、受験で失敗して、そのへんの短大にしか行けなかった当時の私にとってK女は敵と言うか、コンプレックスの代名詞だった。K女と聞くだけで、過敏に反応し、全ての要素を拒否した。
当時の女子向けファッション雑誌の一つにTTと言うものがあった。まぁ、全員じゃなくともあの頃の女子大生、OL、etc.,みんな読んでたんじゃないのかしら?その中に今月の自慢のサークルってことで、近辺の県の大学や女子大連中が華やかなファッションでグラビアを飾るコーナーがあった。K大とK女のサークルもそのコーナーの常連だった。
私は毎月ではないにしろ、そのコーナーでK女を見つけると、ページを破り捨てた。だったら見なきゃいいのだが、怖いもの見たさなのか、毎月買ってしまう。で、また妄想に腹をたてる。その繰り返しだった。
肝心の隆のサークル....登山アンドハイキングクラブにも山ほどのK女が連なっていた。隆も若かったのだろう。私に焼きモチを焼かせようとしてクラブの話をよくした。飲み会の写真を見せたり。私がおっとりとした見せていた内面でどんなに悔し涙にくれてたかを知らずに....
私は隆が彼女たちに取られそうで悔しかったのではなかった。隆は私の事もクラブのメンバー達に自慢していた。さすがにそのクラブには参加させはしなかったが。と、言うか、当時、K大生にとってK女以外の他の学校に彼女がいるってのもある意味珍しく周りに羨ましがられる原因だったらしい。人間の心理とは不思議なものだ。
隆も最初は私の存在を隠していた。が、ある日、K大近くのボーリング場で遊んでいたところを隆のサークルの友達に見つかった。私は何故かボーリングが上手く、内心不貞腐れていても、挨拶だけは誰にも愛想良くする方で、しかも、その彼の連れのK女はあまり美しい人では無かった。
なので、その友達がすっかり私に感心してしまったらしく、隆はK女じゃない彼女を隠しているとみんなに触れ回った。それで隆はすっかり気分を良くしたらしい。
今考えると、遊び慣れてない男の子ってのも単純で笑えるわ。
あれまぁ、劣等感ってのはつらいものですよね?