隆と親しくなる
この作品は、全て妄想であり、創作です。
その秀才の、隆と私がなぜ仲が良くなったか?
バス停が一緒になったのだ。
私の父は転勤族で、受験生だった私を置いて、と言うか私が転校が嫌で、高3年の9月に市内の叔父の家に預けられたのだ。
考えて見れば、転校して来た隆と逆だ。
叔父の家が高校まで通うのに、今まで徒歩だったのがバスになった。
慣れないバス通学が不安で、私は少し早めのバスに乗る事にした。そのバス停の常連が隆だった。
私達は勿論、最初の何ヶ月かは存在に気がついても知らんぷりだった。が、そのうちバス停の常連の、互いの立ち位置までわかって来た頃から、軽く会釈をするようになった。
そんなある日、帰りのバス停まで、ノソノソ歩いていたら、隆が前を歩いている。あれ気まずいなぁと思っていたら、なんと隆が振り向いて私を待っているではないか。
あんなにビックリしたのは、久しぶりだった。
私は夢中で駆け寄った。
最初に何、話したんだろ?
ドキドキし過ぎて覚えて無いや。笑
それからは、なんとなく待ち合わせた訳でもないけど、今までの身の上話とか、進学とか、将来の夢とかいろんな話をポツンポツンと話した。
高校三年生の後半。受験真っ只中。相手は校内1の秀才。私が隆と個人的に親しいなんて、ダァれも知ら無い。
今思うと隆も転校して来ていきなり神童扱い、周りはまるで物見遊山。寂しかったのだろう。
私達はたった半年間、ただ一緒に帰っただけだが、すっかり友達になった。今思うと、なんて素敵な思い出。そこで、そのまま思い出にしときゃ良かったんだけどね?
あれま?校内1秀才とお近づきですね?