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僕の妄想なんだから言うこときけ!  作者: 平平尾
妄想、想像、創造
5/5

てはじめ

 さて、方法を模索(もさく)していこう。


 まず、いちばん手っ取り早いのは、漫画や小説をひらくことだ。これはもっとも手軽な方法にして実にすんなりと世界に溶け込むことができる。

 だがもちろん、その手軽さのせいで弊害(へいがい)もある。すこしでも気を緩めると一瞬にして現実に戻されてしまうのだ。

 少し前まで、自分は名探偵の主人公としてバリバリ犯人を追い詰めていたというのに、次の瞬間には、実際は、探偵が殺人の案件は扱わないよなあ、なんて考えはじめて、そしてどこまできちんど読んだかも分からなくなってしまう有様。

 これではいけない。


 次に、ゲームを起動する。これは読書よりは没頭(ぼっとう)率が高い。

 その世界に入り込むと同時に、操作の部分も受け持つわけだから、かなり集中せざるをえない。とても現実のことなど考えている余地はない。

 だが、やはりゲームにも問題はある。

 それはゲームは所詮(しょせん)、誰かが用意してくれたプログラムのなかでしか動くことができないということ。

 僕にすればこれは結構大事なことだ。

 せっかく楽しんでいて、ふとした瞬間に、ずっとこの繰り返しでしょ?これがまた難しくなっていくだけでしょ?と、現実に戻される隙がうまれる。

 なかには、そんな隙を一切つくらずに、エンディングまで魅了しつづけるタイトルも存在するが、そういう名作と呼ばれるものは、全体のほんのわずかだ。

 そして何より問題なのは、いま家のなかにある名作と呼ばれるものは、すべてプレイ済みだということ。

 こういう点からもわかる通り、やはりゲームにも限界がある。


 最後に、ネット。

 これは非常に奥が深い。

 自分で操作するのはもちろんのこと。その先に無限の可能性が存在し、向こうにもモニタ越しの生身の人間がいるということを思えば、理想にちかい。

 しかし、やはりエンターテイメント性が足りない。もっとわくわくするような、冒険(アドベンチャー)が必要だ。

 剣と盾だけで暗い洞窟をすすむような、あるいは単身丸腰で船に潜入するようなシチュエーションが、ネットにはない。刺激がまったく欠落しているのだ。


 そしてひとつ、答えを見出す。


 それはかけがえのない、唯一の方法。


 自らのなかに無限の可能性を見出し、そこに自分を投下する。


 まあ、世間一般でいう言葉を拝借(はいしゃく)するなら、——それは「妄想(ファンタジー)」だ。

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